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霊柩車の運転に必要な免許・資格とは?働き方や年収も解説

霊柩車の運転は、普通免許さえあればできる仕事ですが、その内容は一般のドライバーとは大きく異なります。

霊柩車ドライバーに求められる資格やスキルとはなにか、またどのようにキャリアアップができるのか。

本記事では、霊柩車の種類や必要な免許、霊柩運送事業の始め方など、ドライバーとして知っておくべき情報を詳しく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 霊柩車の種類と特徴
  • 霊柩車の運転に必要な免許と資格
  • 霊柩車ドライバーの仕事内容と収入
  • 霊柩車ドライバーのやりがいとキャリアアップ
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1.霊柩車とは?種類と特徴

霊柩車とは?種類と特徴

霊柩車とは、ご遺体を葬儀場から火葬場へ搬送するために特別に設計された車両のことを指します。

一般的な車両とは異なる特殊な構造を持ち、故人とご遺族に配慮した荘厳な外観が特徴的です。

霊柩車の役割は、ご遺体を丁重かつ安全に目的地まで運ぶことであり、葬儀における重要な役割を担っています。

霊柩車の3つの種類と特徴

霊柩車は、外観と構造の違いから主に3つのタイプに分類されます。

1、洋型霊柩車
欧米で主流の霊柩車で、高級セダンをベースに改造されたタイプです。

車内は豪華な内装が施され、ご遺体を安置するスペースも広々としています。日本では、昭和天皇の大喪の礼以降に広く普及しました。

2、宮型霊柩車
屋根付きの霊柩車で、故人を乗せた輿をイメージした荘厳な造りが特徴です。

装飾が施された和風の意匠は、日本古来の葬送文化を象徴するデザインと言えます。近年は徐々に減少傾向にありますが、伝統的な葬儀スタイルでは欠かせない存在です。

3、バス型霊柩車
マイクロバスをベースに改造された霊柩車で、ご遺体と同時に複数の同乗者を運ぶことができます。

狭い火葬場の駐車場などでも活躍するため、昨今の家族葬などで重宝されています。

このように、霊柩車は種類によって外観や特徴が大きく異なりますが、いずれも故人とご遺族に対する敬意と配慮が込められた特別な車両であると言えるでしょう。

霊柩車と寝台車の違い

霊柩車と混同されがちなのが寝台車です。しかし、両者には明確な違いがあります。

霊柩車は、葬儀・告別式から火葬場までご遺体を運ぶために特化した車両です。

一方、寝台車はご遺体の搬送全般に使われる車両で、葬儀とは関係のない場面でも活躍します。例えば、病院から自宅へご遺体を運ぶ際などに利用されるのが寝台車です。

外観の違いとしては、霊柩車は荘厳さや豪華さを重視するのに対し、寝台車はよりシンプルで機能的なデザインが一般的です。

また、霊柩車が故人を棺に納めて運ぶのに対し、寝台車では特殊なストレッチャーにご遺体を乗せて搬送するなどの違いがあります。

つまり、霊柩車はあくまで葬儀の一場面に特化した特別な車両であり、寝台車とは役割や使われ方が異なります。

2.霊柩車の運転に必要な免許と資格

霊柩車の運転に必要な免許と資格

霊柩車ドライバーに必要な免許

霊柩車を運転するドライバーに必要な免許は、基本的に普通自動車免許のみです。タクシーやバスの運転手のように第二種免許は必要ありません。

これは、ご遺体が法律上「人」ではなく「モノ」の扱いとなるためです。

ただし、バス型の霊柩車でご遺族など複数の同乗者を運ぶ場合、料金の有無によっては第二種免許が必要となる場合があります。

こうしたケースでは、地域によって判断が分かれることがあるため、運輸局などに確認をとるのが望ましいでしょう。

いずれにせよ、霊柩車の運転には特別な免許は不要です。

しかし、ご遺体やご遺族への適切な対応、安全運転の徹底など、一般のドライバーとは異なるスキルと心構えが求められる点には注意が必要です。

霊柩運送を始めるための資格と手順

霊柩車を使って事業を行うためには、普通自動車免許だけでは不十分です。「一般貨物自動車運送事業」の許可を取得し、緑ナンバーを取得する必要があります。

ご遺体は法律上「貨物」に分類されるため、それを運送する事業は貨物自動車運送事業に該当します。

事業の開始にあたっては、管轄の運輸支局への申請が必要であり、法令試験に合格することが許可取得の条件となります。

霊柩運送事業の許可取得には、車庫の広さや資金面など、一般の貨物自動車運送事業との共通の要件を満たさねばなりません。

一方で、霊柩運送事業独自の基準もあり、例えば1台からの事業開始が可能であったり、4台以下の営業所では運行管理者の選任が不要であったりと、一般の運送事業とは異なる特例があります。

