4トントラックは物流業界で幅広く活用されているサイズのトラックです。
本記事では、4トントラックのサイズに焦点を当て、その特性や、積載量、必要な免許、ボディ種別、運転のポイントなどを詳しく解説します。
- 4トントラックの基本的なサイズと積載能力
- 4トントラック運転に必要な免許
- 効率的な積載テクニックと安全運転のポイント
1.4トントラックのサイズについて
4トントラックは、日本の物流業界で広く使用される中型トラックの一種です。
その名前から約4トンの貨物を積載できることが特徴です。しかし、実際のサイズや性能は、この数字だけではわかりかねる部分も多くあります。
ここでは、4トントラックの特徴や具体的なサイズ、積載量について詳しく見ていきましょう。
4トントラックの特徴
4トントラックは、小回りの利く2トントラックと、大容量の10トントラックの中間に位置する車両です。
この中型サイズであることが、4トントラックの最大の特徴といえるでしょう。
主な特徴
- 中型トラックに分類される
- 市街地での運転と長距離輸送の両方に対応
- 様々な業種で利用可能(運送業、建設業、引越業など)
- クレーンやリフトなどの追加装備が可能
一般的な4トントラックの寸法(全長、全幅、全高)
4トントラックの具体的なサイズは、メーカーや車種によって若干の違いがありますが、一般的な寸法は以下の通りです。
- 全長:約7.5m〜8.5m
- 全幅:約2.2m〜2.3m
- 全高:約3.0m〜3.2m
これらの数字は、道路交通法で定められた制限内に収まっています。
日本の一般的な道路事情に合わせて設計されているため、多くの道路で問題なく走行できるサイズとなっています。
4トントラックの最大積載量と車両総重量
4トントラックの名称は、その積載能力に由来しています。
しかし、実際の最大積載量は車両によって異なり、必ずしも4トンぴったりではありません。
- 最大積載量:約3.5トン〜4.5トン
- 車両総重量:7.5トン未満
ここで重要なのは「車両総重量」という概念です。
これは、車両自体の重量に最大積載量と乗員の重量を加えたものです。道路交通法では、中型トラックの車両総重量は7.5トン未満と定められています。
4トントラックは、この制限内で最大の積載量を実現できるよう設計されています。そのため、効率的な輸送が可能であり、多くの事業者に選ばれる理由となっています。
2.4トントラックに積める荷物量
それでは、具体的に4トントラックにはどれくらいの量を積むことができるのでしょうか。
4トントラックの荷台の内寸の平均は、「長さ約4.3m〜5.2m、幅約2.0m〜2.1m、高さ約2.0m〜2.2m」です。
この空間に、どれくらいの家財道具を積むことができるのでしょうか?引っ越しを例にみてみましょう。
一般的な2人〜4人家族家庭の場合(2DK〜3LDK程度)
- 大型家具(ソファ、ベッド、タンスなど):5〜7点
- 小型家具(椅子、テーブル、本棚など):10〜15点
- 家電製品(冷蔵庫、洗濯機、テレビなど):5〜7点
- 衣類や日用品の入った段ボール箱:50〜70箱程度
大型の家具や特殊な形状の荷物がある場合(ピアノなど)、高さのある荷物も積載可能ですが、重量制限があるため、特に重い荷物がある場合は注意が必要です。
3.4トントラックに関する法規制と必要な免許
4トントラックを運転する際には、一般の乗用車とは異なる法規制や免許が必要となります。これらの規則を理解し、遵守することは、安全運転と法令順守の観点から大切です。
ここでは、4トントラックに関する主な法規制と必要な免許について詳しく解説します。
4トントラック運転に必要な中型免許
4トントラックを運転するためには、中型免許が必要です。中型免許は以下の条件を満たす車両を運転できる免許です。
中型免許の取得条件は以下の通りです。
- 年齢:20歳以上
- 運転経験:普通免許取得後2年以上の運転経験
- 適性試験:視力、聴力、運動能力などの検査
- 学科試験:交通規則や車両の構造に関する知識
- 技能試験:実際の運転技能の確認
注意点として、平成19年6月以前に普通免許を取得した人は、自動的に8t限定中型免許(車両総重量8トン未満及び最大積載量5トン未満)を取得していることになります。
ただし「8t限定」なので、車両総重量8トン以上の車両を運転する場合は、別途中型免許の取得が必要です。
▼中型免許について詳しく知りたい方はこちら
道路交通法における4トントラックの規定
4トントラックは道路交通法上、中型車両として扱われます。
主な規定は以下の通りです。
速度制限
- 一般道:60km/h
- 高速道路:80km/h
車両制限令
- 全長:12m以下
- 全幅:2.5m以下
- 全高:3.8m以下
- 重量:20トン以下
点検整備義務
3ヶ月ごとの定期点検が義務付けられています。また、1年ごとの車検も必要です。
「過積載」の危険性と罰則と法令遵守の重要性
4トントラックの運用で特に注意が必要なのが、「過積載」の問題です。
