軽トラの荷台からはみ出す荷物は法律違反になるリスクがあります。
2022年の車両制限令改正で基準が明確化されましたが、違反すれば点数減点や反則金のペナルティが課せられ、悪質な場合は免許取消しの可能性もあります。
本記事では、軽トラの荷台はみ出し規制の最新情報と、違反を防ぐための積載テクニックを解説します。安全運転と法令遵守のために必要な知識を身につけましょう。
軽トラを使うドライバー転職をお考えの方は、ぜひ『カラフルエージェント ドライバー』にご相談ください。高収入・高待遇の軽トラドライバー求人を多数保持、最短2週間でスピード転職が可能となります。
▼簡単・無料!30秒で登録完了!
カラフルエージェント ドライバーに無料で相談してみる
- 軽トラの荷台からのはみ出し規制と2022年の法改正内容
- 軽トラの最大積載量350kgと高さ制限2.5メートルの法的根拠
- 荷台からのはみ出しを防ぐ積載テクニックと「やぐら」の活用法
1.軽トラの荷台はみ出しに関する規制
道路交通法施行令は自動車の積載制限について安全確保のための規定を設けています。積載物は車両の長さ・幅・高さ制限を超えてはならず、特に軽トラなど貨物車両には厳格な基準があります。
しかし、2022年5月の改正で一部緩和され、制限の範囲内であれば許可なく通行可能になりました。制限超過には特別許可が必要で、違反すれば点数減点や反則金の罰則があります。

積載物の大きさに関しては、車体の幅・長さはそれぞれ1.2倍までです。高さは地上から積載物の上部までの高さが3.8mまでに制限されています。

積載方法の制限は、車体の左と右でそれぞれ車体の幅の0.1倍まで、車体の前と後ろでそれぞれ車体の長さの0.1倍までです。
なお、下記の積載制限については現行のままです。

自治体条例でさらに詳細な規制がある場合もあるため、運転者は最新規制の把握が必要になります。
▼関連記事
下記の記事では、軽トラックの荷台への人の乗車に関する法律規定と例外ケース、安全運転のポイントを詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
2.軽トラの荷物積載で知っておくべき高さ制限ルールとは
軽トラは荷台が開放型のため高さのある荷物の積載に適していますが、無制限に積めるわけではありません。
道路交通法では軽トラの積載物の高さは地上から2.5メートル以内と定められています。他にも積載重量や長さにも制限があり、これらを知ることが安全運転の基本です。
軽トラの最大積載高さは地上から2.5メートル
軽トラは、荷台が屋根のない開放型であることから、高さのある荷物の積載に適しています。しかし無制限に高く積み上げることはできません。道路交通法により、軽トラの積載物の高さは地上から2.5メートル以内に制限されています。
軽トラ車両の最も高い部分は天井で、地上からおよそ1.8メートルです。つまり荷物が天井から70センチ以上出ないよう調整したり、積み方を工夫したりする必要があります。

出発前にメジャーで高さを測ると思わぬトラブルを避けられるでしょう。
軽トラの高さ以外の積載ルール
積載制限項目 | 制限値 |
---|---|
積載重量 | 350kg以内 |
長さのはみ出し | 車両の1/10以内 |
幅 | 車幅以内 |
高さ以外にも、積載重量は350キロ以内、長さは車両の1/10以内のはみ出しまで、そして幅は車幅以内と、細かなルールが定められています。
荷物の形状によっては、想像以上に高さが出てしまうケースもあるため、積み込み時に慎重に確認することが大切です。特に田舎道や狭い道では荷物が木の枝などに引っかかる危険もあるので注意が必要です。
3.軽トラの積載量は何キロまでOK?

