大型免許の取得は、ドライバーを目指す人にとって避けて通れない関門です。普通自動車と比べて車体が大きく、特有の運転技術が必要となるため、取得の難易度は高いと言われています。
この記事では、大型免許取得の難しさの理由と、それを乗り越えるためのノウハウを徹底解説します。
- 大型免許取得が難しいとされる理由とそれを克服するための具体的な対策
- 大型免許の取得条件、費用、期間、合格率についての最新情報
- 技能試験に合格するためのポイントと費用を節約する実践的な方法
1.大型免許とは?

大型免許とは?
車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、または乗車定員30人以上の大型自動車を運転するために必要な運転免許
大型免許には第一種と第二種の2種類があり、第一種は一般的な大型車両の運転に、第二種は有償での旅客運送(バスなど)に必要です。
通常、取得には21歳以上で、中型、準中型、普通、大型特殊免許などいずれかの種類を3年以上運転している経験が必要となります。(他条件でも取得可能)
大型車両は普通車に比べて車体が大きく、内輪差やブレーキの効き方も異なるため、特有の運転技術が求められます。
▼大型免許についてもっと詳しく
以下の記事では、大型免許の基礎知識から取得条件、費用、給付金活用法まで解説しています。大型トラックドライバーを目指す方はぜひ参考にしてください。
2.大型免許の取得が難しい理由

大型免許の取得には様々な難しさがあります。車両の特性から法律の制約まで、さまざまな面でハードルが高いのが現実です。次に具体的な取得条件と実際の合格率を確認していきましょう。
車両の大きさ
大型車両は普通車と比較して全長で約2.5倍、全幅で約1.5倍のサイズがあり、車体感覚を掴むまでに時間がかかります。この大きさゆえ、ハンドル操作、幅寄せ、バック駐車などの基本操作でも高度な技術が求められます。
また、左右後方に多くの死角が生じるため、目視確認の難易度も高くなります。内輪差も大きく、曲がる際に後輪が内側を通過するため、カーブや交差点での車両操作には特別な注意と技術が必要です。
これらの車両特性に対応するための運転スキルを習得することが、大型免許取得の難しさの大きな要因となっています。
大型車両特有の操作
大型車両には普通車にはないエアブレーキシステムが採用されており、その効き方は普通車とは大きく異なります。ブレーキを踏んでからエア圧が上がり制動力が発生するまでにタイムラグがあり、この特性に慣れる必要があります。
エアブレーキシステムとは?
大型車両に広く採用されている制動システム
圧縮空気を使用して制動力を発生させるのが特徴です。
また、マニュアルミッションが主流で、変速時のクラッチ操作も普通車より複雑です。ギア数も多く、適切なギア選択と滑らかな変速技術が求められます。
さらに、補助ブレーキ(リターダー)の操作や、安全確認のための多数のミラーの使い分けなど、普通車にはない装置の適切な操作を習得する必要があり、取得の難しさにつながっています。
費用面
教習時間が長いぶん、大型免許の教習料金は高額になりがちです。教習所によって差はありますが、20万円〜45万円程度が相場と言えます。
大型免許の取得には、このような様々な難しさがあります。 教習時間の長さ、費用の高さ、教習環境の制約など、普通免許とは異なるハードルの高さが特徴と言えるでしょう。
それだけに、大型免許の取得は、ドライバーとしてのキャリアにコミットメントを示す重要なステップとも言えます。
3.大型免許の技能試験を合格するためのポイント