霊柩車の「緑ナンバー」取得方法

また、先述したように霊柩運送事業の許可を得た車両は、「緑ナンバー」と呼ばれる番号標を付けなければなりません。

緑ナンバーの取得手続きは、許可取得後の流れに沿って進められます。

まず車検証の変更と、ナンバープレートの交換を行います。続いて、運輸支局に対し「運輸開始届」と「運賃料金届」を提出。

これにより、正式に霊柩運送事業用の車両として登録されます。

なお、既存の自家用車を霊柩車に転用する場合は、改造に関する検査を受ける必要があります。

車内にご遺体を安置するのに十分なスペースや固定装置など、法令で定められた要件をクリアしなければなりません。

このように、霊柩運送事業の開始には、免許以外にも様々な手続きと準備が必要です。

許可取得のための申請や検査など、専門的な対応が求められるため、行政書士など専門家の支援を受けるのが得策と言えるでしょう。

緑ナンバーについて知りたい方はこちら

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3.霊柩運送事業の始め方

開業の流れ

霊柩運送事業を始めるためには、以下のような流れを踏む必要があります。

一般貨物自動車運送事業の許可申請

管轄の運輸支局に必要書類を提出します。車庫の広さや資金面の健全性など、要件をクリアしていることが条件です。

法令試験の受験と合格

申請の翌月以降に実施される法令試験を受験します。不合格となった場合は再試験となり、2回不合格だと申請却下になるため注意が必要です。

許可証交付と各種講習の受講

試験に合格すると許可証が交付されます。登録免許税12万円を納付した上で、事業開始前の各種講習を受講します。

運輸開始届と運賃料金届の提出

車検証の変更とナンバー取得の手続き後、運輸開始届と運賃料金届を提出。これにより正式に霊柩運送事業の開始となります。

このように、霊柩運送事業を始めるには、一般貨物自動車運送事業の許可が必須です。申請にあたっては、事業計画書や車庫証明、資金面での残高証明など、様々な書類の準備が求められます。

事業形態について

事業形態としては、個人事業主として始める方法と、株式会社など法人を設立する方法があります。

形態によって必要な手続きや資金の要件が異なるため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に選択する必要があります。

車両の準備

許可を得た後は、車両の準備を進めます。霊柩車は、ご遺体を丁重に扱うための特別な構造が法令で義務付けられています。

既存の車両を流用する場合は、所定の改造を施した上で構造検査を受ける必要があります。

一方で、新たに霊柩車を購入する場合は、メーカーの販売する適合車両を選ぶことになるでしょう。

集客方法と営業のコツ

霊柩運送事業の集客においては、葬儀社との連携が欠かせません。葬儀社から霊柩車の手配を受けることが、安定した収益を得るための鍵となります。

そのためには、地域の葬儀社を一軒一軒訪問し、自社のサービスをアピールしていく地道な営業活動が重要です。

迅速な対応力、ご遺族への心配りの行き届いたサービス、安全運転の徹底など、葬儀社から信頼される存在となるための努力を積み重ねていく必要があります。

また、葬儀事業者が集まる展示会や勉強会などがあれば、そちらに参加し、ネットワークを広げることも効果的です。

さらには、ウェブサイトやSNSを活用し、サービスの特長や実績を広くアピールしていくことも重要となるでしょう。

霊柩運送事業は、参入障壁が比較的低い一方で、競合他社との差別化が難しいビジネスです。質の高いサービスを提供し続けること、そして地域に根差した営業活動を通じて信頼を獲得していくこと。

