2級自動車整備士の資格は、整備の仕事でキャリアを築く上で最も重要な国家資格です。
取得者数が最も多く、これを取得することで、ガソリンエンジンや足回りの分解整備など、ほとんどの整備作業が可能になります。
この記事では、資格がもたらす年収アップやキャリアの可能性、種類、試験の難易度まで、プロの視点から詳しく解説します。
- 2級自動車整備士の資格が年収やキャリアにどう影響するか
- 4つの資格の種類と、それぞれの仕事内容
- 資格取得までの具体的な流れと試験の難易度
1.2級自動車整備士の資格は本当に役立つ? 取得するメリットと将来性

2級自動車整備士は業界のスタンダードな資格で、エンジンやシャシの分解整備を含むほとんどの整備作業を行うことが可能になります。
日本の自動車整備士の8割以上が2級資格を持っています。
なぜ2級自動車整備士の資格が選ばれるのか?
2級自動車整備士の資格は、自動車整備士の国家資格の中で最も多くの取得者がいる、いわば業界の「スタンダード」です。
なぜなら、この資格を持つことで、車の基幹部分であるエンジンやシャシ(骨格)の分解整備を含む、ほとんどの整備作業を行うことが可能になるからです。
言い換えれば、3級整備士では許可されない高度な整備業務を、自らの判断と責任で手掛けることができるようになります。
一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の調査によると、自動車整備士技能者数全体のうち二級自動車整備士が約8割を占めており、まさに業界の「スタンダード」資格と言えます。
参考:一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)|令和5年度『自動車整備業の現状について』
資格取得であなたの年収はどう変わる? 実際の給料事情
2級自動車整備士の資格は、年収アップに直結する強力な武器です。一般的に、資格手当が支給されるため、無資格者や3級整備士と比べて給与が高くなる傾向にあります。
日本自動車整備振興会連合会(日整連)が発表した「令和6年度 自動車特定整備業実態調査結果」によると、整備士全体の平均年収は約425万円で、着実に増加しています。
特にディーラーの整備要員の平均年収は500万円を初めて超え、509万円に達しました。一方、民間整備工場の平均年収は約381万円で、勤務先による年収差が明らかです。
この差は、資格がもたらす専門性の高さと、それに伴う信頼性の証と言えるでしょう。

資格を取得することは、単にスキルを証明するだけでなく、あなたの市場価値を高め、より良い労働条件や給与を得るための明確な指標となります。
2級資格がもたらすキャリアの選択肢と将来性
2級自動車整備士の資格は、単なる整備作業員としてではなく、プロフェッショナルとしてのキャリアを築くための基盤となります。
この資格を持つことで、ディーラーでの上位資格取得や、車検の完成検査を担当する「自動車検査員」の受験資格が得られるなど、さらなるスキルアップの道が開かれます。
特に自動車検査員の資格は、給料アップに大きく影響する重要なステップです。また、特定の車種やメーカーに特化した整備工場、あるいは自営業として独立するなど、働き方の選択肢も広がります。

自動車の技術は常に進化していますが、2級整備士が持つ基礎的な知識と技術は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)といった新しい技術に対応するための土台となり、将来にわたる安定したキャリアを約束してくれるでしょう。
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2.2級自動車整備士の資格の種類と仕事内容

2級自動車整備士は専門分野によって「ガソリン」「ジーゼル」「シャシ」「二輪」の4種類に分かれ、それぞれ担当する車両と整備範囲が異なります。
ガソリン車から二輪まで! 4つの資格それぞれの違い
2級自動車整備士の4つの資格は、それぞれ異なる車両と整備範囲をカバーしています。
中でも最も受験者数が多いのが2級ガソリン自動車整備士で、ガソリンエンジンを搭載した乗用車の整備が主な業務となります。
一方、2級ジーゼル自動車整備士は、トラックなどの大型車両に多いディーゼルエンジンの整備を専門とします。
2級自動車シャシ整備士は、エンジンとボディを除く「シャシ」部分、つまりブレーキやサスペンションなどの足回りを専門に扱います。
そして、2級二輪自動車整備士は、バイクの整備に特化した唯一の国家資格です。

