自動車整備工場長の年収とキャリアパスを解説の画像

自動車整備工場長の年収とキャリアパスを解説

自動車整備士の平均年収(約487万円)と、工場長の推計年収(約790万~940万円)を比較。

なぜ年収に差があるのか、工場長になるためのキャリアパスや必須資格を解説します。

自動車整備士として働く中で、「工場長になれば、どれくらい年収が上がるのだろう?」と疑問に思うかもしれません。また、どうすれば工場長になれるのか、そのキャリアパスも気になるところです。

この記事では、公的なデータを基にした自動車整備士の平均年収と、そこから推計される工場長の年収を比較します。

さらに、なぜ年収にそれほどの差があるのか、工場長の仕事内容が「技術職」とどう違うのか、そして工場長以外にも年収を上げるキャリアパスがあることを、分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 自動車整備士の平均年収の実態(勤務先・年齢別)
  • 自動車整備工場長の推計年収と、その金額の根拠
  • 工場長になるためのキャリアパスと、それ以外の年収アップの方法

1.自動車整備士の平均年収はいくら?【公的データで見る実態】

1.自動車整備士の平均年収はいくら?【公的データで見る実態】

まず、ベースとなる自動車整備士の平均年収から見ていきましょう。

平均年収は約487万円(令和5年 厚生労働省データ)

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、自動車整備士(自動車整備・修理従事者)の平均年収は 486万700円 です。

この調査での平均月給は32.8万円、平均年齢は38.2歳となっています。

これは、自動車整備士という職種全体の公式な平均値です。

参考:令和5年賃金構造基本統計調査

実態は「勤務先」と「年齢」で変わる(ディーラー vs 民間工場)

ただし、上記の「平均487万円」は、あくまで全体の平均です。

業界の調査データを見ると、実際の手取りは「どこで働くか」によって大きく変わることがわかります。

勤務先別の平均年収

  • ディーラー勤務: 489.9万円
  • 民間整備工場勤務: 378.3万円

このように、勤務先によって100万円以上の差がつくケースもあります。

公的統計の平均値(約487万円)がディーラー勤務の値(約490万円)と近いのは、公的統計が比較的規模の大きい企業のデータを中心に集計しているためと考えられます。

また、年齢(経験)によっても年収は上がっていく傾向があります。

年齢階層別の平均年収

  • 20代: 389万円
  • 30代: 495万円
  • 40代: 544万円
  • 50代: 542万円

このデータから、技術を磨いていった場合、一つの目安として約540万円台が、非管理職のままでの年収の上限(キャリアキャップ)となる可能性が示唆されます。

▼あわせて読みたい

自動車整備士の年収について、業種別・年代別のより詳しいデータや、年収をアップさせる具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

自動車整備士の年収は?|業種別・年代別やアップさせる方法など
自動車整備士の年収は?|業種別・年代別やアップさせる方法など
自動車整備士の平均年収426万円!最新データと年収アップ方法を徹底解説。ディーラー転職で100万円増も可能。
https://colorful-career.jp/media/contents/automobile-mechanic-annual-salary/

2.【推計】自動車整備工場の「工場長」の平均年収は?

2.【推計】自動車整備工場の「工場長」の平均年収は?

では、本題である「工場長」の年収はどれくらいになるのでしょうか。

結論:工場長の推計年収は約790万円~940万円

公的な統計データを基に論理的に推計した結果、自動車整備工場の工場長の平均年収は、その工場の規模や責任の重さにもよりますが、約790万円から940万円の範囲にあると推計されます。

これは、先ほどの整備士の40代~50代の平均年収(約540万円台)と比べても、約250万~400万円高い水準です。

なぜ推計? 年収の計算ロジック(整備士ベース給 + 管理職手当)

なぜ「推計」になるかというと、「自動車整備工場の工場長」という役職に限定した公的な年収統計データが存在しないためです。

そこで、以下のロジックで推計を行いました。

工場長の推計年収 = (整備士の平均月給 + 管理職の賃金プレミアム) × 年間支給月数

  1. 整備士の平均月給(ベース)
    先ほどの公的データである「32.8万円」を使います。
  2. 管理職の賃金プレミアム(上乗せ額)
    厚生労働省の別の統計から、「非役職者」と「課長級」「部長級」の月給の差額を計算します。
  3. 計算の実行
    整備士のベース給に、このプレミアム(管理職手当)を上乗せします。
    • 工場長(課長級 相当)の推計年収(月給32.8万円 + プレミアム20.5万円)× 14.8ヶ月※ = 約789万円工場長(部長級 相当)の推計年収(月給32.8万円 + プレミアム30.4万円)× 14.8ヶ月※ = 約936万円
    (※年間支給月数14.8ヶ月は、整備士の平均年収486.7万円÷月給32.8万円から算出)