最大積載量とは、その車両が安全に積載できる貨物の重量の上限値を指します。この数値は道路運送車両法によって厳格に定められており、各自動車メーカーが車両設計時に申請し、国土交通省の厳正な審査を経て正式に決定されます。軽トラックを利用する際に覚えておくべき重要な点を解説します。
軽トラックの積載量に関する主な法律
軽トラックの積載量に関する規定は、主に以下の2つの法律に定められています。
道路運送車両法では、車両の構造・装置に関する保安基準の一つとして、最大積載量が規定されています。軽トラックの場合、その値は350kgと定められています。道路交通法では、過積載の禁止について規定されています。積載物の重量が、最大積載量を超えてはならないと定められているのです(道路交通法第57条)。
軽トラックの最大積載量は何キロ?
前述のとおり、軽トラックの最大積載量は350kgと定められています。この重量は、車両本体の自重とは完全に別枠で規定されているポイントを理解しておく必要があります。
たとえば、一般的な軽トラックの車両重量が700kg程度だとすると、荷物を積んだ状態での車両総重量の上限は1,050kg(車両重量700kg + 積載量350kg)と計算されます。
軽トラックを業務や日常生活で使用する際は、この積載量の制限を常に意識したり、荷物の重さを事前に把握したりすることが安全運転の基本となります。また、荷物の種類や形状によっては、見た目の量よりも実際の重量が想像以上に大きくなる場合があることも覚えておきましょう。
車両総重量と最大積載量の違い

車両総重量とは、車両本体の重量に、乗員や積載物の重量を加えた合計の重量を指します。つまり、軽トラックの最大積載量350kgと車両自体の重量を合わせたものが、その車両の総重量として定義されるわけです。道路交通法では、車両の区分ごとに車両総重量の上限も明確に規定されています。
軽トラックの場合、車両総重量の限度は1,300kgと定められています。このルールを守ることで、道路や橋梁への負担を適切に抑えたり、車両自体の安全性を維持したりすることができます。軽トラックを使用する際は、積載量だけでなく、この車両総重量についても正しく理解し、法令を遵守した運転を心がけることが重要です。
最大積載量の確認方法
軽トラックの最大積載量は、簡単に確認することができます。まず、車検証に記載されている数値を確認する方法があります。次に、車両のドアやボディに貼付されている「最大積載量ラベル」を見る方法もあります。
また、取扱説明書に記載されている情報を参照するという方法もあります。最も確実かつ公式な確認方法は車検証で数値を確認することですが、車体に貼られたラベルの表示も法的な効力を持っているため、日常的にチェックしたり、意識したりしておくと良いでしょう。
特に中古の軽トラックを購入した場合や、複数の車両を所有している場合は、それぞれの最大積載量を正しく把握しておくことが、安全運転につながります。
4.軽トラ荷台のはみ出し違反の危険性と罰則リスク

運送業に関わる個人・法人は積載ルールを厳守することが強く求められています。違反は直接的な罰則だけでなく、免許や事業への深刻な影響を及ぼす可能性があります。
長さ違反の危険性|走行安定性の低下と衝突危険
軽トラの高さ制限を超えた積載は、安全運転の観点から見るととても危険です。重心が高くなることで走行安定性が損なわれたり、強風で荷崩れを起こしやすくなったりと危険です。
カーブを曲がる際には横転のリスクも高まります。また、高架の看板や駐車場の天井などに衝突する恐れがあり、荷物や車両の損傷だけでなく、最悪の場合は人身事故につながりかねません。
【軽トラ】積載物重量制限超過の罰則
軽トラ(普通等)の積載物重量制限超過に関する違反点数と違反金の情報をまとめました。
軽トラ(普通等) の積載物重量制限超過 | 違反点数 | 違反金(円) |
---|---|---|
10割以上 | 3点 | 35,000円 |
5割以上10割未満 | 2点 | 20,000円 |
5割未満 | 1点 | 15,000円 |
参考:警視庁|反則行為の種別及び反則金一覧表・交通違反の点数一覧表
事業者への影響
違反ドライバーを雇用する会社や事業主にも責任が問われ、反則金が科される可能性があります。特に悪質な違反が常習化している場合は、事業用自動車の使用停止処分などの厳しい制裁を受けるリスクがあります。
このように、運送業に関わる個人・法人は積載ルールを厳守することが強く求められています。違反は直接的な罰則だけでなく、免許や事業への深刻な影響を及ぼす可能性があるため、十分な注意が必要です。

