ダブル連結トラックの運転は、トラックドライバーの花形とも言える仕事ですが、高度な運転技術も求められます。
本記事では、必要な免許の取得方法から費用、メリット、現在の課題まで、ダブル連結トラックのドライバーを目指す方に役立つ情報を詳しく解説します。
- ダブル連結トラックに必要な免許の種類と取得条件
- 免許取得にかかる費用と期間、利用できる支援制度
- ダブル連結トラック運転手の収入や将来性
1.ダブル転結トラックとは?

ダブル連結トラックとは
牽引するトラックの後方に2つの貨物車両(フルトレーラー)を連結する特殊車両
通常のトラックより長い車体で、2019年の規制緩和により全長25mまで拡張されました。

現在、主要となる高速道路が対象路線となっており、今後も北海道、首都高速、阪神高速での通行区間や災害時の迂回路となる上信越道、北陸道、中国道なども拡充される予定です。
参考:国土交通省|道路:ダブル連結トラック/「ダブル連結トラック」の対象路線を拡充
2.ダブル連結トラックに必要な免許

ダブル連結トラックに必要な免許は、大型一種免許とけん引免許です。
さらに、下記の条件1もしくは条件2のどちらかを満たす必要があります。
条件1 | 条件2 |
---|---|
大型自動車運転業務に直近5年以上従事 | 大型自動車運転業務に直近3年以上従事 |
大型免許5年以上の保有 かつ牽引免許5年以上の保有 | 大型免許3年以上の保有 かつ牽引免許1年以上保有 |
最低2時間の訓練 | 最低12時間の実技訓練 かつ直近3年無事故・無違反 |
12時間の技能訓練の例
項目 | 時間 |
---|---|
【座学】構造、メカニズムの習得 | 1時間 |
安全な連結方法等について | 1時間 |
車両特性、車両感覚の習得 | 4時間 |
右左折時の車両挙動、軌跡等の把握 | 4時間 |
後退時の動き、軌跡、フロントオーバーハングの把握 | 1時間 |
被けん引車の荷重変動、ブレーキ体験 | 2時間 |
研修効果の確認 | 1時間 |
ダブル連結トラックの運転には高度な技能と豊富な経験が求められるため、これらの厳格な免許要件と訓練プログラムが設けられており、安全な運行を確保するための重要な制度となっています。
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ダブル連結トラックの運転に必要な大型免許について、より詳しい取得方法や費用を知りたい方は、こちらの記事で詳細な情報をご確認いただけます。
3.ダブル連結トラックの免許の取得方法と費用

ダブル連結トラックの運転には、大型免許とけん引免許の取得が前提となり、教習所などでの講習受講が必要です。ここでは費用や手続きの流れを詳しく解説します。
大型免許とけん引免許の取得条件
大型免許とけん引免許の取得に必要な条件は、下記のとおりです。
大型免許

けん引免許

運動能力について
運動能力の身体の障害とは、四肢や体幹に関することです。障害がある場合でも、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがないと認められた場合は除かれます。
適性試験の内容については、警視庁より詳細をご確認ください。
参考:警視庁|大型免許試験/茨城県警察|適性試験(視力・色彩識別能力・深視力・聴力・運動能力)
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けん引免許の種類や具体的な取得手順について、さらに詳しい情報が必要な方は、こちらの記事で解説をご覧いただけます。
必要な期間と費用の目安
ダブル連結トラックの運転には大型免許とけん引免許の両方が必要です。取得方法別の費用と期間の目安を確認し、効率的な免許取得計画を立てましょう。
大型免許
所持免許 | 費用 | 期間 |
---|---|---|
普通自動車免許(MT) | 通学:30万円台~35万円程度 合宿:30万円前後~ | 通学:20~40日間程度 合宿:最短13日間 |
中型免許(MT) | 通学:20~25万円程度 合宿:20万円前後~ | 通学:2週間程度 合宿:最短日数9日間 |
大型一種免許の一発試験は、教習所を経ずに運転免許試験場で直接受験する方法で、費用が約33,000円程度と安価です。
しかし、合格率は30%程度と低く、複数回の受験が必要な場合が多いため、教習所の通学か合宿が一般的な選択となります。
参考:株式会社インター・アート・コミッティーズ|合宿免許 くりっく|大型免許の取得は難しい?取得までの道のり・費用・平均日数を徹底解説!/警視庁|大型免許試験(直接試験場で受験される方)
けん引免許
所持免許 | 費用 | 期間 |
---|---|---|
普通免許または上位免許 | 通学:12〜16万円程度 合宿:10〜15万円程度 | 最短6日間 |
けん引免許は、技能教習の12時間のみで学科はありません。また、大型免許と同時取得も可能で、費用も別々に取得するよりも抑えることができます。
一発試験は約7,000円と安価ですが、合格率は約20%と低く、経験者でなければなかなか合格することが難しいのが現状です。教習所での十分な練習なしでは非常に困難な試験といえます。
参考:株式会社ケーディエス|一宮・高知県自動車学校|けん引免許~費用、取得日数や注意するべき点など【解説】/警視庁|けん引免許試験(直接試験場で受験される方)
給付金や免許支援制度の活用
教育訓練給付金制度
教育訓練給付金制度では、最大40%の費用補助を受けられる可能性があります。
給付金の種類と内容
特定一般教育訓練給付金
労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練
受講費用の40%(上限20万円)が支給
一般教育訓練給付金
その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練
受講費用の20%(上限10万円)が支給される制度
教育訓練給付金の利用条件
65歳未満であることが前提です。
在職中:雇用保険期間が通算3年以上
無職の方:離職翌日から受講開始日までが1年以内で、かつ前職の雇用保険期間が通算3年以上あること
まずは、管轄のハローワークで給付金対象者か確認します。また、厚生労働省が指定した教習所のみで利用できるので、申請前に必ず確認しましょう。
補助金の申請は、卒業検定合格後1ヶ月以内に、管轄のハローワークで支給申請書を提出します。
参考:厚生労働省|教育訓練給付制度/クラウドローン株式会社|大型免許の取得費用に補助金を使う方法|教育訓練給付制度の概要や受給までの流れ、企業向け補助金も解説
会社の免許支援制度を利用
多くのトラック会社は、独自の免許支援制度を設けています。新規入社者向けに大型免許取得費用を全額または一部負担し、中には研修期間中の生活支援手当を支給する企業も増えています。
ただし、一定期間の勤務契約が条件となるケースが多く、早期退職の場合は費用の返還義務が生じることもあります。これらの制度を活用するには事前の情報収集が重要です。
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4.ダブル連結トラックの免許取得のメリット