この大きな差額こそが、工場長が負う「経営管理責任」の対価であると考えられます。

■派遣で働きながら工場長を目指すキャリアも選択肢に

カラフルスタッフィング メカニックは、車両整備士・メカニックに特化した人材派遣サービスです。専門のコーディネーターが希望に合ったお仕事をご提案し、有名ディーラーでスキルや経験を積めるチャンスもあります。派遣として経験を積みながら、将来の工場長やキャリアアップを目指すことも可能です。

カラフルスタッフィング メカニックへのお問い合わせはこちら

3.なぜ高い?整備士と工場長の根本的な「仕事内容」の違い

3.なぜ高い?整備士と工場長の根本的な「仕事内容」の違い

年収に大きな差があるのは、整備士と工場長とでは、求められる役割が根本的に異なるためです。

整備士は「技術の専門家」、工場長は「工場の経営者」

一言でいえば、自動車整備士は「技術職(テクニカル・スペシャリスト)」であり、工場長は「経営管理職(ビジネス・マネージャー)」です。

工場長になることは、単なる技術的な上位職への昇進であると同時に、「技術職」から「経営管理職」への明確な「キャリア転換」を意味します。

工場長に求められる3つの経営管理スキル(安全・経営・人事)

工場長は、整備士としての技術的な知見も必要ですが、それ以上に工場の「ヒト・モノ・カネ」を管理する経営スキルが求められます。

  1. 現場の安全確保・環境整備 :大型機械や危険物も扱う工場の最高責任者として、従業員の安全を守るルールを作り、労働環境を整備する責任を負います。
  2. 工場の運営・経営管理: 工場の収益性や予算、原価といったコストを管理し、経営者としての視点で工場の運営戦略を立てる、最も重要な職務です。
  3. 従業員の採用・育成・マネジメント :従業員の採用活動や技術指導、日々の労務管理など、工場という組織をまとめる人事管理の役割も担います。
▼あわせて読みたい

自動車整備士の仕事内容や1日の流れ、働く場所について詳しく知りたい方は、こちらの記事で基礎から解説しています。

自動車整備士の仕事内容|5つの業務と1日の流れ・働く場所など
自動車整備士の仕事内容、働く場所、求められるスキルを徹底解説。ハイブリッド車やADAS技術への対応など、整備士に必要な知識をご紹介。
https://colorful-career.jp/media/contents/automobile-mechanic-job-description/

4.自動車整備士から工場長になるためのキャリアパス

4.自動車整備士から工場長になるためのキャリアパス

では、自動車整備士から工場長を目指すには、どのようなステップが必要なのでしょうか。

【重要】必須資格は「1級」ではなく「2級自動車整備士」

ここで、キャリアパスの重要な分岐点があります。

「工場長になるためには、最上位の1級整備士の資格が必要だ」と考えている方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

  • 2級自動車整備士
    自動車の「一般的な整備」ができ、車検などを担当する「整備責任者」として選任されるために必要な資格です。
  • 1級自動車整備士
    2級より「高度な整備」ができる資格で、こちらは「技術スペシャリスト」としての側面が強い資格です。

「整備責任者」は、現場の作業者を監督する立場であり、工場長へと続く「管理職キャリア」の第一歩です。

▼あわせて読みたい

2級自動車整備士の資格取得によって年収がどれくらい上がるのか、具体的なデータと取得メリットを詳しく解説しています。

2級自動車整備士の資格で年収はどれくらい上がる?
2級自動車整備士の資格で年収はどれくらい上がる?
2級自動車整備士の資格は取るべき?年収アップや仕事内容、4つの資格の種類、試験の難易度まで、プロが徹底解説。
https://colorful-career.jp/media/contents/will-class2-automobile-mechanic-qualification-increase-my-annual-income/

整備責任者を経て「経営スキル」を身につける道筋

工場長へのキャリアパスは、「2級自動車整備士」の資格を基盤とし、まず現場のリーダーや「整備責任者」としての経験を積むことから始まります。

そして、その経験と並行して、先ほど挙げた「経営管理スキル(予算・人事・折衝など)」を習得することが、工場長への道筋となります。

■派遣でディーラー経験を積んでキャリアの幅を広げる

カラフルスタッフィング メカニックでは、有名ディーラーや優良整備工場での派遣案件を多数ご紹介しています。2級整備士資格をお持ちの方なら、派遣として整備責任者の経験を積むことも可能です。専門のコーディネーターがあなたのキャリアプランに合った職場をサポートします。