高さ制限超過の積載は多くのリスクがあります。少しの手間を惜しんで制限を超えるより、ルールを守る方が賢明です。
5.積載制限を超える場合の申請

制限外積載物許可制度は、法定の大きさや重量制限を超える積載物輸送のための特別許可制度です。車両の長さ・幅・高さ・重量が制限を超える場合、道路管理者(国道なら国土交通省、都道府県道なら各都道府県)への事前申請が必須となります。
制限外積載物許可制度とは?
軽トラで高さ制限を超える荷物の運搬には、警察署への「制限外積載許可申請」が必要です。申請書や自動車検査証の写し、積載状況図面、運行経路図を提出し、1台5,000円程度の手数料を支払います。
許可が下りれば高さ制限が最大4.3mまで緩和され、最長2週間有効です。複数台分をまとめて申請することも可能ですが、日常的な使用は避けるべきでしょう。
荷物の出発地を管轄する警察署で手続きができ、違反リスクを考えれば必要な投資といえます。あくまで特殊な荷物運搬のための最終手段として活用しましょう。
申請に必要な書類と審査のポイント
制限外積載許可の申請には、いくつかの書類が必要になります。
申請に必要な書類
- 制限外積載許可申請書
(警察署の窓口またはWebサイトで入手可能) - 自動車検査証の写し
- 積載物の形状、寸法、重量が分かる図面
- 運行経路図
(許可を受ける区間の始点・終点、主な経由地を明記)
申請期間については、2週間以内に設定しましょう。それ以上の長期にわたる許可は、よほどの理由がない限り認められません。以上の点に注意して、書類を過不足なく揃え、スムーズに申請が通るよう心がけましょう。
6.荷台からのはみ出しを防ぐ積載のコツ

軽トラの荷台からの荷物はみ出しを防ぐには、正しい積載方法を知ることが不可欠です。重心バランスの安定化、適切な固定具の使用、積載後の微調整など、プロのテクニックを身につければ、安全かつ効率的な運送が可能になります。
重心バランスを安定させる
荷台からのはみ出しを防ぐには重心バランスの安定が重要です。重い荷物は下部、軽い荷物は上部に置き、左右の重量を均等にして荷崩れを防止しましょう。
隙間は小さな荷物で埋め、長尺物は対角線上に配置するなど、荷台スペースを最大限活用する工夫も必要です。積み込み順序を事前に計画し、大きさや形状を考慮してパズルのように積載する意識が、はみ出しのない安全な積み方につながります。
適切な重心配置と空間活用が、法令遵守と安全輸送の鍵となるのです。
適切な固定具の選択と正しい使用法
荷物の固定には適切な器具選択と正しい使用法が欠かせません。素材や形状に応じてロープ、ラッシングベルト、ネットなど最適な固定具を選択し、特にロープは8の字結びなど緩みにくい結び方で強固に固定しましょう。
突っ張り棒やゴムバンドの併用でさらに安全性が向上します。使用前には必ず固定具の劣化や損傷を点検し、状態の悪いものは迷わず交換する習慣をつけることが大切です。
こうした確実な固定作業が荷崩れによるはみ出しを防止し、安全な走行と法令遵守につながります。
走行前の最終チェックと微調整の徹底
積載完了後の最終チェックと微調整は、はみ出し防止の重要なステップです。荷台の四隅から全体を見渡し、側面や後方からも入念に確認し、わずか5cmでもはみ出している場合は迷わず積み直しましょう。
走行中の振動や急ブレーキを想定し、多少の揺れでも崩れない余裕をもたせた積載が大切です。また、長距離運転では休憩のたびに固定状態を再確認する習慣も必要です。
このような丁寧な確認作業と積極的な修正の姿勢が、安全輸送と法令遵守を両立させる基本となります。一手間かけた慎重さが大きなリスクを防ぎます。
軽トラドライバーに転職しませんか?『カラフルエージェント ドライバー』では。さまざまな種類のドライバー求人を多数保持、最短2週間でスピード転職が可能となります。
▼簡単・無料!30秒で登録完了!
カラフルエージェント ドライバーに無料で相談してみる
7.軽トラの荷台「やぐら」で有効活用