この二点が、事業を軌道に乗せるための重要なポイントと言えます。

4.霊柩車ドライバーの仕事内容と収入

霊柩車ドライバーの仕事内容と収入

霊柩車ドライバーの1日の仕事の流れ

霊柩車ドライバーの仕事は、ご遺体の搬送が中心となります。1日の流れは、おおむね以下のようになります。

出勤後
霊柩車の点検と清掃を行います。ご遺体を乗せるにふさわしい、清潔で厳かな車内空間を整えます。

スケジュール確認
担当する葬儀の情報を確認し、スケジュールを把握します。

搬送
葬儀会場や自宅に向かい、ご遺体を霊柩車に安置します。

この際、ご遺族の心情に配慮しつつ、丁重な扱いを徹底。火葬場まで、安全運転を心がけながらご遺体を搬送します。道中は、ご遺族に失礼のないよう慎重な運転を心がけます。

火葬場スタッフに引き継ぎ
火葬場に到着したら、ご遺体を降ろし、火葬場スタッフに引き継ぎます。一連の業務終了後、再び車内を清掃し、次の業務に備えます。

この流れを、1日に数回繰り返すのが霊柩車ドライバーの日常業務です。夜間や休日の対応が求められることも多く、不規則な勤務体系となるのが一般的です。

上記に記載したように、霊柩車ドライバーには、安全運転はもちろん、ご遺体・ご遺族への適切な対応が求められます。

運転技術としては、基本的な点は一般のドライバーと変わりませんが、霊柩車特有の注意点があります。

急発進・急ブレーキ・急ハンドルは厳禁で、穏やかで滑らかな運転が求められます。狭い火葬場の駐車スペースでの駐車テクニックも必要です。

ご遺体・ご遺族への接し方

ご遺体やご遺族への接し方では、言葉遣いから立ち振る舞いまで、細心の注意が必要不可欠です。

「ますます」「度々」などの重ね言葉や、「続く」「追って」「繰り返す」という言葉は、不幸が続くイメージがあるので避けるようにします。また、「頑張ってください」といった言葉も、遺族の負担になるので控えましょう。

葬儀の流れを理解し、ご遺族の質問にも適切に答えられる知識も求められます。

霊柩車ドライバーには、死と向き合う強い精神力も必要です。厳粛な雰囲気の中で仕事をするストレスは小さくありません。自身の感情をコントロールし、プロとしての仕事を全うする心構えが何より大切だと言えるでしょう。

霊柩車ドライバーの年収とキャリアについて

霊柩車ドライバーの年収は、おおむね300~400万円程度が相場です。

月収では、20~25万円ほどになります。必要な免許が普通自動車免許だけであることから、年収水準はやや低めと言えます。

内訳をみると基本給と残業代がメインで、資格手当などはほとんどありません。賞与の支給がある会社もありますが、2~3ヶ月分程度が一般的です。

ただし、霊柩車ドライバーとしてのキャリアを積み、運行管理者など管理職としてステップアップすれば、年収は大きく伸びる可能性があります。

ベテランの運行管理者ともなれば、600万円以上の年収を得ているケースも珍しくありません。

また、独立開業して霊柩運送事業を立ち上げるのも、収入アップの有力な選択肢の一つです。事業が軌道に乗れば、会社員としての収入を大きく上回る収益を得ることも十分可能でしょう。

霊柩車ドライバーの仕事は、精神的にも肉体的にもタフな仕事です。給与水準は高くはありませんが、プロのドライバーとしてスキルを磨き、着実にキャリアアップしていくことで、収入面でも十分な魅力を得ることができるはずです。

5.霊柩車ドライバーとして働くメリット

ライフイベントとのバランスが取りやすい

霊柩車ドライバーの大きな魅力の一つが、比較的自由度の高い働き方ができる点です。

霊柩車の運行スケジュールは、葬儀の日程に左右されます。一般的なトラックドライバーのように、深夜や早朝の運行が求められることは少なく、日中の勤務が中心となります。

また、葬儀の日程は通常、平日の昼間に設定されることが多く、休日出勤の頻度も比較的低いと言えます。

加えて、葬儀の少ない「友引」の日は休みになることも多く、仕事のスケジュールが立てやすいのも魅力の一つです。

不規則な勤務が多いドライバー職の中にあって、霊柩車の運転は比較的家庭生活との両立がしやすい仕事だと言えるでしょう。

子育て中の親や、介護の必要な家族を持つ人にとって、貴重な働き方の選択肢となり得ます。

需要の高まりと将来性

日本の高齢化率は年々上昇しており、それに伴い霊柩車の需要も増加の一途をたどっています。

2025年には、日本の高齢化率は30%を超えると予測されており、今後ますます多くのご遺体の搬送が必要となるでしょう。

また、核家族化の進行で葬儀の小規模化が進む一方、都市部を中心に大規模な葬儀場の建設が相次いでいます。葬儀のスタイルが多様化する中でも、霊柩車の需要は衰えることはないと考えられます。

つまり、霊柩車ドライバーは、少子高齢化が進む日本社会において、今後ますます重要性を増していく仕事だと言えるでしょう。

キャリアアップのチャンス

霊柩車ドライバーは、一般の運送業ドライバーとは異なるスキルが求められる専門的な仕事です。そのため、キャリアパスも多様です。

まずは、経験を重ねることで、より難易度の高い業務を任されるようになります。

複雑な道順の火葬場への搬送や、大規模な葬儀での霊柩車の運行など、スキルと経験が求められる場面は少なくありません。そこで評価を得ることで、より責任ある立場に就くことができるでしょう。

そしてゆくゆくは、運行管理者として、霊柩車の運行全体を統括する立場を目指すことも可能です。ドライバーたちの指導や育成、営業所の運営管理など、より広い視野が求められる仕事にチャレンジできます。

さらに、独立開業して霊柩運送事業を立ち上げることも、大きなキャリアパスの選択肢の一つです。

事業者としてのマネジメント力が求められる難易度の高い挑戦ではありますが、その分、大きな達成感とやりがいが得られるはずです。

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