定年後の新しいキャリアとして、ドライバーの仕事が注目を集めています。
実はドライバーの仕事は、定年後でも働きやすい職種として知られており、特に人手不足が深刻な業界だからこそ、経験豊富なシニア世代が歓迎されているのです。
この記事では、定年後の仕事にドライバーを選択するメリットや、具体的な職種、求人の探し方まで詳しく解説していきます。
- 定年後にドライバーとして働くメリット
- 7つのドライバー職種とそれぞれの特徴
- ドライバー職の求人の探し方から採用時に重視されるポイント
1.定年後の仕事にドライバーを選択するメリット

定年後の仕事として、ドライバーには多くのメリットがあります。年齢を問わず活躍できる職場環境から、健康維持まで、さまざまな面でシニア世代に適した特徴を解説します。
ドライバー業界は未経験でも働きやすい
ドライバー業界では、定年後からのキャリアチェンジを歓迎する企業が多く存在します。
全国各地の施設でドライバーの需要があり、年齢制限を設けていない企業が多いことから、定年後でも採用されやすい環境が整っています。
たとえば、多くの企業では70歳を超えても活躍できる職場環境を用意しており、高齢の従業員が新人として入社することも珍しくありません。
特に送迎ドライバーなどの分野では、丁寧な研修制度を設けている企業も多く、運転が好きな方であれば、これまでの運転経験を活かしながら、安心してスタートできます。
体を動かして健康的に働ける
ドライバーの仕事は、適度な運動と脳の活性化が期待できる、健康的な職種です。運転という行為自体が、適度な集中力と判断力を必要とするため、認知機能の維持向上に効果的です。
また、車両の点検や乗客の乗降補助など、日常的に体を動かす機会があることで、運動不足の解消にもつながります。
定期的な健康診断や運転適性診断を受けることで、自身の健康状態を把握しながら働けることも、シニア世代にとって大きなメリットです。
さらに、決まった時間に仕事があることで生活リズムが整いやすく、これも健康維持に貢献します。
経験を活かして安定収入が得られる
長年の運転経験や社会経験は、ドライバーの仕事で大きな強みとなります。特に安全運転の意識や接客経験は、高く評価されるポイントです。
収入面では、職種や勤務形態によって異なりますが、多くの場合、安定した収入を期待できます。
さらに、シニア世代の働き方に合わせて、フルタイムやパートタイム、短時間勤務など、柔軟な勤務形態を選択できる企業も増えています。
これにより、体力や生活スタイルに合わせた働き方を選択しながら、安定した収入を得ることが可能です。
2.定年後に選べる|7つのドライバー職種

定年後のドライバー職には、体力や希望する働き方に合わせて選択できる様々な職種があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った仕事を見つけていきましょう。
送迎ドライバー:短時間勤務で無理なく働ける
送迎ドライバーは、医療施設や福祉施設、学校などで送迎サービスを提供する仕事です。決まった時間と決まったルートでの運転が主な業務となるため、体力的な負担が少なく、無理なく続けられます。
多くの場合、普通自動車免許があれば働き始めることができ、朝と夕方の送迎時間帯のみの短時間勤務も可能です。
また、送迎業務以外の時間を自由に使えるため、プライベートとの両立もしやすく、定年後の生活スタイルに合わせやすい仕事といえます。
介護送迎ドライバー:人との関わりを大切にできる
介護送迎ドライバーは、デイサービスや介護施設を利用する高齢者の送迎を担当します。運転技術に加えて、高齢者への理解と思いやりの心が求められる職種です。
利用者との日常的なコミュニケーションを通じて、人との関わりを大切にしながら働けます。また、介護職員との連携も重要な役割となり、チームワークを活かした働き方が可能です。
同世代の方々と関わることで、自身の経験や価値観を活かせる場面も多く、やりがいを感じられるでしょう。
スクールバスドライバー:子供たちと明るく過ごせる
スクールバスドライバーは、幼稚園や学校の児童・生徒の送迎を担当する仕事です。子供たちの安全を守りながら、明るい雰囲気の中で働けるのが特徴です。
通常、朝の登校時と下校時の決まった時間帯での勤務となるため、生活リズムが整いやすく、空いている時間を自分の趣味や家族との時間に使えます。
また、子供たちとの日々の関わりを通じて、活力をもらえる仕事でもあります。長年の運転経験を活かしながら、次世代の育成に関われる喜びがある職種です。
タクシードライバー:収入を自分でコントロール
タクシードライバーは、お客様を目的地まで安全に送迎する仕事です。接客力と運転技術が求められますが、働く時間を比較的自由に選べる特徴があります。
多くの場合、歩合制での給与体系となっているため、自身の努力次第で収入を増やせます。

