ドライバー派遣で働く際、「特別な許可が必要なのか」と不安に思う方も多いでしょう。結論から言えば、労働者本人に特別な許可は不要です。
本記事では、ドライバー派遣に必要な免許や資格、安全な派遣会社の見分け方、白トラ行為の注意点まで詳しく解説します。
- ドライバー本人に許可は不要だが派遣会社には許可が必須である理由
- 車種別に必要な運転免許と派遣会社の許可番号の確認方法
- 白トラ行為を避けて安全な派遣会社を選ぶチェックポイント
1.【結論】ドライバー本人に特別な許可は不要

ドライバーとして派遣で働く際、特別な許可や資格は必要ありません。派遣会社が必要な許可を取得していれば、運転免許さえあれば誰でも派遣ドライバーとして働けます。
派遣で働くこと自体に許可は不要
派遣でドライバーとして働く場合、労働者本人に特別な許可は必要ありません。必要なのは運転免許証などドライバー業務に必要な資格だけです。
派遣事業の許可が必要なのは派遣会社であり、労働者は普通に雇用契約を結ぶだけで働けます。派遣は法律で認められた正式な雇用形態なので、個人が「派遣で働く許可」を取る必要はないのです。
ただし派遣会社には「許可」が必須
ドライバー派遣を行う会社には、厚生労働大臣による「労働者派遣事業許可」が必須です。この許可を得るには、資産要件や事業所の設備基準などの条件をクリアする必要があります。
または
100万円以下の罰金
労働者派遣の受入れ禁止
無許可で派遣事業を行うと、労働者派遣法違反の対象となります。派遣事業を適正に運営するためには、必ず厚生労働大臣の許可を取得し、法令を遵守することが不可欠です。
無許可での事業運営は重大な法律違反となり、罰則の対象となるため、事業者・派遣先企業ともに十分な注意が必要です。
参考:G-GOV法令検索|労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律/厚生労働省|派遣先の皆様へ
2.派遣ドライバーに必要な運転免許

派遣ドライバーとして働くには、運転する車両に応じた免許が必要です。普通免許から大型免許まで、配送業務や送迎業務など、仕事内容によって求められる資格が異なります。
車種別:必要な免許一覧
派遣ドライバーとして働くには、業務内容に応じた運転免許が必要です。普通自動車の配送なら普通免許、トラックやバスの運転には大型免許や中型免許、二種免許が求められます。
さらに、物流倉庫での作業を伴う場合、フォークリフト運転技能講習修了証や玉掛け技能講習修了証などの資格が必要になることもあります。
これらは派遣であるかに関係なく、業務遂行に必須の資格です。
免許取得時期による違いに注意
最大積載量: 5t未満
乗車定員: 10人以下
最大積載量: 5t以上
乗車定員: 11人以上
(上記条件を全て満たす車両のみ運転可能)
最大積載量: 3t未満
乗車定員: 10人以下
最大積載量: 3t以上6.5t未満
乗車定員: 11〜29人
最大積載量: 6.5t以上
乗車定員: 30人以上
時期1の「普通免許」は、この改正で「8t限定中型免許」に自動的に切り替わりました。
運転可能範囲: 車両総重量8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下
最大積載量: 2t未満
乗車定員: 10人以下
最大積載量: 2t以上4.5t未満
乗車定員: 10人以下
最大積載量: 4.5t以上6.5t未満
乗車定員: 11〜29人
最大積載量: 6.5t以上
乗車定員: 30人以上
時期2の「普通免許」は、この改正で「5t限定準中型免許」に自動的に切り替わりました。
運転可能範囲: 車両総重量5t未満、最大積載量3t未満
運転免許の法改正により、取得時期によって運転できる車両の範囲が異なります。平成19年と平成29年の2度の改正で、普通免許で運転可能な車両総重量や積載量が段階的に引き下げられました。
ご自身の免許取得時期を確認し、運転可能な車両の条件を正しく理解することが重要です。
未経験でも始められる仕事
派遣ドライバーは、特別な資格や経験がなくても、普通自動車運転免許(AT限定含む)さえあれば始められる仕事が多いのが大きな魅力です。
主な仕事内容
- 軽貨物ドライバー
ネット通販の商品や企業間の書類などを、軽バンやワンボックスで配送します。 - ルート配送
決められた時間に、コンビニやスーパー、病院などに食料品や日用品を届けます。
重い荷物運びが少ない軽貨物配送や、決まった場所を回るルート配送など、体力や経験に応じた仕事を選べます。
ご自身のライフスタイルに合わせて、勤務時間やエリアを選べるのも派遣ならではのメリットです。まずは気軽に応募できる案件を探してみましょう。
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3. 労働者派遣事業とは?

