物流業界の重要な戦力として活躍する5トントラック。その選定や運用には、正確なサイズと寸法の理解が大切です。
この記事では、5トントラックの基本サイズから各種形態の特徴、必要な免許情報まで、実務で役立つ情報を解説します。
トラック選びに悩んでいる方の参考になれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。
- 5トントラックの正確な寸法スペックと各形態(平ボディ/ウィング等)の特徴
- 運転に必要な免許の条件と取得方法の具体的な内容
- 実務での運用に必要な駐車場寸法や法規制の注意点
1.5トントラックの基本サイズと特徴

物流の大動脈として活躍する5トントラック。その基本的なサイズと特徴を理解することは、効率的な運用の第一歩となります。
ここでは、5トントラックの基本的な寸法から積載に関する重要な情報までを詳しく解説します。
5トントラックの全長・全幅・全高のサイズ
5トントラックの標準的な寸法は、全長約6,800mm~7,200mm 、全幅2,230mm~2,490mm(法定最大2,500mm)、全高2,800mm~3,200mm(荷台形状による)となっています。
この寸法は道路運送車両法によって定められた基準に従っており、一般的な道路での安全な走行を考慮して設計されています。
特に全幅については、一般的な道路幅や駐車場、車庫入れなどを考慮して、取り回しがしやすい寸法に設定されています。
また、都市部での配送や住宅地での運用も考慮されており、比較的コンパクトな設計となっています。
【5トントラックのサイズ】最大積載量と車両総重量の基準
5トントラックの最大積載量は文字通り5,000kgで、これは中型トラックの中でも扱いやすい積載量として広く普及している規格です。
車両総重量は一般的に8,000kg~11,000kg未満に設定されており、この範囲内で効率的な輸送が可能です。空車重量(車両重量)は通常3,000kg~4,000kg程度で、これに最大積載量を加えた重量が車両総重量となります。
この重量設定により、一般的な道路や橋梁の重量制限にも対応でき、都市部から郊外まで幅広い地域での運用が可能となっています。
5トントラック荷台サイズと積載容量の詳細
5トントラックの荷台サイズは、一般的に長さ5,400mm~5,800mm、2,100mm~2,300mm、高さ2,200mm~2,400mm(アルミバンの場合)となっています。
荷台の寸法はトラックの種類によって変動します。実際のサイズをよく確認することをおすすめします。
これらの寸法は、効率的な積載と作業性を考慮して設計されており、様々な貨物の運搬に対応できる汎用性を持っています。
2.5トントラックの運転には中型免許が必要!

5トントラックの運転には中型免許が必要です。ここでは、中型免許の取得条件、関連する法規制について詳しく解説していきます。
中型免許の取得条件と注意点
中型免許の取得には、普通免許または準中型免許を取得してから2年以上の運転経験が必要です。
また、申請時の年齢が20歳以上であることも条件となります。教習所での受講期間は通常2~3ヶ月程度で、技能教習は最低23時間、学科教習は最低16時間が必要です。
特に注意すべき点として、視力(片眼0.5以上、両眼で0.8以上)や深視力などの身体条件も定められており、これらの基準を満たす必要があります。
道路交通法における車両区分
道路交通法では、5トントラックは中型自動車に分類されます。
この区分は、車両総重量が11,000kg未満、最大積載量が6,500kg未満の自動車と定義されています。この区分に基づき、道路における速度制限や駐車規制、交通規制などが適用されます。
特に市街地での走行時は、大型車両としての規制を受けることがあり、通行可能な道路や時間帯に制限が設けられる場合もあります。
旧普通免許所持者の運転可否
平成19年6月1日以前に普通免許を取得した方(旧普通免許所持者)は、5トントラック(8トン限定)の運転が可能です。
ただし、これは車両総重量8トン未満の車両に限定されます。また、この特例は免許の更新時にも継続されますが、一度失効してしまうと適用されなくなる点に注意が必要です。
さらに、事業用として使用する場合は、別途事業用自動車に関する資格が必要となる場合があります。
免許取得にかかる期間と費用
中型免許の取得には、所持している免許の種類によって取得期間や費用に差があります。以下に表で紹介します。
所持免許 | 期間 | 費用 | 教習内容 |
---|---|---|---|
普通免許MT | 4〜8週間 | 約17〜24万円 | 学科1時限、技能15時限 |
普通免許AT限定 | 4〜8週間 | 約21〜27万円 | 学科1時限、技能19時限 |
8トン限定中型免許MT | 最短4〜5日 | 約10万円 | 学科なし、技能5時限 |
8トン限定中型免許AT限定 | 最短4〜5日 | 約11〜14万円 | 学科なし、技能9時限 |
5トン限定準中型免許MT | 3〜8週間 | 約14〜20万円 | 学科1時限、技能11時限 |
5トン限定準中型免許AT限定 | 3〜8週間 | 約17〜24万円 | 学科1時限、技能15時限 |
準中型免許所持 | 1〜3週間 | 約12〜18万円 | 学科なし、技能9時限 |
各免許種別に応じて教習期間、費用、必要な教習時限が異なります。AT限定の場合は一般的に費用が高く、技能教習の時限数も多くなる傾向があります。
また、一部の運送会社では、従業員の免許取得支援制度を設けており、費用の補助や教習期間中の給与保証などを行っています。
参考:中型免許の費用はどれくらい?取得条件や時限数と一緒に知っておこう
年齢制限と健康条件の詳細
中型免許の取得には20歳以上という年齢制限があります。また、定期的な適性検査も必要で、視力や深視力、聴力などの基準を満たす必要があります。
特に視力については、片眼0.3以上、両眼で0.7以上という基準が設けられています。また、深視力検査では、視覚による奥行きの距離感を測定する検査を実施します。
測定器から2.5m離れた位置で3回の試行を行い、その平均誤差が2cm未満であることが必要です。
聴覚の基準として、10mの距離から90デシベルの警告音が認識できることが必要です。
ただし、この基準を満たさない場合でも、補助ミラーの装着と聴覚障害者マークの表示を条件として、一般的な運転免許の取得は可能です。対象となる免許は準中型、普通、およびそれらの仮免許となります。
これらの健康条件は、安全運転を確保するための重要な要素として位置づけられており、定期的な健康診断での確認が必要です。
3.5トントラックの主な用途と活用シーン

