バス運転手で年収1000万円は可能？収入アップのコツなどを紹介

バス運転手で年収1000万円は難しいと思われがちですが、戦略次第で高収入も夢ではありません。大手企業での管理職ポジション獲得、好条件の企業選び、効率的な勤務シフト確保など、収入アップのコツを知り実践することで、充実したキャリアと高収入の両立が可能です。

バス業界の将来性を見据えながら、自分に合ったキャリアパスを描きましょう。

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1．バス運転手で年収1000万円は可能？

バス運転手で年収1000万円を目指すのは難しいというのが事実です。しかし、バス運転手から大手企業での管理職ポジションを獲得することで高収入を目指せます。

また、下記のような方法でも年収アップを目指すことが出来ます。

• 運行管理者や営業所長などの管理職
• 給与水準の高い都市部や高速バス
• 効率的な勤務シフトの確保
• 安全運転でのインセンティブ獲得
• 質の高いサービス提供による評価向上

日々の工夫と努力を重ねることで、平均以上の年収に上がることは夢ではないのです。

2．バス運転手の平均年収は？

バス運転手の収入事情を正確に把握することが、高収入を目指す第一歩です。平均年収から年代別の収入傾向まで、実態を詳しく見ていきましょう。

バス運転手の平均年収

バス運転手の平均年収は約399万円であり、全職種の平均給与の約460万円と比べてやや低い水準にあります。ただし、これはあくまで平均値であり、個人の収入は勤務先企業の規模や地域、経験年数やスキルなどによって大きく左右されます。

タクシー運転手	バス運転手	全業種の平均年収
約361万円 （年間賞与約8万円）	約399万円 （年間賞与約47万円）	約460万円

しかし、タクシー運転手の平均年収や年間賞与と比べると、バス運転手は平均年収約40万円ほどの差があり、年間賞与は約47万円とタクシー運転手を大きく上回ります。

特にバス運転手は全業種平均との差が小さく、タクシーよりも安定した収入が期待できる職種と言えるでしょう。

参考：国税庁｜令和５年分　民間給与実態統計調査

年収を左右する主な要因

バス運転手の年収を左右する主な要因としては、以下の点が挙げられます。

勤務先の規模では、大手企業ほど高い給与水準の傾向があります。運行エリアも重要で、都市部や高速バス・空港バスなどの路線は収益性が高くなります。

また、キャリアの進展とともに年収も上昇し、長年の経験を積み重ねることで評価が高まります。特に管理職へのステップアップは、収入を飛躍的に向上させる効果的な方法です。

年代別の平均年収

バス運転手の年収は、年代によっても大きく異なります。バス運転手の年代別平均年収は下記のとおりです。

年代別	平均年収
～19歳	241万5,100円
20～24歳	345万4,200円
25～29歳	358万2,300円
30～34歳	381万600円
35～39歳	395万6,100円
40～44歳	431万3,800円
45～49歳	440万2,100円
50～54歳	442万1,400円
55～59歳	414万7,600円
60～64歳	338万2,100円
65～69歳	291万3,800円
70歳～	273万7,600円

バス運転手の年収傾向としては、年齢とともに上昇し、50代前半でピークを迎え、その後徐々に下降していることがわかります。

20代から30代にかけて徐々に上昇し、40代で大きく伸び、50～54歳で約442万円とピークに達した後、55歳以降は下降に転じています。

特に60歳以降は大幅に減少し、70歳以上では273万円台まで下がっています。

参考：ディップ株式会社 バイトルマガジン｜バス運転手の年収は高い？路線バスや観光バスなどの給料の傾向と稼ぐコツをご紹介

3． バス運転手から管理職を目指す

バス運転手として高収入を得るなら、管理職ポジションの獲得が最も確実な道です。運行管理者や営業所長といったポストで、責任ある立場とともに高い報酬を手にしましょう。

管理職の種類と役割

バス会社における主な管理職には、運行管理者・営業所長・安全運転管理者などがあります。ここでは、この3つのキャリアについて解説します。

運行管理者

運行管理者はバス会社において安全運行の要となる重要な管理職です。

国家資格の取得が必要なことや、高いリーダーシップとマネジメント能力、専門知識が求められる一方、年収は一般運転手より大幅に高く、中小企業の場合300万円〜400万円程度、大手企業の場合600万円〜800万円程度の収入になることもあります。