高さ制限内で効率的に荷物を積むなら「やぐら」の利用がおすすめです。やぐらとは軽トラ荷台の前部と後部を頑丈なフレームで繋ぐ装置で、荷台上部の空間を有効活用できます。これにより長尺物でも高さ制限内に収まる形で横積みが可能になります。
参考|商品説明 | 軽トライアングル~軽トラック荷台カスタマイズ~
軽トラに装備できる【やぐら】とは?
やぐらは軽トラ荷台の前部と後部を頑丈なフレームで繋ぐ装置で、荷台上部の空間を効率的に活用できます。この装置を取り付けると、長尺物を高さ制限内で横積みできるようになります。
高さ制限を気にせず多くの荷物を運んだり、長い資材を安全に積んだりできます。建設資材や配管、長尺の木材など、通常では積みにくい荷物の運搬に特に役立ちます。やぐらは安全かつ合法的に積載効率を高める優れたアイテムといえるでしょう。
おすすめのやぐら商品と装着方法
軽トラ用のやぐらは、材質やサイズ、機能性などでさまざまな商品があります。
おすすめのやぐら商品
- アルミ製のロール式やぐら
軽量で脱着が簡単、使わない時はコンパクトに収納できる優れもの - スチール製の標準タイプ
頑丈さ重視の方におすすめ - スライド式
荷物に合わせて伸縮できるのでおすすめ
装着は基本的に簡単です。荷台前後のステー金具にフックを引っ掛け、高さを調整してボルト・ナットで固定するだけです。荷崩れ防止のためロープなどで固定するのを忘れないようにしましょう。
そして大切なのが、走行前の点検です。やぐら本体のガタつき、積荷のぐらつきがないか、入念にチェックをしましょう。確かな装着と十分な点検で、やぐらを使った安全な運搬をしましょう。
8.メーカー別・軽トラ車両の荷台寸法を比較

積載対策には自車の荷台寸法を正確に把握することが重要です。国内主要メーカーの軽トラは荷台フロア長が約2,030mm、幅が約1,410mm、高さが約285mmとほぼ横並びです。わずかな寸法差が積載時の使い勝手を左右するため、自分の車のサイズを確認しましょう。
メーカー・車種 | 荷台フロア長 | 荷台幅 | 荷台高 | 荷台床面地上高 |
---|---|---|---|---|
ダイハツ ハイゼットトラック | 2,030mm | 1,410mm | 285mm | 660mm |
スズキ スーパーキャリィ | 1,975mm | 1,410mm | 285mm | 660mm |
スズキ キャリィ | 2,030mm | 1,410mm | 285mm | 660mm |
スバル サンバートラック | 2,030mm | 1,410mm | 285mm | 660mm |
日産 クリッパートラック | 2,030mm | 1,410mm | 290mm | 650mm |
参考|【公式】ハイゼットトラック トップページ|ダイハツ・キャリイ スーパーキャリイ|スズキ・サンバートラック | SUBARU・日産 NT100クリッパー [ NT100CLIPPER ] トラック
9.軽トラの荷台・高さの積載制限を守り安全な運送を
軽トラの荷台からの積載物はみ出しは法律で厳しく規制されており、違反には罰則が伴います。許容範囲を超える積載は違反点数減点や反則金の対象となり、悪質な違反を繰り返せば免許取消しの可能性もあります。
ドライバー個人だけでなく、会社にも責任が及びます。法令遵守には、重心バランスの安定化や適切な固定具の使用といった正しい積載テクニックが不可欠です。
また車両点検や天候に合わせた運転、社内教育も重要。規則を守り安全運転を徹底することが、運送業に携わる者の責務であり、輸送の安全と効率を高める近道となります。
▼関連記事
軽トラックで配送業をおこなう軽貨物ドライバー。下記の記事では、軽貨物ドライバーの給与や働き方について解説します。あわせて参考にしてください。
ドライバーへの転職をお考えの方は、『カラフルエージェント ドライバー』にご相談ください。高収入・高待遇のドライバー求人を多数保持、最短2週間でスピード転職が可能となります。
▼簡単・無料!30秒で登録完了!
カラフルエージェント ドライバーに無料で相談してみる