労働者派遣事業は、企業の人材ニーズと労働者の就業機会をつなぐ重要な雇用形態です。通常の雇用とは異なる独特の仕組みを持ち、現代の労働市場において欠かせない役割を果たしています。
労働者派遣事業とは
派遣会社が自社で雇用している労働者を、他の企業(派遣先)に派遣して働かせる事業のこと


基本的な仕組み
- 雇用関係:派遣労働者と派遣会社の間にあります
- 指揮命令関係:派遣先企業が実際の業務指示を行います
- 三者関係:派遣会社、派遣労働者、派遣先企業の3者で成り立ちます
特徴
- 派遣労働者の給与は派遣会社が支払います
- 派遣先企業は必要な時期に必要な人材を確保できます
- 労働者派遣法により規制されており、事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要です
通常の雇用とは異なり、「雇用する会社」と「実際に働く会社」が別々になっている点が最大の特徴です。
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4.派遣会社の許可番号を確認する方法

派遣会社が適正に運営されているかを見極める重要な指標が許可番号です。厚生労働省の許可を受けた事業者のみが持つこの番号を、簡単に確認できる方法をご紹介します。
許可番号はどこに記載されている?
派遣会社の許可番号は、会社の出入り口に掲げられた許可証、担当者の名刺、ホームページ、パンフレット、労働者派遣契約書などに記載されています。
派遣会社は許可番号の提示が義務になっており、派遣先企業や求職者が事業者の適正性を確認する重要な情報源となります。
許可番号の見方
許可番号は「派」で始まる2桁-6桁の番号(例:派12-345678)です。平成27年9月30日の派遣法改正により、従来の「般」から「派」に統一されました。
派遣会社の許可番号の見方
労働者派遣事業許可番号の構成
事業区分
労働者派遣事業であることを示す
都道府県コード
本社所在地
例: 13 = 東京都
識別番号
各事業所を識別するための固有番号
この番号は厚生労働省から交付される労働者派遣事業許可証に記載され、事業所ごとに付与されます。
番号の最初の2桁は会社の所在地である都道府県を示し、後続の6桁が個別の識別番号となっており、全国で統一された形式により派遣事業者の適正性を一目で確認できる仕組みとなっています。
参考:一般社団法人日本人材派遣協会|一般労働者派遣事業「許可更新事業所一覧」
厚生労働省のサイトで確認する方法
厚生労働省の「人材サービス総合サイト」にアクセスし、「労働者派遣事業」検索から派遣会社の許可番号や会社名で検索します。
検索結果には許可番号、事業所名、所在地、許可年月日などが表示され、その派遣会社が正式に許可を受けているか、許可が有効かどうかを確認できます。信頼できる派遣会社を選ぶための重要な確認手段です。
5.白トラ行為に注意(車両の許可)

派遣ドライバーが注意すべきなのが「白トラ行為」です。運送業の許可を持たない車両で有償運送を行うと違法になります。派遣先の車両が適切な許可を得ているか確認しましょう。
派遣会社が車も提供する場合の注意点
派遣会社が車両を提供する場合、「白トラ行為」に該当する違法な運送事業となる可能性があります。
運送業には国土交通省の許可が必要で、派遣契約では労働者の提供のみが認められています。
車両と運転手をセットで提供する形態は違法となるため、派遣会社から車両提供の提案があった場合は十分注意し、契約内容を慎重に確認することが重要です。
緑ナンバーと白ナンバーの違い
車両ナンバーの色による違い
事業用と自家用の見分け方
用途・目的
運送事業用
運送行為
有償で運送可能
料金を取って荷物や人を運べる
必要な許可
国土交通省の事業許可が必要
用途・目的
自家用車両
運送行為
有償運送は原則禁止
お金をもらって運ぶことはできない
必要な手続き
届出のみ
事業許可は不要
⚠️ 白トラ行為に注意: 白ナンバー車両で有償運送を行うのは違法です。派遣会社が車両と運転手をセットで提供する場合は、必ず緑ナンバーか確認しましょう。
緑ナンバーは運送事業用の車両で、国土交通省の許可を得た事業者が有償で荷物や人を運ぶために使用します。一方、白ナンバーは自家用車両で、有償での運送行為は原則禁止されています。
派遣会社が白ナンバー車両で運送業務を行うのは「白トラ行為」として違法です。運送を伴う業務では、必ず緑ナンバー車両を使用する正規の運送事業者を選びましょう。
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6.【チェックリスト】安全な派遣会社か確認

