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タクシー運転手の労働時間の上限は?3つの働き方と給料への影響

タクシー運転手の労働時間の上限は、労働基準法(36協定)による「時間外労働の上限」と、厚生労働省の「改善基準告示」による「拘束時間・休息期間の上限」の2つのルールで決まります。

2024年4月にはこの両方が見直され、日勤の1か月の拘束時間は288時間以内、時間外労働は特別な事情がある場合でも年960時間以内となりました。

本記事では、日勤・隔日勤務・ハイヤーの3つの働き方ごとの上限ルールと給料への影響を整理したうえで、ドライバー自身が「自分の勤務は上限内か」を確認する方法や、労働時間を守る会社の見分け方まで、公的情報をもとに解説します。

この記事を読んでわかること
  • タクシー運転手の労働時間の上限を決める2つのルールと、2024年4月の改正内容
  • 日勤・隔日勤務・ハイヤーの働き方別の上限と、給料(残業代・歩合)への影響
  • 自分の勤務が上限内かを確認する方法と、労働時間を守る会社の見分け方
目次

1.タクシー運転手の労働時間の上限は「2つのルール」で決まる

タクシー運転手の労働時間の上限は「2つのルール」で決まる

タクシー運転手の働く時間には、一般の会社員と同じ労働基準法のルールに加えて、自動車運転者だけに適用される「改善基準告示」のルールがかかっています。会社はこの2つを両方守る必要があるため、まずは用語と仕組みを整理しておきましょう。

拘束時間・労働時間・休息期間の違い

改善基準告示や労働基準法では、次の3つの時間を区別して考えます。

用語意味
労働時間会社の指揮命令のもとにある時間。実際に運転している時間だけでなく、指示があればすぐ業務に就く必要がある客待ちなどの「手待ち時間」も含まれます
拘束時間会社に拘束されている時間で、出社(始業)から退社(終業)までの時間。「労働時間」と「休憩時間」を合わせたものです
休息期間業務が終わってから次の始業までの、会社の拘束を受けない時間です

客待ちの時間は「休んでいる時間」と思われがちですが、厚生労働省のガイドラインでは、指示があれば即時に業務に従事することを求められ、労働から離れることが保障されていない待機時間は労働時間にあたるとされています。休憩として扱われている時間が、実態として自由に使える時間になっているかは、ドライバーとしても意識しておきたいポイントです。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示
参考:国土交通省 近畿運輸局|労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(和歌山労働局資料)

時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間、特別条項でも年960時間

労働基準法では、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働かせるには、労使で36協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。自動車運転の業務には上限規制が5年間猶予されていましたが、2024年4月から適用が始まりました。

  • 時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間
  • 臨時的な特別の事情がある場合(特別条項付き36協定)でも、年960時間まで
  • 一般の労働者に適用される「月100時間未満」「2〜6か月平均80時間以内」「月45時間超は年6か月まで」の規制は、自動車運転者には適用されない

この年960時間の特例は、労働基準法の附則第140条に定められており、条文ではタクシー事業(一般乗用旅客自動車運送事業)の業務が対象として明記されています。

参考:厚生労働省|建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制
参考:e-Gov法令検索|労働基準法

拘束時間と休息期間の上限を定めるのが「改善基準告示」

改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)は、拘束時間の上限や休息期間の基準を定めた厚生労働大臣告示です。運転者自身の健康確保と、国民の安全確保を目的としています。2022年12月に見直され、2024年4月1日から改正後の基準が適用されています。

36協定の範囲内に残業が収まっていても、改善基準告示の拘束時間や休息期間を守れていなければ基準違反になります。タクシー運転手の働き方を考えるときは、「残業時間」と「拘束時間・休息期間」の両方をセットで見ることが大切です。

こうしたルールの背景には、運転者の健康と安全運行の確保があります。国土交通省の「事業用自動車総合安全プラン2030」(2026年3月策定)では、次のような現状と目標が示されています。

  • 運転者の健康状態に起因する事故の報告件数は、事業用自動車全体で近年増加傾向にあり、2024年は398件
  • ハイヤー・タクシーでは、こうした事故を起こした運転者は65歳以上に多い
  • タクシーの目標として「乗客の死者数ゼロ」「2030年までに死者数25人以下」などを掲げている

