高圧ガス製造保安責任者は、危険性の高い高圧ガスを安全に取り扱うための国家資格です。この資格は甲種・乙種・丙種など複数の区分があり、それぞれ業務範囲が異なります。
難易度の高い試験として知られていますが、効果的な学習法を身につければ合格も可能です。この記事では資格の特徴から受験対策、キャリアパスまで徹底解説します。
- 高圧ガス製造保安責任者の資格区分(甲種・乙種・丙種・冷凍機械)とそれぞれの業務範囲
- 試験の難易度が高い理由と効果的な合格対策
- 資格取得後のキャリアパスと活躍できる職場
1.高圧ガス製造保安責任者の資格とは?

高圧ガス製造保安責任者は法令で選任が義務付けられた重要な資格です。事業所の規模やガスの種類によって複数の等級に分かれており、それぞれに異なる業務範囲と責任が設定されています。
高圧ガス製造保安責任者
高圧ガス製造保安責任者とは?
高圧ガスを製造・取り扱う事業所で安全管理を担当する国家資格者
高圧ガス保安法に基づき、事業所の規模や取扱うガスの種類によって甲種・乙種・丙種および冷凍機械責任者などの区分があります。
主な役割と業務は下記のとおりです。
主な役割
- 高圧ガス製造設備の保安管理
- 安全な運転の監督
- 事故防止対策の実施
- 法令遵守の確保 など
業務内容
- 設備の点検・検査の実施
- 保安教育の計画・実施
- 法定手続きの管理
- 緊急時対応の統括 など
資格試験は難易度が高く、全科目受験の場合、合格率は10~40%程度と低めですが、広範な専門知識と実務経験を身につけることで、高圧ガス業界での専門職やキャリアアップの道が開けます。
参考:高圧ガス保安協会|令和6年度 高圧ガス製造保安責任者試験等結果(知事試験)受験者数・合格者数・合格率一覧表
高圧ガス製造保安責任者試験の難易度
試験の種類 | 合格率(全科目受験~全科目免除の平均) |
---|---|
乙種化学 | 39.4% |
乙種機械 | 35.8% |
丙種化学(液石) | 34.3% |
丙種化学(特別) | 42.5% |
第二種冷凍機械 | 40.9% |
第三種冷凍機械 | 44.3% |
高圧ガス製造保安責任者試験の難易度は種類によって異なります。全科目受験での合格率は、丙種化学(液石)が最も低く12.1%、次いで丙種化学(特別)17.1%、乙種機械23.8%、乙種化学24.0%と続きます。
比較的合格率が高いのは第三種冷凍機械の36.1%です。全体的に科目免除者の合格率は高い傾向にあります。
参考:高圧ガス保安協会|令和6年度 高圧ガス製造保安責任者試験等結果(知事試験)受験者数・合格者数・合格率一覧表
2.高圧ガス製造保安責任者試験の区分

甲種・乙種・丙種の違い
高圧ガス製造保安責任者の資格は、主に甲種・乙種・丙種の3つ大きく分かれます。
甲種
甲種は、石油化学コンビナートなど高圧ガス製造事業所で保安を統括的に管理する資格です。化学分野と機械分野に応じて、甲種化学と甲種機械の2つに区分されています。
高圧ガスの種類や製造施設の規模に制限がなく、保安技術管理者、保安主任者、保安係員として選任され、あらゆる製造施設の保安業務に携わることができます。
乙種
乙種は、石油化学コンビナートなど高圧ガス製造事業所で保安の統括的・実務的業務を担当する資格です。乙種も、乙種化学と乙種機械の2つに区分されています。
高圧ガスの種類に制限はありませんが、保安技術管理者として選任される場合のみ施設規模に制限があります。保安主任者・保安係員としては施設規模の制限なく選任され、これらの条件下で全ての製造施設の保安業務に携われます。
丙種(液化石油ガス)
丙種(液化石油ガス)は、主にLPガス充てん事業所やスタンドなどでLPガス製造に関する保安業務を担当する資格です。丙種化学と丙種化学(特別)の2区分があり、取り扱う高圧ガスの種類によって必要な区分が異なります。
保安技術管理者として選任される場合のみ施設規模に制限がありますが、保安主任者・保安係員としては規模制限はありません。所定の経験があればLPガス以外の高圧ガス製造施設の保安係員にも選任でき、これらの条件下で高圧ガス製造施設の保安業務に携われます。
丙種(特別試験科目)
丙種(特別)は、石油化学コンビナートや充てん事業所、天然ガススタンドなどで製造に関する保安の実務的業務を担当する資格です。
高圧ガスの種類や製造施設の規模に制限はありませんが、保安係員のみに選任される資格であり、この条件下で高圧ガス製造施設の保安業務に携わることができます。
冷凍機械責任者の役割
高圧ガス製造保安責任者のもう一つの重要な資格区分が、冷凍機械責任者です。冷凍設備を用いて高圧ガスを製造する事業所では、冷凍保安責任者の選任が必要となります。
冷凍機械責任者には第一種、第二種、第三種の3区分があり、それぞれ施設の冷凍能力に応じて必要な資格が定められています。
第一種は制限なく全ての冷凍施設の保安業務を担当でき、大型施設に必要です。第二種は1日冷凍能力300トン未満の施設、第三種は100トン未満の施設の保安を担当できます。
3.高圧ガス製造保安責任者試験の合格のコツ