ダブル連結トラックの免許を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
大型免許取得のメリット
就職・転職の選択肢が大幅拡大
大型免許を取得することで、運送業界での就職機会が飛躍的に増加します。物流業界は慢性的な人手不足に悩んでおり、大型免許保有者への需要は非常に高い状況です。
一般企業の配送部門、運送会社、建設業界など幅広い業種で活躍でき、普通免許のみの場合と比較して給与水準も向上する傾向にあります。
高収入と安定した雇用の確保
大型トラック運転手の平均年収は、普通車両の運転手と比較して50万円以上高くなることも珍しくありません。
営業用貨物自動車運転手の給料
大型以外 | 大型 |
---|---|
約437万円 | 約492万円 |
特に長距離輸送や特殊車両の運転では、より高い報酬が期待できます。
また、物流は社会インフラとして不可欠な業界であるため、景気変動に比較的強く、安定した雇用が見込めるという大きなメリットがあります。
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大型トラック運転手の詳しい年収事情や給与体系について知りたい方は、こちらの記事で業界の給与水準や収入アップの方法を詳しく解説しています。
けん引免許取得のメリット
大型輸送による効率性と収益性
けん引車両は一度に大量の貨物を運搬できるため、輸送効率が格段に向上します。
通常のトラックでは複数回必要な輸送を一回で完了できるため、燃料費や人件費の削減効果も大きく、運送会社にとって非常に価値の高い技能です。
この効率性により、運転手の給与も高水準に設定されることが多く、経済的メリットが大きいのが特徴です。
港湾・物流拠点での優遇待遇
港湾地区やコンテナターミナル、大型物流センターでは、けん引免許保有者が優先的に採用される傾向があります。
また多くの物流企業では資格手当が支給され、昇進やチームリーダーへの抜擢機会も増加します。安定した雇用と専門性の高い業務により、長期的なキャリア形成にも有利です。
5.ダブル連結トラック導入における課題

ダブル連結トラック導入には運転技術習得、インフラ整備、法規制対応など多角的な課題があり、安全性と効率性を両立させる総合的なアプローチが求められています。
駐車場不足の問題
専用駐車マスの利用率はわずか1割程度に留まっており、一般の大型車両が専用マスを占拠してしまうため、ダブル連結トラック運転手は駐車場所を確保できずに困っている状況が深刻です。
運転手からは「どこに駐められるかがいつも不安」「トイレを我慢することもある」といった切実な声が上がっています。
東名高速道路での車線逸脱リスク
東名高速道路の非常駐車帯に25m車両が駐車した場合、約125cm車線に逸脱してしまう構造的な問題があります。
これは後続車両との追突事故リスクを高める要因となり、安全性確保の観点から重要な課題です。路肩幅員が2.5m未満の区間が全体の約1割程度存在することも問題を複雑化させています。
連行時の交通流への影響
ミクロシミュレーション検証により、21m超車両が2台連続して走行した場合、車間距離が短くなり急ブレーキ発生確率が増加する可能性が判明しました。
このため本格導入時には連行禁止を要件とする必要があり、運行計画の制約要因となっています。交通安全確保と運行効率のバランスが課題となっています。
インフラ整備の必要性
ダブル連結トラックやトラック隊列走行の実現には、4車線から6車線への拡幅が必要とされています。
現在の4車線区間では低速度の大型車と高速度の普通車の混在が多く、安全で効率的な運行に支障をきたしています。
大規模なインフラ投資が必要となるため、費用対効果や整備優先順位の検討が重要な課題となっています。
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課題はあるものの、専門技能を持つドライバーには高収入の可能性があります。トラック運転手の高収入実現について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
6.ダブル連結トラック免許取得で切り拓く運転手の未来
ダブル連結トラック運転手への道のりは、大型免許とけん引免許の取得から始まり、厳格な訓練を経て実現します。
高収入と安定雇用というメリットがある反面、駐車場不足やインフラ整備といった課題も存在します。しかし物流業界の人手不足が深刻化する中、専門技能を持つドライバーの需要は今後も高まり続けるでしょう。
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