拘束時間や休息期間のルールは、こうした安全確保の取り組みを働き方の面から支えるものといえます。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示
参考:国土交通省|事業用自動車総合安全プラン2030

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労働時間や拘束時間のルールは、そのままタクシー運転手の1日の勤務体系の理解にもつながります。以下の記事では、タクシー運転手の勤務時間や3つの勤務体系、平均収入について詳しく解説しています。

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2.2024年4月の改正で何が変わった?新旧比較でチェック

2024年4月の改正で何が変わった?新旧比較でチェック

2024年4月の改正では、とくに日勤の拘束時間の短縮と、日勤・隔日勤務の双方で休息期間の延長が行われました。主な変更点は次のとおりです。

項目2024年3月31日まで2024年4月1日以降
日勤:1か月の拘束時間299時間以内288時間以内
日勤:1日の拘束時間13時間以内(上限16時間)13時間以内(上限15時間、14時間超は週3回までが目安)
日勤:休息期間継続8時間以上継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない
隔日勤務:1か月の拘束時間262時間以内262時間以内(労使協定により年6か月まで270時間に延長可)
隔日勤務:2暦日の拘束時間21時間以内22時間以内、かつ2回の隔日勤務の平均で1回21時間以内
隔日勤務:休息期間継続20時間以上継続24時間以上を基本とし、22時間を下回らない
時間外労働の上限上限規制の適用猶予原則月45時間・年360時間(特別条項でも年960時間)

休息期間の「11時間を基本」「24時間を基本」は、会社が与えるよう努める目標です。一方で「9時間」「22時間」は下回ってはならない最低ラインです。ドライバーにとっては、この最低ラインを下回る勤務が組まれていないかが、確認の目安になります。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

3.日勤・隔日勤務・ハイヤーの3つの働き方で異なる上限ルール

日勤・隔日勤務・ハイヤーの3つの働き方で異なる上限ルール

タクシー業界の働き方は、日勤・隔日勤務・ハイヤーで上限の考え方が異なります。自分が就いている、または就こうとしている働き方のルールを確認しておきましょう。

日勤:1日13時間・月288時間が基本の上限

日勤は、始業と終業の日が同じ日に属する勤務です。

1日(始業時刻から24時間)の拘束時間は13時間以内が原則で、延長する場合も15時間が限度です。14時間を超える日は、週3回以内を目安にできるだけ少なくするよう求められています。1か月の拘束時間は288時間以内です。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

隔日勤務:2暦日22時間以内、平均21時間以内がルール

隔日勤務は、1回の勤務で2日分(2暦日)働き、勤務明けを休みにする働き方で、タクシー業界で広く採用されています。2暦日の拘束時間は22時間以内で、さらに2回の隔日勤務を平均して1回あたり21時間以内に収める必要があります。

ある勤務の拘束時間について、前の勤務との平均と次の勤務との平均のどちらも21時間を超えると違反になります。22時間ぎりぎりの勤務が続かないよう、長い日と短い日を組み合わせて調整する仕組みです。

1か月の拘束時間は262時間以内で、地域的な事情などがある場合は労使協定により年6か月まで270時間に延長できます。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

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隔日勤務という働き方が自分の体力や生活リズムに合うかどうかは、事前に確認しておきたいポイントです。以下の記事では、タクシーの隔日勤務の特徴や適性、メリット・デメリットを詳しく解説しています。

【タクシー隔日勤務完全ガイド】特徴、適性、健康管理について解説
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ハイヤー:拘束時間の表は適用されず、残業上限と休息期間で管理

ハイヤー(営業所だけで運送の依頼を受ける車両)の運転者には、上で紹介した日勤・隔日勤務の拘束時間・休息期間の表は適用されません。その代わり、次のルールが定められています。

  • 36協定の延長時間は1か月45時間・1年360時間が限度で、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間まで
  • 時間外・休日労働の時間数は、できる限り少なくするよう努める
  • 必要な睡眠時間が確保できるよう、勤務終了後に一定の休息期間を与える