過積載とは、車両の最大積載量を超えて荷物を積むことを指します。
過積載の危険性
- ブレーキの効きが悪くなり、事故のリスクが高まる
- 車両の操縦性が低下し、カーブや坂道での安全性が損なわれる
- タイヤや車軸への負担が増大し、車両の寿命が縮む
- 燃費が悪化し、経済的な損失につながる
過積載に対する罰則
ドライバーへの罰則
- 違反点数2点~違反点数6点
- 反則金3万円~免許停止・6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
荷主への罰則
- 1回目は「再発防止命令勧告」を受ける
- 再度運転者に対して過積載を命じた荷主は、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
運送事業者への罰則
- 車両停止処分10日×違反車両数~車両停止処分500日×違反車両数
法令遵守の重要性
過積載を防ぐためには、荷主、運送事業者、ドライバーが協力して適切な積載管理を行うことが重要です。
単に罰則を避けるだけでなく、安全運転と車両の維持管理の観点からも、法定積載量を守ることが求められます。
参考
国土交通省「過積載は、荷主にも罰則が適用されます!!」
「 過積載が発覚した場合の罰則・罰金|荷主の責任も解説」
4.4トントラックを活用するポイント
4トントラックは、その中型サイズゆえに様々な用途に対応できる汎用性の高い車両です。しかし、その特性を最大限に活かすためには、適切な運用テクニックが必要です。
ここでは、4トントラックのサイズを活かした効率的な運用方法について、具体的なテクニックを紹介します。
4トントラックの荷台寸法を最大限に活用するコツ4選
4トントラックの荷台を効率的に使うためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 三次元的な考え方
床面積だけでなく、高さも考慮して積載プランを立てる
軽い荷物を上に、重い荷物を下に配置し、重心を低く保つ - テトリスの要領で隙間を埋める
大きな荷物を先に配置し、小さな荷物で隙間を埋める
箱や容器の形状を考慮し、効率的に組み合わせる - 荷崩れ防止を意識した積載
荷物同士を密着させて隙間を作らない
不安定な形状の荷物は、他の荷物で固定する - 重量の分散を考慮
荷台の前後左右で重量バランスを取る
特に重い荷物は、車軸の真上に配置するのが理想的
アオリの種類と使い分け
アオリ(荷台の側面や後部の開閉式の扉)の種類によって、積載方法や作業効率が大きく変わります。
4トントラックで一般的なアオリの種類と、その特徴を理解しましょう。
- 観音開き
特徴:左右に大きく開く
メリット:広い開口部で大型荷物の積み下ろしが容易
使い分け:パレット積みの荷物や大型機器の運搬に適する - 跳ね上げ式
特徴:上方向に開く
メリット:狭いスペースでも開閉可能
使い分け:フォークリフトでの積み下ろしに便利 - 片開き
特徴:片側だけが開く
メリット:軽量で開閉が容易
使い分け:頻繁な積み下ろしが必要な配送業務に適する - 固定式
特徴:開閉できない固定された側面
メリット:強度が高く、大量の荷物を安定して運搬可能
使い分け:建設資材など、重量物の運搬に適する
それぞれのアオリの特性を理解し、運搬する荷物の種類や作業環境に応じて選択することが、効率的な運用につながります。
5.4トントラックの運転のポイント
4トントラックは、その大きさと重量から、乗用車とは異なる運転技術が求められます。
安全で効率的な運転を行うためには、車両の特性を理解し、適切な運転テクニックを身につけることが重要です。
ここでは、4トントラックを運転する際の主要なポイントについて解説します。
前後左右の確認を徹底
- サイドミラーとバックミラーを頻繁に確認
- 必要に応じて降車して目視確認
大きな車体を意識した運転
- 曲がる際は、内輪差に注意
- 狭い道では、対向車の有無を十分に確認
速度管理
- 狭い道路では徐行を心がける
- 急な飛び出しに備え、いつでも停止できる速度で走行
接触事故の防止
- 電柱や街路樹との接触に注意
- 路上駐車車両との距離を十分に確保
周囲への配慮
- エンジン音や振動に配慮し、住宅街では静かな運転を心がける
- 長時間の駐車や積み下ろし作業は避ける
6.4トントラックのサイズを考慮して安全運転を
4トントラックは、中型サイズの特徴を活かして様々な仕事に使える便利な車両です。
うまく使いこなすには、車の大きさや積める量をよく知り、法律を守り、荷物の積み方を工夫し、安全運転を心がけることが大切です。
2トンや10トントラックの間の大きさなので、街中での動きやすさと長距離輸送の効率の良さを両立できます。
4トントラックの運転は、ただ車を動かすだけでなく、社会の物流を支える大切な仕事です。
安全運転は自分と他の人の安全を守り、スムーズな物流に役立ちます。これらのことを意識して運転することで、4トントラックの良さを最大限に活かせるでしょう。