カラフルスタッフィング メカニックへのお問い合わせはこちら

5.工場長だけじゃない!自動車整備士が年収を上げる3つの道

自動車整備士が年収を上げる3つの道
1
管理職(工場長)を目指す
2
技術スペシャリスト(1級整備士など)を目指す
3
独立開業を目指す

キャリアコンサルティングの理論上、キャリアの選択肢は一つではないと考えられています。

工場長(管理職)は魅力的な道ですが、それ以外にも年収を上げる道は存在します。

ルート1:管理職(工場長)を目指す

  • 概要: 2級整備士資格を基盤に、整備責任者を経て、経営管理スキルを身につけ工場長を目指す道です。
  • 年収ポテンシャル: 約790万~940万円(本レポート推計)。

ルート2:技術スペシャリスト(1級整備士など)を目指す

  • 概要: 1級自動車整備士資格や、自動車車体整備士などの特殊整備士資格を取得。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、先進安全装置など、高度な診断・整備技術において「代替不可能な技術者」となる道です。
  • 年収ポテンシャル: 非管理職の平均上限(約540万円台)を超え、専門技術手当や「テクニカルリーダー」といった専門職としての役職により、高い収入が期待できます。
▼あわせて読みたい

1級自動車整備士の資格は本当に取るべきなのか?難易度や年収への影響、キャリアメリットを徹底的に解説しています。

1級自動車整備士の資格は取るべき?難易度・年収など徹底解説
1級自動車整備士の資格は取るべき?難易度・年収など徹底解説
1級自動車整備士の資格は取るべき?現役整備士の悩みを解決。仕事内容、試験難易度、給料事情、将来性まで徹底解説します。
https://colorful-career.jp/media/contents/should-get-first-class-automobile-mechanic-license/

ルート3:独立開業を目指す

  • 概要: 自身で認証工場または指定工場を経営する道です。
  • 年収ポテンシャル: 経営手腕次第で上限はありません。一方で、経営リスクも伴い、経営が軌道に乗るまでは、ディーラー勤務時代より収入が低くなる可能性もあります(民間整備工場の平均年収は約378万円)。
■派遣という働き方で年収とスキルを両立させる

カラフルスタッフィング メカニックは、車両整備士・メカニック専門の人材派遣サービスです。技術スペシャリストを目指す方、独立開業前に幅広い経験を積みたい方にも最適な派遣案件をご用意しています。柔軟な働き方で年収アップとスキルアップを同時に実現できます。

カラフルスタッフィング メカニックへのお問い合わせはこちら

6.自身の価値観に合ったキャリアプランを描こう

自動車整備士の平均年収は約487万円、工場長の推計年収は約790万~940万円と、大きな差があります。

その差は、工場長が単なる技術者ではなく、工場の経営全体に責任を負う「経営管理職」であることから生まれています。

工場長への道(管理職)、1級整備士としての道(技術スペシャリスト)、そして独立開業の道(経営者)は、それぞれ求められるスキルもやりがいも異なります。

大切のは、「組織を管理することに興味があるか」「技術を深く極めることに喜びを感じるか」~といった、自身の価値観(キャリアアンカー)を見極めることです。

ご自身の適性や価値観に合ったキャリアプランを描くことができれば長期的なキャリアを目指せるかと思います

▼あわせて読みたい

自動車整備士としてのキャリアに迷いや不安を感じている方には、転職エージェントの活用もおすすめです。2025年最新のおすすめサービスをご紹介しています。

【2025年最新】自動車整備士転職エージェントおすすめ7選
【2025年最新】自動車整備士転職エージェントおすすめ7選
2025年最新の自動車整備士転職サイトおすすめ15選。人手不足の業界で年収100万円アップを実現する転職戦略と成功事例を解説。
https://colorful-career.jp/media/contents/7recommended-auto-mechanic-job-change-agencies/
【タクシー求人】年収の下限が400万円、900万円オーバーも目指せます。

一都三県

平均年収540万円

大手グループ加盟会社で売上アップのチャンスが満載!全車ハイグレード車、個室寮完備、充実した福利厚生で安心勤務。
【中型トラック】安定企業で働きませんか?

神奈川県

年収:350万円 〜 500万円

上場企業の子会社。年休118日/賞与年2回(実績4.1か月)。一定勤務後には大型や増トン車へのスキルアップも可!
【10トンドライバー】40歳未満は未経験者OK!

大阪府

年収 384万円 〜 500万円

配送先は約8割が大阪府内!遠くても、名古屋や岡山など日帰りで可能な地域のみ。
【2トンドライバー】新規開業部署でのオープニング募集!

埼玉県

月給 300万円 〜 350万円

短距離、日勤のみ!埼玉を中心に東京及び周辺地域への配送。新規開業のため、新しく手配した車を使用!

ドライバー求人なら
カラフルエージェント

『カラフルエージェント ドライバー』では、高待遇のドライバー求人を多数保持しており、その中から希望に沿った求人をプロのキャリアアドバイザーが提案・サポート。最短2週間でスピード転職が可能となります。まずはお気軽に無料相談ください。