ハイヤーは顧客の予定に合わせた待機が長くなりやすい働き方です。待機中も指示があればすぐ運転に就く状態であれば、その時間は労働時間として扱われます。待機が長くなるほど労働時間が延び、時間外労働の上限に近づきやすくなる点に注意が必要です。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示
参考:厚生労働省|自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示全文)

例外として「車庫待ち等」の特例が認められる条件

ここからは、ハイヤーではなく日勤・隔日勤務のタクシー運転者に関する特例です。営業所や車庫で客からの依頼を待つ働き方が常態となっている「車庫待ち等」の運転者には、拘束時間を延長できる特例があります。対象になるのは、次の要件をすべて満たす場合です。

  • 事業場が人口30万人以上の都市に所在していないこと
  • 勤務時間のほとんどについて「流し営業」を行っていないこと
  • 夜間に4時間以上の仮眠時間が確保される実態であること
  • 原則として、事業場内で休憩が確保される実態であること

この特例では、日勤の1か月の拘束時間を労使協定により300時間まで延長できます。1日の拘束時間も、勤務終了後に継続20時間以上の休息期間を与えることなど一定の条件を満たせば、24時間まで延長可能です。

隔日勤務では、1か月の拘束時間を労使協定により270時間まで延長でき、夜間4時間以上の仮眠などの条件を満たすと、さらに10時間を加えた時間まで、2暦日の拘束時間は24時間まで延長できます。

都市部で流し営業を中心に行う働き方は、この特例の対象外です。求人に「車庫待ち」と書かれている場合でも、要件を満たしているかは営業所の所在地や実際の働き方で判断されます。

参考:厚生労働省|タクシー・ハイヤー運転者の改善基準告示が改正されています!(リーフレット)

4.渋滞・災害時の「予期し得ない事象」と休日労働のルール

ルール

上限ルールには、運転中のトラブルへの配慮や、休日出勤に関する決まりもあります。現場で迷いやすい部分なので、あわせて押さえておきましょう。

予期し得ない事象にあった時間は拘束時間から除ける

2024年の改正により、運転中に次のような「予期し得ない事象」にあった場合は、その対応に要した時間を、1日または2暦日の拘束時間の上限の計算から除けるようになりました。

  • 運転中に、乗務している車両が予期せず故障した
  • 運転中に、乗船予定のフェリーが予期せず欠航した
  • 運転中に、災害や事故の発生にともない道路が封鎖された、または渋滞した
  • 異常気象(警報発表時)に遭遇し、運転中に正常な運行が困難になった

この扱いを受けるには、運転日報上の記録に加えて、公的機関のホームページ情報などの客観的な記録が必要です。また、対応時間を含めた拘束時間が最大拘束時間を超えた場合は、勤務終了後に、1日の勤務なら継続11時間以上、2暦日の勤務なら継続24時間以上の休息期間を与えなければなりません。

ドライバーとしては、渋滞や事故に巻き込まれたときに、発生時刻や場所、状況を運転日報にできるだけ具体的に残しておくことが大切です。

参考:厚生労働省|タクシー・ハイヤー運転者の改善基準告示が改正されています!(リーフレット)

休日労働は2週間に1回まで、拘束時間の上限も超えられない

休日に出勤する休日労働は2週間に1回を超えてはならず、休日労働をした場合でも拘束時間の上限を超えることはできません。「公休出勤で稼ぐ」働き方にも、一定の歯止めがかかっています。

参考:厚生労働省|タクシー・ハイヤー運転者の改善基準告示が改正されています!(リーフレット)

■法令を守る会社で、安心して長く働きませんか

予期し得ない事象への対応や休日労働のルールまで正しく守っている会社は、ドライバーの安全と健康を大切にしているといえます。そうした会社を、専門アドバイザーが無料でご紹介します。

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5.上限規制で給料はどう変わる?

上限規制で給料はどう変わる?

