レッカー車の運転には、どのような免許や資格が必要なのでしょうか。実は、牽引免許が必須と思われがちですが、必ずしもそうではありません。車両の大きさや牽引する車両の重量によって必要な資格は変わってきます。
本記事では、レッカー車運転に必要な免許の種類、牽引免許が必要になるケース、取得方法、さらに必要なスキルについて詳しく解説します。
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- レッカー車運転には車両区分に合わせた免許が必要で、牽引免許は条件によって必要か不要か変わることについて
- 牽引免許が必要になるのは、750kg以上の車両を牽引する場合や大型レッカー車を運転する場合について
- レッカー車の運転には免許以外にも、高度な運転技術やコミュニケーション能力などのスキルが求められることについて
1.レッカー車運転に必要な免許と資格

レッカー車を運転するには、まずは、運転免許が必要です。牽引免許は必須ではありませんが、特定の条件下では取得が必要になります。 レッカー車の種類や用途によって必要な免許は異なりますので、詳しく見ていきましょう。
レッカー車運転に牽引免許は必須ではない
レッカー車の運転に牽引免許は必ずしも必要ありません。よく勘違いされがちですが、牽引免許がなくてもレッカー車を運転することは可能です。レッカー車で車両を牽引する際、「事故車や故障車をクレーン・ロープで牽引する場合」は牽引免許の取得が免除されているためです。
ただし、750kg以上の被牽引車両を牽引する場合は牽引免許が必要になります。例えば大型トレーラーの牽引などがこれに該当します。一般的な乗用車や軽自動車の牽引は750kg未満なので、牽引免許は不要というわけです。
レッカー車の車両区分と必要な免許
レッカー車を運転するには、車両区分に準じた運転免許の取得が必要不可欠です。レッカー車には小型、中型、大型の区分があり、それぞれ牽引能力が異なります。運転に必要な免許も車両の大きさに応じて変わってきます。
◎車両区分に適合した運転免許の取得
- 小型レッカー車:準中型免許が必要
3tまでの車両を牽引可能。ただし平成29年3月12日以前に普通免許を取得済みなら、普通免許で運転できる。 - 中型レッカー車:中型免許が必要
4tまでの車両を牽引可能。 - 大型レッカー車:大型免許が必要
8t~10tクラスの大型車両を牽引可能です。
企業などで導入されるレッカー車は中型や大型が多いですが、小型レッカー車も路上駐車の移動や狭い場所での作業に活躍しています。いずれにせよ、レッカー車の運転には適切な免許の取得が重要です。
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2.レッカー車運転で牽引免許が必要になる3つのケース

基本的にレッカー車の運転に牽引免許は必要ありませんが、例外的に牽引免許が必須となるケースがあります。 被牽引車両の重量やレッカー車自体の大きさによって、牽引免許の必要性が変わってくるのです。
①小型トラックで軽自動車等を牽引する時
小型トラックで車両を牽引する際、被牽引車両の重量が750kg未満であれば牽引免許は不要です。しかし軽自動車の中にも750kgを超える車種が多数あるため、注意が必要です。
牽引する軽自動車の車検証をしっかり確認し、総重量750kg以上の場合は牽引免許が必須となります。ただし事故車や故障車の緊急避難的な牽引は、牽引免許がなくても可能とされています。
しかしながら、牽引作業には危険が伴うため、慎重な作業が大切です。無理ない範囲で、基本的ルールは守りうましょう。
②レッカーの重さが750kgを超える時
レッカー車自体の総重量が750kg以上の場合も牽引免許が必要になります。レッカー車の重量は、車両区分によって大きく変わります。たとえば中型や大型のレッカー車は、一般的に750kg以上あるため、牽引免許が必須です。
③大型レッカー車を運転する時
事故車や故障車として大型トラックやバスなどを牽引するには、大型レッカー車が必要です。当然、牽引対象車両の重量は750kgを優に超えるため、牽引免許は必須です。
加えて、大型特殊自動車免許も必要になります。また、大型レッカー車にはクレーンやウインチが装備されていることが多いです。それらの装置を使うには、玉掛け技能やウインチ運転の資格取得が求められます。

大型レッカー車の運転は、大型免許、牽引免許、大型特殊自動車免許など、多くの条件があるります。
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3.牽引免許の取得方法とは?