これらの資格は、あなたの得意な分野や興味に応じて選ぶことができ、専門性を高めることでより高いスキルを持つ専門家へと成長できます。
2級ガソリン自動車整備士:最も一般的な資格で何ができる?
2級ガソリン自動車整備士は、普通自動車、小型自動車、軽自動車など、日本で最も普及しているガソリン車の整備を行うための資格です。
ほとんどの自動車整備工場やディーラーで求められる汎用性の高い資格であり、多くの自動車整備士が最初に取得を目指す資格です。
この資格だけでも、ディーゼル車やシャシの基本的な整備を行うことができるため、自動車整備の幅広い知識と技術を身につけることができます。
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2級ジーゼル自動車整備士:専門性を高めるなら必須の資格
2級ジーゼル自動車整備士
専門分野
ディーゼルエンジンを搭載した車両の整備に特化した資格です。大型トラックやバスの整備に携わることができます。
2級ジーゼル自動車整備士は、ディーゼルエンジンを搭載した車両の整備に特化した資格です。
ガソリン自動車整備士の資格でもディーゼル車の整備は可能ですが、より専門的で高度な知識や技術が求められる大型トラックやバスの整備に携わりたい場合は、この資格が必要になるかもしれません。
ディーゼルエンジンは、その構造や排ガスシステムがガソリンエンジンと異なるため、専門的な知識が求められます。
この資格を取得することで、大型車両を扱う運送会社やバス会社、建設機械メーカーなどで重宝される、ニッチで高い専門性を持つ人材として活躍できるでしょう。
2級自動車シャシ整備士と2級二輪自動車整備士:特定の分野で活躍する道
2級自動車シャシ整備士 & 2級二輪自動車整備士
2級自動車シャシ整備士
車の走行安全に関わる重要な部分、足回り(サスペンション、ブレーキ、駆動系など)の整備に特化した資格です。
2級二輪自動車整備士
二輪車(バイク)の整備に特化した、国内で最も高レベルな国家資格です。
2級自動車シャシ整備士は、車の走行安全に関わる重要な部分、すなわち足回り(サスペンション、ブレーキ、駆動系など)の整備に特化した資格です。
特に、車検における足回り検査や、カスタム・チューニングを専門とするショップでそのスキルは高く評価されます。
一方、2級二輪自動車整備士は、二輪車(バイク)の整備に特化した、国内で最も高レベルな国家資格です。バイクの構造は四輪車とは大きく異なるため、専門の知識と技術が求められます。
バイクが好きで、その分野でキャリアを築きたい人にとっては、この資格がキャリアを大きく左右するでしょう。
3.2級自動車整備士になるためのロードマップ