▼バスの運行管理者について詳しく

下記の記事では、バスの運行管理者の仕事内容、必要資格、給与、キャリアパスまで解説しています。ぜひ参考にしてください。

営業所長

バス会社の営業所長は営業所全体の運営を統括する重要な管理職です。

バス運転手としての豊富な実務経験を基盤に、高いリーダーシップやマネジメント能力、業務知識が求められます。年収は一般のバス運転手と比較して大幅に高く、会社の中核を担う重要なポジションです。

安全運転管理者

安全運転管理者は、バス会社において事故防止対策の立案・実施や運転手への安全教育を担当する専門職です。日常的な安全指導はもちろん、定期的な研修の実施、事故分析、安全運転のための体制構築などを行います。

バス運転手としての経験と高い専門知識が求められ、会社の安全文化の醸成に大きく貢献します。運行の安全性を高めることで会社の信頼向上にも寄与する重要な役割であり、管理職としての処遇も期待できるポジションです。

参考：株式会社キャリカレ 資格のキャリカレ｜運行管理者の給料はどのくらい？仕事内容や資格取得のメリットを解説

昇進試験の内容と対策

バス会社の管理職への昇進には、社内試験に合格する必要があり、試験の内容は企業によって異なります。

多くのバス会社では、運転手としての経験を積んだ後、筆記試験と面接試験を通じて管理職への昇進を目指せます。筆記試験では道路交通法や運行管理規程など専門知識が問われ、面接試験ではリーダーシップやマネジメント能力が評価されます。

一部企業では適性検査も実施されます。管理職には運行管理者や営業所長などのポジションがあり、合格すれば年収が大幅に向上します。日頃からの業務への真摯な姿勢と専門知識の習得が、試験突破の鍵となります。

4．年収1000万円を目指す｜給与水準の高いのバス運転手に

全てのバス会社の給与水準が同じというわけではありません。収入アップを目指すなら、待遇の良い企業への転職も有効な戦略です。自分の経験とスキルを活かせる企業を見極めましょう。

給与水準が高いバスの種類

一般的に、以下のような路線・地域では、バス運転手の給与水準が比較的高くなっています。

路線バス

東京、大阪、名古屋などの大都市圏では、利用客数が多く運行本数も多いため、運転手の需要が高まっています。これに伴い、基本給も地方と比べて高く設定される傾向があります。

また、乗客数の多さは会社の収益性向上にもつながり、給与水準の高さに反映されます。都市部では人材確保のための競争も激しく、優遇された待遇を提供する企業も少なくありません。

高速バス

長距離路線の運行による身体的負担や高度な運転技術が求められるため、その対価として高い基本給が設定されることが多いです。また、夜行便などの深夜勤務や長時間勤務に対しては、深夜手当や時間外手当などの各種手当が充実しており、収入アップにつながります。

さらに、高速道路での安全運転や乗客サービスの質が重視されるため、経験豊富なドライバーほど評価され、収入も向上する傾向にあります。

観光バス

観光バスの運転手は、シーズンによる繁閑の差が大きい一方で、繁忙期には高収入が期待できます。団体旅行客を対象とした観光バスは、長距離運転や宿泊を伴う業務が多く、それに応じた出張手当や宿泊手当などの各種手当が充実しています。

また、お客様との接点が多いため、接客スキルが高く評価され、それが給与に反映されることも少なくありません。ただし、オフシーズンは仕事量が減少するため、年間を通した収入の安定性については、路線バスや高速バスと比べると変動が大きい傾向にあります。

▼バス運転手はきつい？詳しく解説

下記の記事では、観光バス運転手の仕事内容や向いている人の特徴、未経験からの転職方法までを詳しく解説しています。参考にしてください。

将来性の高い求人の選び方

将来の高年収を目指すなら、将来性の高い運転手求人を選ぶことが重要です。求人を選ぶ際は、以下のようなポイントに注目しましょう。

求人票だけでなく、会社説明会や面接の場でも、これらの点について積極的に質問してみると良いでしょう。将来のキャリアビジョンを描き、それを実現できる環境かどうかを慎重に見極めることが大切です。

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▼バス会社の年収ランキングを知りたい方は

下記の記事では、バス運転手の年収や転職、種類別の違い、地域格差、仕事内容から年収アップ法、職場環境、適性まで業界の実情を解説しています。ぜひ参考にしてください。

5．バス運転手の収入アップ術

バス運転手の仕事は、日々の業務の中での工夫次第で収入を大きく左右できます。効率的な働き方や会社からの評価を高める方法を身につけ、着実に収入アップを目指しましょう。