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)によると、タクシー運転者(一般労働者、企業規模10人以上)の月間の平均労働時間は男性で193時間、女性で188時間です。このうち残業にあたる超過実労働時間は、男女ともに23時間となっています。

働く時間に上限がかかると、「稼げる時間が減るのでは」と不安になる方も多いでしょう。自分の労働時間がこの平均と比べてどうかも意識しながら、給料に関係するルールをドライバーの立場から整理します。

参考:e-Stat 政府統計の総合窓口|令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)別 第1表

長時間の残業で稼ぐ働き方には上限がかかる

時間外労働は、特別条項があっても年960時間が上限です。12か月で均すと月80時間にあたり、これを大きく超えるような長時間の残業で収入を積み上げる働き方は続けられなくなりました。残業代に頼る割合が大きい給与体系の場合、総収入が下がる可能性があります。

一方で、残業代の単価にはドライバーに有利なルールもあります。1か月の時間外労働が60時間を超えた部分の割増賃金率は、2023年4月から中小企業も含めて50%以上となりました。深夜(22時〜5時)に行う60時間超の時間外労働は、深夜割増とあわせて75%になります。給与明細で、時間外労働の時間数と割増率が正しく反映されているかを確認しておくと安心です。

参考:厚生労働省|建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制
参考:厚生労働省|月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます(リーフレット)

歩合給の仕組みも確認する(累進歩合制度は廃止)

タクシー運転手の給与は、売上に応じた歩合給を組み込んでいる会社が多くあります。改善基準告示の関連ルールでは、長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあり、交通事故の発生も懸念されることから、累進歩合制度は廃止するものとされています。

入社前や入社後には、歩合率がどのように決まるのか、基本給や固定給の割合はどのくらいかを確認しておきましょう。売上の変動に対して収入がどの程度安定しているかを把握しておくと、労働時間が短くなったときの影響を見通しやすくなります。

参考:厚生労働省|タクシー・ハイヤー運転者の改善基準告示が改正されています!(リーフレット)

限られた時間で売上を伸ばす工夫が減収対策になる

歩合給の場合、同じ労働時間でも、乗車率や1回あたりの売上を高められれば、減収の幅を抑えられる可能性があります。配車アプリからの依頼を受けやすい会社か、需要の多い時間帯や地域の情報を共有する仕組みがあるかなどは、会社選びで確認したいポイントです。

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歩合給の仕組みや基本給・固定給の割合は、会社ごとに大きく異なります。以下の記事では、タクシードライバーの4つの代表的な給与体系の特徴を解説していますので、あわせてご覧ください。

【タクシードライバーの賃金体系】自分にあう給与体系はどれ?
タクシードライバー4つの給与体系を紹介|固定・歩合・賞与など
タクシードライバーの給与は歩合制が主ですが、4つの代表的な賃金体系の特徴を解説し、自分に合ったものを選ぶコツもお伝えします。
https://colorful-career.jp/media/contents/taxi-salary-system/

6.自分の勤務が上限内か確認する方法

労働時間の管理は会社の責任ですが、ドライバー自身が上限の目安を知っておくと、無理なシフトや記録の不備に気づきやすくなります。自分でできるチェック方法を紹介します。

出番数と退社から次の出社までの時間でチェックする

1か月の拘束時間の上限を、1回あたりの拘束時間で割ると、出番数(出勤回数)の目安が見えてきます。あわせて、退社してから次に出社するまでの時間が最低ラインを下回っていないかを確認しましょう。

勤務形態1か月の拘束時間の上限出番数の上限の目安退社から次の出社までの最低ライン
日勤288時間1回13時間なら約22回9時間(基本は11時間)
隔日勤務262時間(労使協定で270時間)1回平均21時間なら約12回22時間(基本は24時間)

出番数の目安は、上限値を1回あたりの拘束時間で割った概算です。実際の上限は、1回ごとの拘束時間や車庫待ち等の特例の有無によって変わります。

始業・終業の時刻を自分でも記録しておく

運転日報の控えや手帳、スマートフォンのメモなどに、出社・退社の時刻と休憩の取り方を日ごとに残しておくと、1か月の拘束時間や休息期間を自分で計算できます。

なお、厚生労働省は、始業・終業時刻や運転時間などを入力して、改善基準告示の拘束時間などの遵守状況を確認できるソフトを、自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイトで案内しています。