厚生労働省の統計によると、タクシードライバーの平均年齢は60.7歳と比較的高く、定年後の方も多く活躍している職種です。
また、二種免許の取得支援制度を設けている会社も多いため、未経験からのスタートも可能です。
参考
統計からみるハイヤー・タクシー運転者の仕事|厚生労働省
タクシー運転手|厚生労働省
企業送迎ドライバー:安定した勤務形態
企業送迎ドライバーは、会社員の通勤や、企業間の移動サービスを提供する仕事です。定期的なルートと時間帯での運行が主となるため、安定した勤務スケジュールを組みやすいのが特徴です。
多くの場合、固定給での雇用となり、安定した収入が期待できます。また、定期的に同じ利用者を送迎することで、なじみの関係を築きやすく、コミュニケーションも取りやすい環境です。
企業との長期的な契約に基づく仕事のため、継続的な雇用を見込めるのも大きな魅力となっています。
観光バスドライバー:豊富な経験を活かせる
観光バスドライバーは、観光客や団体客の送迎を担当する仕事です。長距離の運転技術と、観光案内などの幅広い知識が求められますが、これまでの人生で培った経験を存分に活かせる職種です。
旅行者との交流や、様々な観光地を訪れる機会があり、充実した仕事生活を送れます。大型免許は必要ですが、豊富な運転経験を持つシニア世代は特に歓迎されています。
また、団体旅行の添乗員や観光ガイドと協力しながら、お客様に思い出に残る旅を提供できるやりがいのある仕事です。
軽貨物ドライバー:体力に合わせて働ける
軽貨物ドライバーは、軽自動車を使用して小規模な配送業務をする仕事です。大型トラックと比べて、車両の運転や荷物の取り扱いが比較的容易なため、体力的な負担が少なくて済みます。
また、個人事業主として働くことも可能で、自分のペースで仕事量を調整できる柔軟性があります。普通自動車免許があれば始められ、初期投資も比較的少なく済むのが特徴です。
配送エリアも自身で選択できることが多く、無理のない範囲で働き続けられる職種として人気があります。
参考:宅配便配達員|厚生労働省
3.定年後のドライバー求人の探し方

定年後のドライバー職を探す際には、複数の方法を組み合わせることで、より良い職場に出会える可能性が高まります。ここでは、効果的な求人探しの方法をご紹介します。
ドライバー専門求人サイトを活用する
ドライバー専門の求人サイトや一般的な求人サイトには、豊富なドライバー求人が掲載されています。これらのサイトでは、勤務地や働く時間、必要な免許など、細かな条件で絞り込み検索が可能です。

特に「シニア歓迎」や「60歳以上活躍中」といった条件を指定することで、定年後の採用に積極的な企業を見つけやすくなりますよ。
また、多くの求人サイトでは、給与や勤務時間などの条件が明確に示されているため、自分の希望する条件との比較が容易にできます。
さらに、企業の評判や口コミ情報も確認できることが多く、実際の職場環境を知る手がかりとなります。
ハローワークで相談する
ハローワークは、シニア世代の就職支援に力を入れており、専門の相談員に相談しながら求人を探せます。相談員は地域の求人情報に精通しており、あなたの経験や希望に合った求人を提案してくれます。
また、履歴書の書き方や面接対策などのアドバイスも受けられ、より良い就職活動を進められます。

「生涯現役支援窓口」では、高齢者向けの求人情報が充実しており、きめ細かな就職支援を受けることが可能です。
職業訓練や資格取得支援などの情報も得られるため、未経験からドライバーを目指す方にとって心強い味方となります。
シルバー人材センターに登録する
シルバー人材センターは、高齢者の就業機会の確保を目的とした組織で、ドライバーの仕事も多く扱っています。特に、短時間勤務や週数日程度の勤務など、柔軟な働き方に対応した求人が豊富です。
また、会員登録することで、定期的に新しい求人情報が届くため、自分のペースで仕事を探せます。地域密着型の組織であるため、地元企業との信頼関係も強く、安心して仕事を始められる環境が整っています。
さらに、同じ世代の方々との交流も生まれ、情報交換や経験談を共有できる機会も多くあります。
4.定年後のドライバー採用で重視されるポイント

