高速バス運転手への転職を検討している方の中には、将来性や待遇、そして「実際の運行体制はどうなっているのか」について詳しく知りたいと考えている方も多いでしょう。
現在、バス業界はかつてない売り手市場を迎えています。2024年4月の法改正により、過酷な長時間労働は是正され、給与水準も上昇傾向にあります。
本記事では、高速バスドライバーの求人を探す際に知っておくべき年収の真実や、具体的な1日のスケジュール、そして高卒・未経験からでも目指せる最新の採用事情まで、業界の裏側を包み隠さず解説します。
- 高速バス運転手の年収は平均460〜530万円で、手当が充実している
- 免許なし・高卒でも入社可能で、会社が免許取得費用を全額負担する
- 採用では安全確認の癖が重視され、現場は厳格な管理体制がある
1.高速バス運転手の年収・給料のリアル

転職において最も気になるのがお金の話です。高速バス運転手の給料や高速バスの運転手の年収は、他のバス種別と比較しても高水準にあるのが特徴です。
高速バス・夜行バスが稼げる理由
高速バス運転手の年収は、平均して460万〜530万円程度が相場とされています。
なぜ路線バスよりも高速バスドライバーの給料が高いのか、その理由は手当の仕組みにあります。
夜行運行による深夜手当や、高速バス運転手が走る距離に応じた長距離手当、そして高速バス運転手が何人で乗務するかによるワンマン・ツーマン手当などが加算されるためです。
年代別・経験年数で見る年収の推移
年齢によって給与はどのように推移するのでしょうか。一般的に高速バス運転士の年収モデルは以下の通りです。
このように、50代前半で年収のピークを迎える傾向があり、長く勤めるほど安定した収入が得られる職種と言えます。
2.高速バス運転手の1日と仕事内容

高速バス運転手の仕事は具体的にどのようなスケジュールで動いているのでしょうか。ここでは、典型的な夜行バス(ツーマン運行)の勤務フローを紹介します。
夜行バス運転手のスケジュール例
アルコールチェックと免許証の確認。当日のルートや気象情報を運行管理者と共有し、車両点検を行います。
バスターミナルへ移動し、お客様のご案内。荷物の積み込みと人数確認を確実に行い出発します。
高速道路を安全走行。法令に基づき、4時間以内の運転ごとに30分以上の休憩を厳守します。
2名体制で交互に運転。非番の運転手は車内の専用仮眠室で休息。睡眠を義務としてしっかりと管理します。
目的地に到着し、お客様を見送り。車内の忘れ物や座席の状態を最終確認します。
洗車、給油、日報作成。最後にもう一度アルコールチェックと報告を終えて全業務が終了です。
「帰り」はどうするの?
よく検索される高速バス運転手の帰りについてですが、到着地での宿泊(会社手配のホテルや寮)を経て、翌日の便で出発地へ戻るパターンが一般的です。
これを「行路」と呼び、十分な休息時間を挟んで帰りの運転に臨みます。
▼あわせて読みたい
バスドライバー全般のキャリアや年収について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。路線バスや観光バスなど、バス業界全体の給与水準を比較できます。
3.高速バス・夜行バスの運転手交代と仮眠の仕組み

長距離を走る上で特に気になるのが、交代や休憩のリアルな事情です。安全を守るために、非常に厳格なルールが運用されています。
ワンマンとツーマンの境界線
高速バス運転手の交代体制は、走行距離や時間によって法律で決められています。
原則として、昼間なら500km(条件付きで600km)、夜間なら400kmを超える距離を運行する場合は、2名の運転手によるツーマン運行が義務付けられています。
車内での仮眠と休憩スペース
高速バス運転手が交代で休憩する際は、床下のトランク横に設置された専用の仮眠室や、客席最後部をカーテンで仕切った休憩席を使用します。
狭そうに見えますが、空調や布団が完備されており、しっかりと体を休められるよう配慮されています。
4.未経験から高速バス運転手になるには