難関試験とされる高圧ガス製造保安責任者試験ですが、適切な対策を講じれば合格も十分可能です。ここでは、受験者が押さえるべき効果的な学習方法を紹介します。
効率的な学習プランを立てる
高圧ガス製造保安責任者試験は化学、物理、法規など範囲が広いため、効果的な学習には計画性が必要です。試験期間と理解度を考慮した現実的なスケジュールを立て、苦手分野は重点的に、得意分野も定期的に復習しましょう。
また、仕事や家事と両立できるよう日常生活のスケジュール管理も重要です。集中できる環境を整え、効率的な学習プランを確実に実行することが合格への第一歩となります。
適切な参考書と問題集の活用
高圧ガス製造保安責任者試験の広範な出題範囲に対応するには、良質な参考書と問題集が必須です。高圧ガス保安協会発行の公式テキストや問題集は最新の法改正や技術基準に対応しており、多くの受験者に支持されています。
過去の出題傾向を分析して頻出テーマを把握し、一問一答式の問題集で知識を定着させることが重要です。図表を用いたわかりやすい解説のある参考書も理解を助けます。自分に合った教材を見つけ、有効活用することが合格への近道です。
実務経験を積み重ねる
高圧ガス製造保安責任者の資格取得には実務経験が必須ですが、これを貴重な学びの機会と捉えることが重要です。日常業務で法令や技術基準の理解を深め、ベテランから実践的ノウハウを学ぶことで知識を積み上げられます。
社内外の研修や勉強会への積極参加で最新情報を得ることも大切です。資格取得後も継続的な自己研鑽が必要な分野であり、学び続ける姿勢が重要です。実務を通じて培った知識と経験は、試験だけでは得られない本物の力となります。
4.高圧ガス製造保安責任者試験の概要

高圧ガス製造保安責任者の資格取得を目指すなら、試験申込みは欠かせない手続きです。ここでは、申込みの際の注意点や必要な準備について、ステップを追って解説します。
試験の概要
試験科目
法令・保安管理技術・学識の3科目(第三種冷凍機械には学識はありません)
合格基準
各科目とも満点の60パーセント程度
1科目でも合格基準を満たさないものがあれば不合格となります。
出題形式
甲種(科学・機械) | 択一式:法令、保安管理技術 記述式:学識 |
乙種(科学・機械) | 択一式:法令、保安管理技術、学識 |
丙種化学(液石・特別) | 択一式:法令、保安管理技術、学識 |
第一種冷凍機械 | 択一式:法令、保安管理技術 記述式:学識 |
第二種冷凍機械 | 択一式:法令、保安管理技術、学識 |
第三種冷凍機械 | 択一式:法令、保安管理技術(学識なし) |
受験手数料
甲種化学(科学・機械) | 電子申請:17,300円 書面申請:17,800円 |
乙種(科学・機械) | 電子申請:11,100円 書面申請:11,600円 |
丙種化学(液石・特別) | 電子申請:9,800円 書面申請:10,300円 |
第一種冷凍機械 | 電子申請:17,300円 書面申請:17,800円 |
第二種冷凍機械 | 電子申請:11,100円 書面申請:11,600円 |
第三種冷凍機械 | 電子申請:9,800円 書面申請:10,300円 |
参考:高圧ガス保安協会|国家試験の概要
高圧ガス保安協会|その他のQ&A
試験科目の一部免除
高圧ガス製造保安責任者試験の免除制度には二つの方法があります。一つ目は高圧ガス保安協会の講習課程を修了し技術検定に合格すると、試験の一部(法令以外)が免除され、国家試験では法令のみの受験となります。ただし講習申込と国家試験申込は別途必要です。
二つ目は、すでに取得している高圧ガス製造保安責任者資格がある場合、新たに別種類の高圧ガス製造保安責任者試験や高圧ガス販売主任者試験を受ける際、試験の種類の組合せにより一部科目が免除されます。
5.資格を活かしたキャリアステップ