参考:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示

上限を超えていると感じたら労働基準監督署に相談できる

記録を見返して、休息期間の最低ラインを下回る勤務が続いている、残業代が実際の時間外労働と合わないといった状況があれば、まずは会社の運行管理者や労務担当者に確認しましょう。社内で解決しない場合は、最寄りの労働基準監督署で相談できます。運転日報の控えや、自分で記録した出退勤時刻のメモは、相談の際に働き方の実態を具体的に伝える材料になります。

参考:厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内

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7.労働時間を守るタクシー会社の見分け方

労働時間を守るタクシー会社の見分け方

上限規制を守りながら、ドライバーが無理なく稼げる環境を整えているかどうかは、会社によって差があります。転職や入社を考えるときに確認したいポイントをまとめました。

求人票で固定残業代・出番数・休日の書き方を確認する

求人票では、次の点を確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

  • 固定残業代(みなし残業代)がある場合、何時間分に相当するか、超えた分が別途支払われるか
  • 隔日勤務の場合、1か月の出番数と1回あたりの拘束時間の目安が書かれているか
  • 休日の表記が「完全週休2日制(毎週2日休み)」か、月1回・隔週・月2回・月3回などの「週休2日制」(2日休みの週が限られる)か
  • 給与の内訳(基本給・歩合給・各種手当)が示されているか

面接や会社見学で上限規制への対応を質問する

面接や会社見学の場では、2024年4月からの上限ルールにどう対応しているかを具体的に聞いてみましょう。

たとえば「求人票の出番数や拘束時間は実態に近いか」「休息期間はどのように確保しているか」「残業代や歩合給はどのように計算されるか」といった質問です。数字を交えて説明できる会社は、労働時間を把握し管理している可能性が高いと考えられます。

第二種運転免許の取得費用を会社が負担する制度など、未経験者の育成に取り組んでいるかどうかも、長く働ける会社かを見極める材料になります。

「働きやすい職場認証制度」の認証を参考にする

国土交通省が創設した「運転者職場環境良好度認証制度(通称:働きやすい職場認証制度)」は、長時間労働の是正など、職場環境の改善に取り組むトラック・バス・タクシー事業者を認証する制度です。公式サイトには認証事業者の検索ページがあり、応募先が認証を取得しているかを確認できます。会社選びの判断材料のひとつとして活用するとよいでしょう。

参考:自動車運送事業者の働きやすい職場認証制度 公式サイト|「運転者職場環境良好度認証制度」(通称:働きやすい職場認証制度)

8.タクシー労働条件の上限に関するよくある質問

よくある質問

タクシー運転手の休憩時間は何分と決まっていますか?

労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えなければならないと定められています。タクシー運転手にもこのルールが適用されます。

パートや定時制のタクシー運転手にも改善基準告示は適用されますか?

改善基準告示の対象は、労働基準法上の労働者で、四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する人です。雇用形態による区別はないため、会社に雇われて主に運転業務に就いていれば、パートや定時制でも対象になります。

労働時間の上限を超えて働かせた場合、会社に罰則はありますか?

36協定で定めた時間を超えて働かせるなど、労働基準法の労働時間や休憩の規定に違反した場合、使用者は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。自分の勤務に疑問がある場合は、最寄りの労働基準監督署に相談できます。

参考:e-Gov法令検索|労働基準法
参考:厚生労働省|自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示全文)

9.まとめ|タクシー運転手の労働時間上限を知り、無理なく働ける会社を選ぼう

タクシー運転手の労働時間の上限は、労働基準法の36協定による時間外労働の上限(原則月45時間・年360時間、特別条項でも年960時間)と、改善基準告示による拘束時間・休息期間の上限の2つで決まります。

2024年4月の改正で、日勤の1か月の拘束時間は288時間以内となり、休息期間は日勤で最低9時間、隔日勤務で最低22時間が確保されるようになりました。

上限規制は長時間の残業で稼ぐ働き方に制限をかける一方で、健康を保ちながら長く働くための土台にもなります。

出番数や休息期間の目安を知り、自分の勤務記録を残しておくことで、無理のない働き方かどうかを判断しやすくなります。会社を選ぶ際は、給与の内訳や上限ルールへの対応を具体的に確認しましょう。

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