5トントラックは、その汎用性の高さから様々な業種で活用されています。ここでは、実際の現場でどのように活用されているのか、その具体的な用途と活用シーンについて解説していきます。
5トントラックの業種別活用事例と特徴
5トントラックは、建設業では建材運搬やクレーン作業に、物流業では中距離輸送や冷凍・冷蔵配送に活用されています。
また、引越業ではアルミバンやウィング車が重宝され、製造業では工場の物流を支える重要な車両として、幅広い産業で活躍しています。
業界 | 主な用途 | 特徴・車種 |
---|---|---|
建設業 | 建材・機材の運搬 | クレーン付き5トントラックが現場での荷役作業を効率化 |
物流業 | 中距離輸送・地域配送 | 冷凍・冷蔵車が食品流通に不可欠 |
引越業 | 一般家庭の引越・事務所移転 | アルミバン・ウィング車の需要が高い |
製造業 | 原材料の搬入・製品の出荷 | 工場の物流を支える重要な役割 |
5トントラックの都市部運用メリット
都市部での運用において、5トントラックは4トン車より積載量が多く、大型車より機動性が高いという最適なサイズといえるでしょう。
狭い道路や住宅地でも比較的スムーズな運行が可能で、一般的な商業施設の駐車場にも入庫できるサイズは、都市部での配送業務に大きな戦力となっています。
また、環境規制の厳しい都市部においても、最新の排出ガス規制に対応したモデルが揃っており、持続可能な運用が可能となっています。
4.5トントラックのサイズを活かした様々な形態
5トントラックには様々な架装形態があり、それぞれが異なる用途や業種のニーズに対応しています。ここでは、主要な形態とその特徴について詳しく解説していきます。
【5トントラック】平ボディ

平ボディは最もシンプルな構造を持つ荷台形態で、建材や機械、パレット積み貨物など、多様な荷物の運搬に対応できます。
荷台の寸法は一般的に長さ6,200mm、幅2,300mm程度で、三方開閉式のあおりを備えています。
クレーンとの組み合わせも容易で、建設現場や工場での使用に適しています。また、荷台の平面性を活かして、長尺物や重量物の積載にも対応できる汎用性の高さが特徴です。
【5トントラック】ウィング車

ウィング車は、両側面が開閉可能なウイング扉を備えており、荷物の積み降ろしが容易な構造となっています。
内寸は一般的に長さ6,100mm、幅2,250mm、高さ2,300mm程度で、パレット積みやロールボックスパレットの運搬に適しています。
軽量なアルミ素材を使用することで、積載効率を高めながら、防雨・防塵性能も確保できる実用的な形態となっています。
【5トントラック】アルミバン

アルミバンは、完全な箱型の荷台を持ち、高い防水性と保安性を特徴としています。
内寸は通常、長さ6,000mm、幅2,200mm、高さ2,300mm程度で、精密機器や家電製品など、環境保護が必要な貨物の輸送に適しています。
また、引越業界でも重宝されており、家具や事務機器の運搬に広く使用されています。
【5トントラック】冷凍・冷蔵車

冷凍・冷蔵車は、荷台内部を一定温度に保つことができる設備を備えています。
内寸は一般的に長さ5,800mm、幅2,150mm、高さ2,200mm程度で、食品や医薬品など、温度管理が必要な貨物の輸送に使用されます。
最新の断熱材と冷凍機を組み合わせることで、マイナス30度から常温までの幅広い温度帯に対応できます。
5.5トントラック駐車場のサイズに関する注意点
5トントラックの駐車や保管には、十分なスペースの確保が必要です。
車庫は車両の全長に余裕を持たせて最低10,000mm、全幅に対して3,000mm以上のスペースが推奨されます。
また、天井高は車両の全高に加えて500mm以上の余裕が必要です。さらに、回転半径を考慮した進入路の確保も重要で、直角駐車の場合は最低6,000mm以上の道路幅が必要となります。
また、車庫法の規定に基づいた適切な保管場所の確保は、事業用自動車として運用する際の必須要件となっています。
6.5トントラックのサイズを理解して最大限に活用しよう
5トントラックの選定では、業務内容に合わせた適切な形態の選択が重要です。
サイズや寸法を十分に理解し、必要な資格要件も確認した上で、実務での運用シーンを具体的にイメージすることが成功の鍵となります。
この記事の情報を参考に、効率的で安全な運用計画を立てていただければ幸いです。