2級自動車整備士の資格取得には、定められた受験資格を満たし試験に合格する必要があります。ここでは資格取得までの流れと試験内容、合格率について解説します。
あなたの学歴・経歴でわかる!2級自動車整備士の受験資格を徹底チェック
「自分は2級整備士の試験を受けられるのだろうか?」これは、資格取得を目指す多くの方が最初に抱く疑問です。2級自動車整備士の国家試験を受けるためには、最終学歴や実務経験によって定められた条件を満たす必要があります。
ここでは、国土交通省が定める基準を基に、どのような経歴で受験資格が得られるのかを分かりやすく表にまとめました。ご自身の経歴と照らし合わせて、必要な実務経験年数を確認してみましょう。
【学歴・経歴別】必要な実務経験年数一覧(二級ガソリン・ジーゼル)
最終学歴・保有資格など | 必要な実務経験年数 |
---|---|
大学の機械に関する学科を卒業 | 6ヶ月以上 |
大学の機械に関する学科以外を卒業 | 1年以上 |
高校・専門学校の機械に関する学科を卒業 | 1年6ヶ月以上 |
3級自動車整備士資格を取得 | 2年以上 |
高校の機械に関する学科以外を卒業 | 2年以上 |
上記以外の自動車整備に関する実務経験のみ | 3年以上 |
※重要:養成施設を卒業した場合
国土交通大臣が指定する専門学校や大学校などの養成施設を卒業した場合は、実務経験が免除され、卒業と同時に受験資格を得られます。これが資格取得への最短ルートとなるため、多くの人がこの方法を選んでいます。
⚠️ ご注意ください
この表は一般的な実務経験ルートの目安です。二級シャシ自動車整備士の受験資格など、条件が一部異なる場合があります。
最も正確で詳細な情報については、必ず公式サイトをご確認ください。
▶ 公式サイトで確認する:国土交通省 自動車整備士の受験資格について
資格取得の一般的な流れと試験の全体像
2級自動車整備士になるためのプロセス
①実務経験を積む
国土交通大臣指定の専門学校などで実務経験を積み、自動車整備技能登録試験(登録試験)に合格するのが一般的です。
②自動車整備技能登録試験(登録試験)に合格
登録試験は、日本自動車整備振興会連合会が実施しており、これに合格すると、国の行う自動車整備士技能検定試験(検定試験)の実技試験が免除されます。
③国家資格取得
ほとんどの場合、この登録試験の合格をもって、国家資格取得への道が開かれます。登録試験は学科と実技があり、学科試験に合格すると、その後の実技試験に進むことができます。
このプロセスを経て、晴れて2級自動車整備士として国に登録されることになります。
学科試験と実技試験の概要と対策方法
学科試験 | 実技試験 | |
試験日 | 年2回(10月、3月)※二輪は10月のみ | 年2回(1月、8月)※二輪は1月のみ |
受験料 | 4,200円 | 12,000円 |
試験時間 | 80分(シャシは60分) | 30分 |
出題数 | 40問(シャシは30問) | 3問 |
試験内容 | 構造・機能の一般知識、点検・修理方法、法規など | 基本工作、点検・分解・組み立て、工具の取扱いなど |
2級自動車整備士の試験は、学科と実技に分かれています。
学科試験は、ガソリン・ジーゼル・二輪が80分間で40問、シャシが60分間で30問が出題され、構造・機能の知識や点検・修理方法、法規など幅広い知識が問われます。
実技試験は30分間で3問が出題され、実際の整備作業を通じて、基本工作や点検・分解・組み立て、そして工具の取り扱いなどが評価されます。
独学での合格も不可能ではありませんが、専門学校や養成施設では、これらの試験内容に合わせたカリキュラムが組まれているため、効率的に学習を進めることができます。

特に、実技試験は実際の作業スキルが問われるため、実践的な練習が必要になります。
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2級ガソリン自動車整備士の試験データから見る難易度と合格率
2級自動車整備士試験の合格率は、受験する資格の種類や、試験が実施される時期によって変動します。特に、専門学校の卒業生が多く受験する3月(第2回)の試験は合格率が高い傾向にあります。
日本自動車整備振興会連合会が公表している令和6年度第2回(2025年3月実施)の試験結果によると、学科試験の合格率は以下の通りです。
- 2級ガソリン自動車整備士: 86.2%
- 2級ジーゼル自動車整備士: 94.3%
- 2級自動車シャシ整備士: 94.8%
- 2級二輪自動車整備士: 80.1%
実技試験の合格率は一般的に学科試験よりも低くなる傾向にあり、特に二輪は慎重な対策が求められます。過去の合格率データを参考に、自身の学習計画を立てることが合格への近道となるでしょう。
一方で、実技試験の合格率は非常に低い傾向にあり、日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の公式統計では、実務経験を経て受験する場合、合格率が20%〜40%程度になることもあります。
参考: 令和6年度第2回(第110回)自動車整備技能登録試験「学科試験」の試験結果について
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4.2級自動車整備士資格取得後、さらに高みを目指すなら