技能試験に合格するには、車両感覚や安全運転の技術が欠かせません。難易度の高い項目への対策と精神面の準備を整えて試験に臨みましょう。次に費用面での節約方法を解説します。
車両感覚
大型車の運転で最も重要なのが、車両感覚をつかむことです。そのためには、まず座席とミラーの調整が欠かせません。
- 座席の位置:ペダルを踏み込んだ時に膝がわずかに曲がる位置に調整
- ミラー:車体の両サイドと後方がしっかり確認できるよう、念入りに合わせる
また、試験コースの下見も有効です。教習所の模擬コースを事前に走行し、コースレイアウトを頭に叩き込んでおきましょう。試験当日は、リラックスして普段通りの運転ができるよう、心がけることが大切です。
安全運転
試験では、安全運転が何よりも重視されます。発進とブレーキ操作、ハンドル操作など、基本に忠実な運転を心がけましょう。
- 発進時:ゆっくりクラッチをつなぎスムーズに発進
- ブレーキ:早めにそして弱めに踏む
- ハンドル操作:ゆっくり大きめを意識
- 車線変更時:ウインカー・ミラー・目視による安全確認と減速
常に周囲への配慮を示すことが合格への近道となります。交通ルールを厳守し、安全第一の姿勢を試験官にアピールしましょう。
難易度の高い試験項目への対策
大型免許取得のコツは難関項目への対策が鍵です。
- 車庫入れ:車体が平行になったタイミングでハンドルを切り、最後に真っ直ぐに戻す
- 縦列駐車:斜めに入れてから真っ直ぐに修正
- S字クランク:内輪差を意識し、小刻みなハンドル操作で壁との接触を避ける
- 坂道発進:スムーズな操作ができるよう練習を重ねる
それぞれの項目は、繰り返し練習することで体得しましょう。
▼大型トラックの運転のコツは?
大型トラックの運転は怖い?コツを掴めば安全運転できます!以下の記事では、車両の特性を解説しています。大型トラックの運転テクニックを身につけましょう。お悩みポイント別に解説しています!
4.大型免許の取得条件と合格率

取得条件
大型一種免許と二種免許のそれぞれの取得条件は下記のとおりです。
大型一種免許

大型二種免許

年齢条件として21歳以上、中型、準中型、普通、大型特殊免許などいずれかの種類を取得してから3年以上の運転経験が求められます。(一定の教習を修了することにより、19歳以上で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許のいずれかの運転免許を受けていた期間が1年以上あれば受験可能)
身体条件も厳しく、両眼で0.8以上、片眼で0.5以上の視力や、10メートル先で90デシベルの警音器の音が聞こえる聴力が必要です。
さらに、深視力や色彩識別能力も試験で確認され、特定の病気や障害、飲酒運転歴などがある場合は欠格事由となります。
参考:警視庁|大型免許試験(指定教習所を卒業又は検査合格証明書をお持ちの方)
警視庁|大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)
警視庁|適性試験の合格基準
大型一種免許と二種免許の合格率
大型一種と大型二種免許の合格率は下記のとおりです。
大型一種 | 大型二種 |
---|---|
91.1% | 61.4% |
警察庁の統計によると、令和5年度の大型第一種免許の合格率は91.1%と非常に高く、適切な教習と準備があれば合格の可能性が高いことを示しています。
一方、大型第二種免許の合格率は61.4%と、大型免許の合格率は種類によって大きく異なります。
この差は、第二種免許が旅客運送を可能にする資格であり、より高度な安全運転技術と知識が求められることに起因します。特に第二種免許の取得は難易度が高く、慎重な準備と十分な練習が必要とされています。
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5.大型免許の取得方法と費用・期間

大型免許の取得には一定の手順と費用、時間が必要です。教習所選びから免許証交付までの流れをしっかり理解しておきましょう。技能試験に合格するためのポイントに進みます。
大型免許の取得方法

大型免許取得には主に二つの方法があります。一般的な教習所では、技能教習と学科教習を受講し、卒業検定後に運転免許試験場での本試験に臨みます。費用は高くなりますが、初心者でも段階的に学べる利点があります。
一方、一発試験では、教習所を経ずに直接試験場で受験します。費用は数万円程度と大幅に安くなりますが、運転技術は自力で習得する必要があり、合格率も低いのが現実です。経験や予算に応じて最適な方法を選ぶことが重要になります。
参考:三井ダイレクト損害保険株式会社 強くてやさしいクルマの保険|大型免許とは?取得・教習所の費用や条件、利用できる補助金・助成金などを解説
▼一発試験で挑戦したい!あなたへ
以下の記事では、大型免許の一発試験を詳細を解説しています。試験内容から合格率アップのコツまで、最短で免許取得を目指す方必見の情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
大型免許取得の期間と費用
取得費用
大型免許の取得には、教習所の入所料、教習料、諸経費など、一定の費用がかかります。目安は以下の通りです。

