軽トラックの維持費の中で大きな割合を占める自動車税。
4ナンバー車両である軽トラは普通車と比べて税負担は軽いものの、納税の仕組みや減税制度を理解しておくことで、さらなる節税が可能です。
この記事では、軽トラの自動車税に関する基礎知識から実践的な節税テクニックまでをわかりやすく解説します。
- 軽トラの自動車税の基本的な仕組みと4ナンバー・5ナンバーの違いによる税額の違い
- グリーン化特例やエコカー減税など軽トラに適用される主な減税制度の内容と条件
- 車検や中古車購入時の税金処理方法と法人・個人事業主向けの具体的な節税方法
1.軽トラの自動車税の基本情報

自動車税は軽トラ所有者にとって避けられない経費です。
まずは基本的な仕組みを理解し、適切な対応ができるようにしましょう。
軽トラの自動車税とは?
正式には自動車税種別割とも呼ばれています。
課税対象となるのは、毎年4月1日時点で軽トラを所有している個人や法人です。
また、軽トラの自動車税は、車検時に支払う重量税とは別物なので注意しましょう。
軽トラは4ナンバー車両であることを解説
軽トラは、ナンバープレートの分類で4ナンバーに該当する車両です。
■小型貨物車(4ナンバー)
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
4.7メートル以下 | 1.7メートル以下 | 2.0メートル以下 |
■軽貨物車(軽自動車)
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
3.4メートル以下 | 1.48メートル以下 | 2.0メートル以下 |
例えばトヨタのダイナ(小型トラック)は全長4.69メートルで4ナンバーですが、スズキのキャリイ(軽トラック)は全長3.395メートルで軽自動車登録となります。
両者は同じ4ナンバーのナンバープレートをつけますが、法定の大きさの制限が異なります。
また、車両サイズが小さいことから自動車税の税率も5ナンバーの普通車と比べて低く設定されているのが特徴です。
ただし、4ナンバー車両は自家用と事業用で異なる税率が適用されるので、利用目的に合わせて適切な区分で登録しましょう。
参考:トラック流通センター|1ナンバーのトラックとは?4ナンバーとの取得条件や維持費用の違いを解説
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4ナンバーと5ナンバーの自動車税の違い
4ナンバーの軽トラと、5ナンバーの普通車では自動車税の仕組みが異なります。
5ナンバー車両の自動車税額は、排気量に応じて3段階の税率が設定されています。
一方、4ナンバーの自動車税は排気量による区分がなく、一律の税率が適用されます。
基本的に4ナンバー車両の税率は、5ナンバーに比べて安くなっています。
2.軽トラの自動車税の計算方法

軽トラの自動車税は、車両の用途や登録時期によって税額が変わります。
正確な計算方法を把握して、適切な納税計画を立てましょう。
4ナンバー軽トラの自動車税の標準税率
地方税法では、4ナンバー車両に対する自動車税の標準税率が定められています。
自家用 | 事業用 |
---|---|
年間 10,800円 | 年間 6,900円※ |
平成27年4月1日以降に新車新規登録された4ナンバー車両の場合、標準税率は自家用で年間10,800円、事業用は6,900円となっています。
ただし、各都道府県はこの標準税率を基に、条例で独自の税率を定めることができます。
軽トラに関しては、自家用・事業用ともに全国一律の税率が適用されるのが一般的です。
3.軽トラの自動車税の支払い方法と時期

自動車税の支払いには様々な方法があります。
期限や手続きを確認し、自分に合った納税方法を選択することが重要です。
軽トラの自動車税の支払い方法
軽トラの自動車税は、各都道府県から送られてくる納税通知書に基づいて支払います。
金融機関の窓口やATM、コンビニエンスストア、クレジットカードなど、様々な支払い方法が用意されています。
定期的な支払いを自動化したい場合は、口座振替の利用も可能です。
ただし事前に手続きが必要なので注意しましょう。
一部の自治体では、インターネットを通じたクレジットカード払いなども導入されています。
軽トラの自動車税を払うタイミング
軽トラの自動車税は、毎年4月1日を基準日として課税されます。
納付期限は都道府県によって異なりますが、おおむね5月末までとなっています。
4月中旬から下旬にかけて、各都道府県から納税通知書が届くので、期限までに指定された方法で年税額を一括払いします。
月割りや分割払いの仕組みはありません。
年度の途中で軽トラを廃車した場合などは、所定の期限内に申告を行い、月割り計算で還付を受けることができます。
4.軽トラの自動車税の減税制度

環境性能の高い軽トラには、様々な減税制度が用意されています。
これらの制度を理解し、賢く活用することで税負担を抑えられます。
グリーン化特例とは?
対象車両
- 電気自動車
- 天然ガス自動車
- ハイブリッド自動車
上記のような一定の排ガス性能と燃費性能を満たす車両が対象となります。
新車新規登録から一定年数の間、税率が軽減されるメリットがあります。
令和3年度の制度改正で軽課率と適用期間が変更されたので、最新情報をチェックすることをおすすめします。
エコカー減税の適用条件と減税額
平成27年度以降に新車新規登録された軽トラは、エコカー減税の対象となる可能性があります。
適用には平成32年度燃費基準を満たすことが条件です。
減税額は新車登録年度によって異なり、25%または50%の税額軽減が受けられます。
軽減期間は新車登録から2年または3年間です。
エコカー減税の適用を受けるには、販売店で申請手続きを行う必要があります。
対象車両の選び方は慎重に行いましょう。
参考:国土交通省|1,乗用車 エコカー減税 (自動車重量税) の概要
5.軽トラの自動車税で注意が必要なポイント