高速バス運転手になるには、必ずしも最初から大型二種免許が必要なわけではありません。昨今では「免許なし・高卒」からでもプロを目指せる新しいルートが確立されつつあります。
路線バス経験なしでもOK?「いきなり高速バス」の現実とルート
「40代未経験だが、路線バスを経由せずに初めから高速バスに乗りたい」という声は少なくありません。結論から言えば、応募する会社によって「可能」かどうかが分かれます。
大手私鉄・路線バス系の場合
多くの大手バス会社では、入社後まずは「路線バス」や「送迎バス」の運転手として配属されるのが一般的です。
そこで大型車両の感覚や接客、ダイヤ運行の基礎を1〜3年ほど学び、社内試験を経て高速バス部門へステップアップする「キャリアパス制度」を採っているケースが多いです。
高速バス「専業」会社の場合

「路線バスの細い道や頻繁な停車が不安」という方は、こうした高速バス専業の会社や、高速路線の割合が多い事業者を狙うのが一つの戦略です。
高卒・免許なしから年収600万円を目指す新ルート
これまでバス運転手といえば中途採用が主流でしたが、2026年春入社などの採用から、大手事業者を中心に高卒新卒採用を強化する動きが出ています。
例えば、WILLER EXPRESSのような先進的な企業では、普通免許すら持っていない状態での入社を可能にし、以下のような育成モデルを打ち出しています。
運行管理補助や整備補助などを経験。現場の最前線を支える業務を通じ、バス事業の仕組みを内側から学びます。
年齢要件を満かし次第、大型二種免許を取得。未経験でもプロの道へ進めるよう、会社が全面的にバックアップします。
独自の研修施設で徹底的な訓練を受け、試験合格後にデビュー。誇り高きプロドライバーとしてのキャリアが始まります。
このモデルの最大の特徴は、高卒からでもスキルを磨けば早期に年収600万円以上を目指せる点です。
参考:WILLER EXPRESS、高速バスの未来を担う「ハイウェイパイロット」の高卒採用を開始 ~自動車免許なしで入社可能、高卒から年収600万円を目指せる新キャリア~
▼あわせて読みたい
大型二種免許の取得を検討している方は、取得費用や期間、具体的な条件を詳しく解説したこちらの記事がおすすめです。給付金制度の活用方法も紹介しています。
■未経験からバスドライバーを目指すなら、専門のキャリアアドバイザーに相談を
高速バスドライバーへの転職は、免許取得支援制度や充実した研修制度を持つ企業を選ぶことが成功の鍵です。カラフルエージェント ドライバーでは、未経験者向けの求人や教育体制が整った優良企業の情報を豊富に取り揃えています。あなたの希望条件に合った最適な転職先を、専門のキャリアアドバイザーが無料でご紹介します。
▼カラフルエージェント ドライバーへのお問い合わせはこちら
5. 高速バス運転手の採用試験と合格のポイント

「運転技術があれば受かる」と思われがちですが、実は不採用になる理由の多くは「運転以外」にあります。ここでは、求人票には書かれない試験の裏側を解説します。
① 選考フローの全貌
一般的なフローは以下の通りです。応募から内定までは平均して2週間〜1ヶ月程度です。
履歴書に加え、「運転記録証明書(過去3〜5年分)」の提出が必須となります。
人事担当者による面接です。基本的なコミュニケーション能力や志望動機、これまでの経歴を確認します。
実際の車両を使用し、営業所内または路上での運転チェックを行います。安全確認の癖や操作の丁寧さを見ます。
一般的な診断に加え、睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査や脳ドックが含まれる場合があり、運転適性を医学的に確認します。
役員等による最終確認です。プロドライバーとしての覚悟や、長く安定して働けるかどうかの意思確認を行います。
② 実技試験の「本当の」チェックポイント
試験官(多くはベテラン指導員)は、運転の上手さよりも「癖の有無」と「修正能力」を見ています。
未経験者の場合
2t〜4tトラックやハイエースを使用することが一般的です。
確認動作
ミラーを見るだけでなく、目視と指差呼称(「右よし、左よし」と声を出す)ができているか。
素直さ
「もっと深く椅子に座ってください」等のアドバイスに対し、すぐに改善できるか。
経験者(大型二種所持)の場合
実際のバス車両を使用します。
ブレーキ操作
停止寸前にブレーキを少し緩め、衝動をなくす「ショックのない停止」ができるか。(カックンブレーキは厳禁)
車両感覚
S字やクランクだけでなく、「隘路(あいろ)」と呼ばれる狭い枠内に指定時間内で駐車できるか。
速度感覚
メーターを隠した状態で「時速30kmで走ってください」と指示され、体感速度のズレを見られることもあります。
③ 面接で聞かれる「キラー質問」と対策
一般的に高速バス運転士の年収モデルは、準備が必要です。
★合格への裏ワザ:逆質問