大型免許取得の費用は、教習所によって異なりますが、普通免許所持者の場合は30〜45万円程度が相場です。二種免許を取得する場合は、一種免許よりも15万円ほど高額になる傾向があります。
取得期間
大型一種免許
通学 | 合宿 |
---|---|
普通免許(MT):20~40日間程度 中型免許(MT):2週間程度 | 普通免許(MT):最短13日間 中型免許(MT):最短9日間 |
大型二種免許
通学 | 合宿 |
---|---|
普通免許:30日~ 大型免許:18日~ | 普通免許:15泊16日程度 大型免許:6泊7日程度 |
期間については、普通免許所持者で通学する場合、20~40日間程度で取得可能です。中型免許所持者なら2週間程度が目安となります。二種免許は技能教習が多いため、さらに2週間程度長くかかるのが一般的です。
ただし、これらは目安であり、教習所の混雑状況や個人の習得速度によって大きく変動します。合宿免許を選択すれば短期集中で取得できますが、宿泊費や食費などの追加費用も考慮する必要があります。
▼大型免許取得に必要な深視力検査とは?
以下の記事では、大型免許の深視力検査について解説しています。合格のためのトレーニング方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
6.大型免許の取得費用を節約する方法

大型免許取得には相応の費用がかかりますが、賢い選択で節約することも可能です。教習所選びや支援制度の活用など、費用を抑える方法を工夫しましょう。最後に記事の内容をまとめます。
教習所選びのポイント
まず大切なのが、教習所選びです。料金設定は教習所によって大きく異なるため、事前の比較検討が欠かせません。
- 入所料、教習料、技能検定料など、料金体系をしっかりチェック
- 学生割引やグループ割引など、各種の割引制度を活用
- 教習時期を閑散期に設定
教習所の立地や設備面も、宿泊費や交通費など付帯コストに影響します。総合的に比較し、自分に最適な教習所を選ぶことが肝要です。
補助金・助成金の活用
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、企業の人材育成を支援する厚生労働省の制度です。特定一般教育訓練給付金の対象となる大型自動車免許取得コースでは、受講料の一部が助成されます。
企業が従業員の免許取得を支援する場合、人材支援育成コースを利用可能です。申請には計画届の事前提出や訓練実施後の書類提出が必要です。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、ハローワークを通じて申請できる支援制度です。一般教育訓練給付金では、指定された教育訓練機関での大型免許取得コースを修了した場合、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。
特定一般教育訓練給付金では受講費用の40%(上限10万円)が支給されます。利用するには雇用保険の被保険者期間が一定以上必要で、受講前にハローワークでの手続きが必須となります。
合宿免許の活用
大型免許取得の費用節約に効果的な合宿免許は、短期集中型の免許取得プログラムです。通常の教習所と比べて価格が抑えられ、食事や宿泊がパッケージになった格安プランも多数あります。
短期間で集中して学べるため技能上達も早いのが特徴です。地方の教習所は都市部より安価な傾向があり、オフシーズンや平日の入校でさらに割引が適用されることもあります。
早割プランや学割、グループ割引なども活用できる場合があります。事前にWeb予約や複数校の比較で最安値を見つけましょう。
一発試験のメリット・デメリット
大型免許の一発試験は費用を大幅に節約できる方法です。メリットは3~4万円程度と安く済み、自分のペースで準備できる点です。短期間での取得も可能で、すでに運転経験がある方に適しています。
一方、デメリットは合格率が30%程度と非常に低く、不合格時の再試験料が発生するため、複数回受験すると結局高額になる可能性があります。
実技指導がないため独学での技能習得が必要で、大型車の操作経験がない方には難易度が高いです。試験の予約も取りにくく、資格取得までの期間が不確定になることも考慮すべき点です。
7.大型免許取得の難しさを乗り越えるために
大型免許の取得は車体の大きさや特有の操作技術が求められ、難易度が高いものです。合格のためには車両感覚の習得、安全運転の徹底、そして車庫入れや縦列駐車などの難関項目対策が重要です。
費用面では30〜45万円程度が相場ですが、合宿免許の活用や教育訓練給付金、人材開発支援助成金などの制度を利用することで節約が可能です。
教習所選びや時期の工夫も効果的です。十分な準備と練習を重ねることで、キャリアアップにつながる大型免許取得を目指しましょう。