2級自動車整備士の資格を足がかりに、さらなる専門性を追求することで仕事の幅を広げ、より高い報酬や役職を目指すことが可能になります。
2級資格の次に目指すべき資格とは?
2級自動車整備士の次に目指すべき代表的な資格は、自動車検査員です。
自動車検査員は、整備が完了した車両の最終的な「完成検査」を行うことができる国家資格で、車検の最終責任者となります。
この資格を持つことで、整備工場やディーラーでは欠かせない存在となり、給料や手当が大きくアップする可能性が高いです。
1級資格は、より高度な故障診断や先進技術に関する知識が問われ、整備主任者や工場長などの管理職を目指す上で大きな強みとなります。
2級自動車整備士からキャリアアップする方法
2級自動車整備士の資格を活かしてキャリアアップする方法は多岐にわたります。最も一般的なのは、勤めている企業内での昇進です。
自動車ディーラーでは、2級資格取得後、自動車検査員やメーカー独自の技術検定に挑戦し、ステップアップすることで、役職や給料が上がることが一般的です。
また、特定の車種やメーカーに特化した専門的なスキルを磨くことで、より高い技術を求める企業への転職も視野に入ってきます。
特に、ハイブリッド車や電気自動車の整備技術は今後ますます需要が高まるため、これらの分野の専門知識を学ぶことも、将来のキャリアを豊かにする有効な手段と言えるでしょう。
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■派遣なら多様な職場でスキルアップ可能
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5.2級自動車整備士に関するよくある疑問に答える

整備士の仕事に興味を持つ方が資格取得やキャリアについて抱く疑問は多岐にわたります。仕事のきつさや労働環境について率直にお答えします。
自動車整備士の仕事はきつい? 労働環境のリアル
自動車整備士の仕事は、体力の必要な作業が多く、汚れることも少なくありません。
繁忙期には残業が増えることもあり、決して楽な仕事ではないかもしれません。しかし、近年では働き方改革や技術の進化により、労働環境は少しずつ改善されつつあります。
また、高度な技術を持つ整備士は、その専門性から高い評価を受け、ホワイトカラーに近い待遇で働ける職場も増えてきました。
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資格がなくても整備の仕事はできる?
結論から言うと、資格がなくても整備の仕事に就くことは可能です。特に、洗車やオイル交換、タイヤ交換といった「非分解整備」と呼ばれる簡単な作業は、無資格でも行えます。
そのため、未経験者歓迎の求人に応募し、働きながら3級自動車整備士の資格取得を目指すという道もあります。
資格を持つことで、仕事の幅や責任が増え、結果的に収入アップにもつながります。
自動車整備士に向いているのはどんな人?
自動車整備士に向いているのは、まず「車が好き」という情熱を持っている人です。
新しい技術への興味や、知識を貪欲に吸収しようとする姿勢は、この仕事で成功するための大きな原動力となります。
また、車の故障を論理的に診断する論理的思考力や、緻密な作業を正確に行う集中力も重要です。
さらに、お客様に分かりやすく整備内容を説明するコミュニケーション能力も、現代の整備士には必要になるかもしれません。
専門学校や独学で知識を身につけることはもちろん、日々の業務を通じてこれらのスキルを磨いていくことが、一流の整備士への道を開きます。
6.2級自動車整備士資格で理想のキャリアを手に入れよう
2級自動車整備士の資格は、あなたのキャリアと年収を大きく変える強力なパスポートです。
ガソリン車からディーゼル車、二輪車まで幅広い車両の整備が可能となり、平均年収も整備士全体を大きく上回ります。
資格取得後も自動車検査員や1級整備士を目指すことで、さらなるキャリアアップが実現できます。
現代の自動車業界は電気自動車や自動運転技術の進化で常に変化していますが、2級整備士の基礎的な知識と応用力は、どんな新技術にも対応できる普遍的な強みとなります。
この記事の成功事例や専門家の意見を参考に、ぜひ資格取得への第一歩を踏み出してください。