高圧ガス製造保安責任者の資格は単なる法令要件ではなく、あなたのキャリアに大きな付加価値をもたらします。この資格を取得することで、高圧ガス業界だけでなく物流分野や管理職への道が開け、より専門性の高いポジションでの活躍が期待できます。具体的なキャリアパスの可能性を見ていきましょう。
ドライバーとしてスキルアップ
高圧ガス製造保安責任者の資格はタンクローリー運転手など高圧ガス輸送に関わるドライバーに非常に有用です。この資格により高圧ガスの特性や事故防止の知識が深まり、運転の安全性と荷役時の保安管理技術が身につき、より安全で効率的な輸送オペレーションが可能になります。
現場での実践力向上はドライバーとしての付加価値を高め、キャリアアップを目指す方にとって大きな武器となります。スキルアップを通じてより高い収入を得るチャンスも広がります。
ドライバー職に魅力を感じたら、ぜひ『カラフルエージェント ドライバー』にご相談ください。未経験歓迎・高待遇・高収入のレア求人を多数保持しており、最短2週間でスピード転職が可能となります。
▼簡単・無料!30秒で登録完了!まずはお気軽にご連絡ください!
カラフルエージェント ドライバーに無料相談してみる
▼関連記事
以下の記事では、危険物取扱者資格の詳細と取得方法を解説しています。受験資格や資格取得のメリットとは?併せて取得したい資格も紹介!あわせて参考にしてください。
高圧ガス業界でのキャリア構築
高圧ガス製造保安責任者の資格は、高圧ガス業界での多様なキャリアパスを拓きます。製造プラントや充填所などで専門性を発揮でき、設備の保全管理や運転管理といった高度な専門知識を要する仕事に就けます。
トラブル予防や安全な運転確保など、高圧ガスのプロフェッショナルとして重要な役割を担います。多くの企業では有資格者に資格手当など処遇面でのメリットを提供しており、ガス業界の安全を支える責任の重さが待遇に反映されます。
管理職や指導者へのステップアップ
高圧ガス製造保安責任者としての経験は、管理職や指導者へのキャリアパスを広げます。保安管理のプロとして現場をリードし、部下育成や後進指導を通じてリーダーシップ能力を高められます。
事故防止や安全文化構築など組織の保安管理体制づくりに貢献することも期待されます。豊富な経験と専門性を持つ保安管理のエキスパートは組織に不可欠な存在となり、管理職へのステップアップも可能です。
6.高圧ガス製造保安責任者は安全を守る専門家
高圧ガス製造保安責任者は高圧ガスを安全に取り扱うための重要な国家資格です。甲種・乙種・丙種・冷凍機械責任者などの区分があり、それぞれ業務範囲が異なります。
試験は難易度が高いものの、効率的な学習計画、適切な参考書の活用、実務経験の積み重ねにより合格は可能です。資格取得は単なる法令要件ではなく、ドライバーとしてのスキルアップ、高圧ガス業界でのキャリア構築、管理職へのステップアップなど、多様なキャリアパスを拓く強力なツールとなります。
▼あわせて読みたい
以下の記事では、危険物運搬に必要な資格の条件や取得方法、資格取得で運転出来る車両やキャリアアップの可能性を解説しています。ぜひ参考にしてください。