効率的なダイヤやシフトの確保

バス運転手の収入を左右する最大の要因は運転時間です。限られた勤務時間内で効率的に業務をこなすことが、収入アップの鍵となります。

早朝や深夜は乗客が少なくスムーズに運行できる一方、ラッシュ時は渋滞による遅延リスクが高まります。自分の適性に合ったシフトを見極め、積極的に確保することが大切です。

また、休日出勤や残業への対応も収入増加につながりますが、健康管理とのバランスを忘れず、適度な休息を取りながらメリハリのある働き方を心がけましょう。

安全運転でインセンティブを得る

多くのバス会社では安全運転を重視し、無事故・無違反のドライバーにインセンティブを支給しています。継続期間が長くなるほど支給額も増加するため、「今日も安全運転を続ければボーナスが得られる」という意識が自然と安全運転への動機付けになります。

日々の安全運転の積み重ねは、単に収入アップだけでなく、会社からの信頼獲得や腕の立つベテランドライバーとしての評価向上にもつながります。

これが更なるキャリアアップのチャンスを生み出し、長期的な収入増加へとつながっていくのです。

付加価値の高いサービス提供

バス運転手の仕事は単にハンドルを握るだけではありません。乗客満足度の高いサービス提供が会社からの評価を高め、昇給や昇格による収入アップにつながります。

笑顔での挨拶といった基本的な接客から、行き先案内や観光地の説明などワンランク上のサービス、さらには高齢者や障がい者へのバリアフリー対応など細やかな配慮も重要です。

こうした付加価値の高いサービスはリピーター獲得にもつながり、乗客からの感謝の言葉はやりがいを生み出します。

6．バス運転手のワークライフバランスの取り方

高収入を得ながらも、充実したプライベートを確保することは可能です。不規則な勤務形態の中でも、無理なくワークライフバランスを取る方法を考えてみましょう。

バス運転手の労働時間と勤務形態

バス運転手の労働時間は、運行ダイヤに合わせた変則的なシフト勤務となるのが一般的です。改正されたバスの改善基準告示では、1週間の場合の拘束時間は原則65時間以内、1日の休息時間は9時間を下回らないようにとされています。

ダイヤによっては長時間の待機が発生したり、深夜・早朝勤務が連続したりするケースもあるため、体力面での負担は小さくありません。

“しっかり稼ぐこと”と“適度に休むこと”のバランスを取ることが何より大切です。1か月単位の変形労働時間制など、柔軟な勤務形態の導入により、平均的な労働時間の適正化を図っているバス会社も増えています。

自身に合った働き方を見つけ、会社と相談しながら無理のないシフトを組むことが求められます。

参考：厚生労働省｜バス運転者の改善基準告示

休日の確保とオフの過ごし方

バス運転手の休日は必ずしも一般的な休日と一致せず、平日昼間に自由時間が取れるのが特徴です。この時間をどう過ごすかが重要で、しっかりと体を休めることはもちろん、自分なりのリフレッシュ法を見つけることが大切です。

平日の空いている時間を利用して家族や友人と過ごしたり、混雑のない時間帯でショッピングを楽しんだり、趣味に没頭したりと、メリハリのある時間の使い方が仕事へのモチベーション向上につながります。

年間最低105日の休日取得が義務付けられていますが、有給休暇も計画的に取得し、ワークライフバランスを実現しましょう。

7．バス運転手から高収入までの道

バス運転手で年収1000万円の実現は簡単ではありませんが、高収入を目指すことは可能です。

管理職への昇進、高収入が期待できる路線・企業の選択、効率的な勤務形態の確保、安全運転によるインセンティブ獲得、そして質の高いサービス提供による評価向上など、様々な戦略があります。

一方で、高収入を追求するだけでなく、休日の確保やプライベートの充実も大切です。バス業界の将来性を見据えながら、自分に合ったキャリアパスを描き、着実にステップアップしていくことで、充実したキャリアと高収入の両立を目指しましょう。

▼バス運転手の仕事は底辺なの…？

バス運転手は底辺職ではありません。下記の記事では、給与水準や労働環境、社会的価値、必要なスキルなど、バス運転手の実態と魅力を解説します。あわせて参考にしてください。