牽引免許は大型・中型免許所持者のみ取得可能で、21歳以上が条件となっています。費用は10数万円程度、教習所で最短12時間の技能教習が必要です。一発試験も可能ですが、合格率は低いことが知られています。第一種と第二種があり、連結バス運転には第二種が必要です。
牽引免許の取得条件
牽引免許を取得するには、いくつかの条件をクリアする必要があります。まず、大型免許もしくは中型免許の保有が大前提です。普通免許では、牽引免許を取得することはできません。
他にも、21歳以上であること、運転免許証の色が青もしくは緑(ゴールド)であることなど、一定の条件を満たす必要があります。
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牽引免許の取得費用と期間
牽引免許の取得費用は、教習所やプランによって異なりますが、10数万円程度が相場です。技能教習は最短で12時間。卒業検定に合格すれば、牽引免許の取得が可能です。
教習所に通わず、試験場や免許センターで一発試験を受験する方法もあります。ただし、合格率は20%程度と非常に低いのが現状です。一発合格を狙うのは、よほど運転技術に自信がある人向けといえるでしょう。
牽引免許には第一種と第二種があり、連結バスなどの運転には第二種免許が必要です。第二種は第一種よりも試験が難しく、学科試験の合格率は20%程度です。
4.レッカー車の免許取得で利用できる補助金・助成金

レッカー車の運転に必要な免許取得には、最低限の費用がかかります。 ただし、制度を利用すれば、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
レッカー車の運転に必要な免許の取得には、少なからぬ費用がかかります。しかし、国や地方自治体の補助金・助成金制度を活用すると、経済的負担を軽減できる可能性があります。
会社員の方の場合、従業員の教育訓練費用は企業の経費として計上できます。教育訓練給付金制度を利用すれば、免許取得費用の一部を助成してもらえる可能性があります。
地方自治体によっては、運転免許取得費用に対する独自の補助制度を設けている場合もあります。お住まいの自治体のホームページや窓口で、情報を確認してみましょう。
ハローワークの「自主的職業訓練」制度を利用する方法もあります。レッカー車の免許取得を職業訓練と位置付けることで、訓練期間中の生活費が支給される可能性があります。
参考:厚生労働省|ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
5.レッカー車の運転に必要なスキル4選

レッカー車の運転には、免許だけでなく様々なスキルが求められます。事故や事故の現場での対応、特殊な装置の操作など、高度な専門性が必要です。レッカー車の運転に求められる4つの重要なスキルについて解説します。
①高度な運転技術
レッカー車の運転手は、事故車や故障車を速やかに移動させる必要があります。そのため、狭い道や混雑した道路での的確な判断力と操作技術が求められます。
特に、大型レッカー車の運転にはかなりの熟練が必要です。車両サイズが大きいぶん、ハンドル操作や車庫入れなどの基本動作も難しくなります。繊細なコントロール力が運転手に求められるのです。
②車両知識
レッカー車の運転手は、車両の基本的なメンテナンスを行えることが望ましいとされています。タイヤの交換やオイルチェックなどは、運転手自身で対応できると良いでしょう。
また、レッカー車に搭載された特殊装置(クレーンやウインチなど)の適切な取り扱いにも、一定の知識が必要です。装置の基本的な構造を理解し、トラブルが起きた際に原因を特定できるスキルが求められます。
③コミュニケーション能力
レッカー業務では、お客様とのコミュニケーションが非常に大切です。事故や故障でパニックになっているお客様に、適切な説明とサポートを行わなくてはなりません。
お客様の立場に立って物事を考え、丁寧に対応する姿勢が欠かせません。怒りをぶつけてくるお客様もいるかもしれません。むやみに感情的になることなく、冷静に対応するストレス耐性も必要です。
④冷静な判断力とストレス耐性
レッカー車の運転手は、事故現場などの緊迫した状況下で冷静沈着に仕事をこなす必要があります。「咄嗟の判断力」と「ストレス耐性」は、レッカー車運転手に欠かせない資質だといえるでしょう。
緊急時にパニックに陥ることなく、適切な判断を下せる精神力が求められます。状況をしっかりと見極め、臨機応変に行動できるスキルを身につけましょう。
また、交通関連法規の知識を深め、法を遵守する意識の高さも必要です。安全運転はもちろん、違法行為は厳に慎まなくてはいけません。
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6.知っておきたいレッカー車運転の必須免許と求められる技術
重要な点として、レッカー車の運転にはかなり重視した免許は必要なく、車両区別に合わせた運転免許があれば基本的には運転可能です。 なお、750kg以上の車両を牽引する場合や、中型・大型のレッカー車を運転する場合は優先免許が必須となります。
ドロー免許の取得には大型免許または中型免許の保有が前提条件で、取得費用は約10数万円、最短12時間の教習が必要です。また、国や自治体の助成金制度を利用すれば費用負担を軽減できる可能性もあります。
レッカー車の運転は手に取れる高度な運転技術、車両知識、コミュニケーション能力、冷静な判断力など多様なスキルが求められます。特に事故現場などの緊急冷静に対応できる精神力は重要です。安全運転と確かな技術を身に付け、専門のレッカー車の運転を目指しましょう。