安全な派遣会社を見極める
チェックリストで確認しよう
基本事項・透明性
契約・待遇
車両関係(車提供の場合)
評判・信頼性
✓ すべてチェックできたら安心して就業できます
ドライバー派遣会社の安全性を確認するには、まず労働者派遣事業の許可番号を確認し、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で正規の事業者か確認しましょう。
車両を提供する場合は、緑ナンバーの事業用車両か、一般貨物自動車運送事業の許可も持っているかを確認することが重要です。契約内容や社会保険加入の有無、口コミ評判も事前にチェックしましょう。
7.優良な派遣会社の見分け方

安心して働ける派遣会社を選ぶには、いくつかのポイントがあります。許可番号の確認から、労働条件や福利厚生まで、優良な派遣会社を見分けるための具体的なチェック項目を解説します。
優良派遣事業者認定制度
優良派遣事業者認定制度とは
優良派遣事業者認定制度は、法令遵守や労働環境、キャリア支援体制などの基準を満たした派遣会社を認定する制度
認定マークの有無で、適切な労働条件の提供や教育研修の充実度を判断できます。ただし認定がすべてではないため、実際の求人内容や担当者の対応も併せて確認し、総合的に判断することが重要です。
ドライバー専門の派遣会社を選ぶ
ドライバー専門の派遣会社は、運送業界に特化した求人情報とノウハウを持ち、業界の労働環境や待遇相場を熟知しています。
専門性の高い担当者から適切なアドバイスを受けられ、免許取得支援や車種別の研修制度も充実している傾向があります。
また運送会社との太いパイプがあるため、好条件の非公開求人にアクセスでき、就業後のフォロー体制も手厚いことが期待できます。
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8.ドライバー派遣についてよくある質問

ドライバー派遣で働く際に多くの方が疑問に思う点をまとめました。保険の適用から未経験でも働けるのかなど、実際によく寄せられる質問にお答えします。
-
普通免許(AT限定)でも働けますか?
-
はい、AT限定普通免許でも働けます。
軽貨物の配送ドライバーや2トン以下のトラック、AT車での配送業務など、AT限定免許で対応可能な求人は多数あります。
ただし、MT車の運転が必要な業務や大型車両を扱う仕事は制限されるため、応募時に確認することが重要です。
-
派遣会社の登録に費用はかかりますか?
-
いいえ、派遣会社への登録に費用はかかりません。
登録、求人紹介、就業サポートなど、すべてのサービスは無料で利用できます。
もし登録料や紹介料を請求する会社があれば、悪質な業者の可能性があるため注意が必要です。
-
派遣会社の許可番号はどこで確認できますか?
-
派遣会社の許可番号は、以下の方法で確認できます。
- 会社のホームページ
多くの派遣会社は、サイト下部や会社概要ページに「労働者派遣事業許可番号」を記載しています。 - 厚生労働省の事業所検索サイト
「人材サービス総合サイト」で許可番号や事業者名から検索可能です。 - 求人票や契約書類
正規の派遣会社は書類に許可番号を明記しています。
許可番号は「派◯◯-◯◯◯◯◯◯」という形式で表記されます。無許可の違法業者を避けるため、必ず確認しましょう。
- 会社のホームページ
-
未経験でも大丈夫ですか?
-
はい、未経験でも大丈夫です。
多くの派遣会社では、未経験者向けの研修制度や教育プログラムを用意しています。
ただし、求人によっては経験者優遇の場合もあるため、応募条件を確認しましょう。
-
社会保険には入れますか?
-
はい、条件を満たせば社会保険に加入できます。
派遣社員も一定の労働時間・期間の条件(週20時間以上の勤務など)を満たせば、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険に加入する義務があります。
短時間勤務の場合は加入条件を派遣会社に確認しましょう。
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9.許可のある派遣会社で安心して働こう
ドライバー派遣で働く際、労働者本人に特別な許可は不要ですが、派遣会社には厚生労働大臣の「労働者派遣事業許可」が必須です。
許可番号は会社のホームページや厚生労働省の人材サービス総合サイトで確認できます。また、車両提供がある場合は白トラ行為に注意し、緑ナンバーか確認しましょう。
優良派遣事業者認定制度やドライバー専門の派遣会社を選ぶことで、安心して働ける環境が整います。許可のある信頼できる派遣会社を選び、安全で充実したドライバー生活を始めましょう。