「御社で活躍されている未経験の方は、入社前にどのような準備をしていましたか?」と聞くと、意欲の高さが伝わります。
④ 健康診断という「最後の壁」
意外と多いのが、最終段階の健康診断での不合格です。特にSAS(睡眠時無呼吸症候群)の検査は厳格です。
「いびきがうるさい」と言われる方は、事前に専門医を受診し、CPAP治療などを始めておく(「治療中」であれば採用されるケースが多い)ことを強くお勧めします。
▼あわせて読みたい
面接対策をさらに充実させたい方は、バスドライバー向けの志望動機の書き方を例文付きで解説した記事をご覧ください。採用されやすいポイントとNG例も紹介しています。
■採用試験に不安がある方は、転職のプロに相談してみませんか
高速バスドライバーの採用試験では、運転技術だけでなく面接での受け答えや健康状態も重要な判断材料となります。カラフルエージェント ドライバーでは、面接対策や企業ごとの選考ポイントをアドバイスし、合格率を高めるサポートを行っています。非公開求人も多数保有していますので、より条件の良い求人をお探しの方はぜひご相談ください。
▼カラフルエージェント ドライバーへのお問い合わせはこちら
6. 現場のリアル:大変なこと・トラブル対応

憧れの高速バス運転手になれたとしても、現場には想像を超える厳しさがあります。
入社後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、リアルな実情をお伝えします。
① アルコールチェックの恐怖と「禁酒」生活
バス業界のアルコールチェックは、法律よりも厳しい社内規定(呼気1リットル中0.00mg必須)が一般的です。
前日の調整
翌朝6時出勤なら、前日の夜20時以降はお酒を飲まない、といった自己管理が絶対です。
意外な落とし穴
栄養ドリンク、蒸しパン(発酵アルコール)、マウスウォッシュ等で反応が出ることも。誤検知でも「乗務停止」になるため、乗務前の食事には細心の注意を払います。
② 「見られている」プレッシャー
最近の高速バスは、車内カメラとドライブレコーダーで常時録画されています。
「あくびをした」「姿勢が悪い」「独り言を言った」といった細かな挙動まで運行管理者にチェックされる会社もあり、一人の空間でも気は抜けません。
③ クレーム・トラブル対応の修羅場
運転手にとって最大のストレスは、対人トラブルです。
④ それでも辞められない「やりがい」
これだけ大変でも続ける運転手が多いのは、やはり「到着時の感謝」があるからです。
「悪天候の中ありがとう」「運転が丁寧でよく眠れたよ」という言葉は、何物にも代えがたい喜びです。
また、一人の時間が長く、人間関係のしがらみが比較的少ない点も、この仕事の隠れた魅力と言えます。
▼あわせて読みたい
バス運転手に向いている人の特徴や必要なスキルを知りたい方は、こちらの記事が参考になります。自分の適性を判断する材料として、ぜひチェックしてみてください。
7.高速バス運転手への一歩を踏み出すために
現在、バス業界は高速バス運転手不足を背景に待遇改善が進んでいます。
特に「高卒からのプロ育成」や「未経験者への手厚い支援」は、これからのスタンダードになりつつあります。
高速バスへの転職を成功させるには、給与条件だけでなく、こうした教育体制や1日のスケジュールに無理がないかを確認することが大切です。
多くの高速バス運転士の求人の中から、自分に合った職場を見つけてください。
■高速バス運転手への転職は、実績豊富なエージェントにお任せください
高速バスドライバーの求人は増加していますが、教育体制や待遇、勤務スケジュールは企業によって大きく異なります。カラフルエージェント ドライバーでは、業界に精通したキャリアアドバイザーが、あなたの希望に合った企業を厳選してご紹介します。正社員求人、高月収案件、土日休み可能な求人など、多彩な選択肢からあなたに最適な職場を見つけるお手伝いをいたします。
▼カラフルエージェント ドライバーへのお問い合わせはこちら
▼あわせて読みたい
運送業界全体の動向や2024年問題の影響について知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。業界の将来性や労働環境の改善について理解を深めることができます。