自動車税に関する手続きを誤ると、予期せぬ出費やトラブルの原因となります。
重要なポイントを押さえて適切に対応しましょう。
車検時の自動車税の取り扱い
車検の有効期間が4月1日をまたぐ場合は、自動車税の課税にも影響があるので注意が必要です。
自動車税は車検の有効期間開始月に課税されるため、古い車検証の有効期限内に廃車しないと、二重課税になってしまう可能性があります。
また、軽トラの抹消や名義変更の際は、陸運局での手続きだけでなく、必ず自動車税の申告も行いましょう。
税務署への申告を怠ると、トラブルの原因になります。
中古車購入時の自動車税の清算
中古の軽トラを購入する際は、自動車税の未納分を売主から引き継ぐことになります。
支払い済みの自動車税は売買価格に含まれていることが多いですが、トラブル防止のために、売買契約書に自動車税の清算方法を明記しておくことをおすすめします。
もし税金の精算を怠ると、買主が二重に自動車税を支払わなければならないリスクもあるので、十分に注意しましょう。
廃車や名義変更時の自動車税の還付
年度の途中で軽トラを手放した場合、残りの期間分の自動車税が還付されます。
還付額は月割りで計算され、1ヶ月未満の端数は切り捨てられます。
軽自動車検査協会での廃車や名義変更の手続き後、別途還付申請を行う必要があります。
原則として申請期限は4月中とされていますが、期限後でも還付を受け付けてくれる場合もあるようです。
還付金を受け取る権利は絶対に放棄しないようにしましょう。
6.軽トラユーザーのための自動車税節税テクニック

知識を活かした具体的な節税方法をご紹介します。
車両選びから支払いのタイミングまで、実践的なテクニックを学びましょう。
減税対象車種の選び方
軽トラの自動車税を節税するためには、グリーン化特例やエコカー減税の対象となる車種を選ぶのが得策です。
減税対象外の車種でも、低排出ガス認定車を選べば、税負担を軽減できる場合があります。
中古車選びの際も、減税対象車を探すことをおすすめします。
車種変更タイミングの最適化
軽トラの買い替え時期を工夫することで、自動車税の節税につなげることができます。
特に4月1日をまたぐタイミングで車種変更すると、新旧両方の車に自動車税が課税されてしまうため注意が必要です。
エコカー減税の軽減率は新車登録年度によって変わるため、軽減率の高い年度に購入するのがお得です。
グリーン化特例も新車登録月によって軽減期間が変動するので、タイミングを見計らって車種変更するのが賢明でしょう。
法人・個人事業主なら経費計上で節税
軽トラを事業用途で使用している法人や個人事業主なら、減価償却費、自動車税、車検費用、燃料代などを経費計上することで、節税効果が期待できます。
経費計上した分の自動車税は、事業税や所得税の計算上、課税所得から控除されるため、節税につながるのです。
さらに、セールス・アンド・リースバックを活用すれば、軽トラを売却して即時資金化しつつ、リース契約で引き続き使用できるので、節税メリットが得られます。
7.軽トラの自動車税Q&A

軽トラの自動車税について、よくある疑問とその回答をまとめました。
日常的な疑問点を解消し、適切な対応を学びましょう。
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軽トラの車検時に自動車税は必要?
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軽トラの車検を受ける際、自動車税の納付は不要です。
ただし、車検の有効期間開始月に、別途自動車税が課税されます。
つまり、車検費用とは別に、定められた時期に自動車税を支払う必要があるということです。
自動車税の支払い時期は、車検の時期とは異なるので注意しましょう。
車検が終わったからといって、自動車税の支払いまで完了したわけではありません。
自動車税の納付書が届いたら、忘れずに期限内に支払いを済ませるようにしてください。
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中古の軽トラを購入した場合の自動車税は?
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中古の軽トラを購入した場合、購入した月から自動車税が課税されます。
たとえ年度の途中で購入したとしても、月割りで計算されることはありません。
購入時期によっては、売主が支払い済みの自動車税を清算する必要が出てくるかもしれません。
中古車の売買契約を交わす際は、自動車税の清算方法についても確認し、トラブル防止に努めましょう。
もし自動車税の清算を怠ると、買主が二重に税金を支払うことになりかねません。
中古車購入時の自動車税の取り扱いには、十分に気をつける必要があります。
8.軽トラの自動車税は正しく理解して賢く節税!
軽トラの自動車税は、基本的な仕組みと税額を正確に理解することから始めましょう。
グリーン化特例やエコカー減税などの減税制度を活用し、経費計上や車種変更のタイミングを工夫することで、税負担を効果的に軽減できます。
また、中古車購入時や車検時の税金処理、還付制度の利用など、重要なポイントを押さえることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
自動車税の知識を深め、適切な節税対策を実践することで、より経済的な軽トラライフを楽しむことができるでしょう。