ドライバーとして採用されるためには、年齢に関係なく重視される要素があります。これらのポイントを押さえることで、採用の可能性が高まり、より良い職場環境で働くチャンスが広がります。
体力・健康状態の自己管理
ドライバーの仕事では、安全運転のために適切な体力と健康状態を維持することが不可欠です。企業側も採用時には、長時間の運転や緊急時の対応ができる体力があるかどうかを重視します。
そのため、定期的な運動や健康診断の受診、十分な睡眠の確保など、日頃からの健康管理が重要になります。特に、持病がある場合は、主治医に相談の上で就業可能な条件を確認し、面接時に正直に伝えることが大切です。
また、運転に影響を与える可能性のある服薬についても、事前に医師に相談し、適切に管理することが求められます。このような自己管理能力の高さは、採用時の大きなアピールポイントとなります。
安全運転の意識と実績
長年の運転経験は、定年後のドライバー職において大きな強みとなります。特に、無事故・無違反の実績は、安全運転への高い意識の表れとして高く評価されます。
採用面接では、これまでの運転歴や安全に対する考え方、具体的な安全確認の方法などが質問されることが多くあります。
また、道路交通法の理解や、天候変化への対応力、緊急時の判断力なども重要な評価ポイントとなります。
さらに、デジタルタコグラフやドライブレコーダーなどの運行管理機器への理解や、新しい安全技術への適応能力も、近年では重視される傾向にあります。
コミュニケーション能力の高さ
ドライバーの仕事は、単なる運転技術だけでなく、乗客や同僚との円滑なコミュニケーションが求められます。特に送迎ドライバーや観光バスドライバーでは、お客様との適切な会話や気配りが必要不可欠です。
面接時には、これまでの職務経験でのコミュニケーション事例や、対人関係での工夫などを具体的に説明できることが重要です。
また、無線やスマートフォンを使用した配車センターとの連絡、他のドライバーとの情報共有など、様々な場面でのコミュニケーション能力が試されます。
豊富な社会経験を持つシニア世代は、この面での評価が特に高くなる傾向があります。
5.よくある質問と回答

定年後のドライバー職について、多くの方が気になる疑問や不安を解消するため、よくある質問とその回答をまとめました。これらの情報は、より良い職場選びの参考になるはずです。
Q:何歳まで働けますか?
ドライバーの仕事における年齢制限は、企業によって方針が異なります。多くの企業では、健康状態と運転技能が維持できていれば、70歳を超えても働くことが可能です。
特に送迎ドライバーや企業送迎ドライバーでは、70代の方が活躍している例も珍しくありません。ただし、企業によっては独自の定年制度を設けている場合もあるため、応募前に必ず確認しておきましょう。
また、働き方も年齢に応じて柔軟に調整できる企業が増えており、フルタイムからパートタイム、短時間勤務まで、体力や生活スタイルに合わせた選択が可能です。
定期的な適性検査や健康診断を通じて、安全に働ける状態を確認しながら継続して仕事ができます。
Q:収入はどのくらい期待できますか?
主なドライバーの全国平均年収
- 送迎ドライバー…453.2万円
- タクシードライバー…419万円
- 観光バスドライバー…453.2万円
- 軽貨物ドライバー…393.6万円
収入は職種や勤務形態、勤務時間によって大きく異なります。タクシードライバーは歩合制が多く、自身の努力により収入を増やせます。
一方、送迎ドライバーや企業送迎ドライバーは固定給制を採用している企業が多く、安定した収入を得られます。
また、深夜勤務や休日出勤の場合は割増賃金が付くほか、各種手当が充実している企業も多いため、基本給以外の収入も期待できます。
具体的な給与額は、求人情報や企業の採用担当者に確認するのがおすすめです。
必要な資格は何ですか?
必要な資格は従事する職種によって異なります。
ドライバーの仕事に必要な主な免許
- 普通自動車免許
- 普通自動車第二種免許
- 準中型自動車免許
- 中型自動車免許
- 大型自動車免許
- 大型自動車第二種免許
送迎ドライバーや企業送迎ドライバーの多くは、普通自動車免許があれば働き始めることが可能です。タクシードライバーは第二種運転免許が必要ですが、多くの企業で取得支援制度を設けています。
観光バスドライバーは大型自動車第二種免許が必要となります。
また、いずれの職種でも、運行前点検や安全運転などの基本的な知識を学ぶ講習の受講が必要となることがあります。
これらの資格取得にかかる費用を会社が負担したり、資格手当を支給したりする制度を持つ企業も増えています。未経験者でも、意欲があれば段階的にスキルアップできる環境が整っています。
6.定年後はドライバーの仕事で活躍しよう
定年後のドライバー職は、豊富な経験を活かせる魅力的な選択肢です。未経験でも始められる職種が多く、体力や生活スタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
送迎やタクシー、観光バスなど、様々な職種から自分に合った仕事を選べます。充実した研修制度や資格取得支援もあり、シニア世代の就職を積極的に支援する企業が増えています。
ぜひ、新しいキャリアにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?