中型トラック転職完全ガイド｜仕事内容や年収、転職ポイントなど

EC市場の拡大や労働力不足により、中型トラック運転手の需要は年々高まっており、今まさに転職の絶好のタイミングと言えるでしょう。

本記事では、中型トラック運転手の仕事内容から必要な免許・資格、年収水準、転職活動の具体的な進め方まで、転職に必要な情報を網羅的にお伝えします。

1．中型トラック運転手とは

中型トラック運転手は物流業界の中核を担う重要な職業です。ここでは中型トラックの定義や特徴、具体的な仕事内容、他の車種との違いについて詳しく解説します。

中型トラックの定義と特徴

中型トラックは、いわゆる4tクラスの貨物自動車です。小型トラックより積載能力が高く、大型トラックより機動性に優れているため、都市部の配送や中距離輸送に適しています。

車両総重量	最大積載量	乗車定員
7.5トン以上11トン未満	4.5トン以上6.5トン未満	11人以上30人未満

取り回しの良さと積載能力のバランスに優れ、住宅街の狭い道路でも運転しやすく効率的な運搬が可能です。平ボディ、冷凍冷蔵車、ダンプカーなど用途別の特装車両も豊富で、多様な配送業務や業界ニーズに対応できる実用性の高い車両です。

参考：公益社団法人全日本トラック協会｜車種区分

▼4トントラックの大きさを解説

以下の記事では、4トントラックサイズと特徴を解説しています。4トントラックのサイズから、積載量、必要な免許、効率的な使い方、安全運転のコツを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

仕事内容と業務の流れ

中型トラック運転手の一日は、出庫前の車両点検（タイヤ、エンジンオイル、ブレーキ等）から始まり、配送ルート確認、荷物積み込み、配送、荷下ろし、帰庫後の清掃・報告書作成まで多岐にわたります。

適切な積載方法や運転技術、配送スケジュール管理、顧客対応が必要で、近年はGPSやデジタル端末を使った効率的配送システムの活用スキルも求められています。

準中型・大型トラックとの違い

中型トラックは準中型と大型の中間的特性を持ちます。

準中型トラックと比べて積載能力が高く、より多くの荷物を運搬できるため、中距離輸送や商業施設への配送に適しています。一方、大型トラックと比べて機動性に優れ、都市部の狭い道路でも取り回しが容易です。

準中型の近距離配送と大型の長距離大量輸送の間を埋める、都市間配送や地域内輸送に最適なバランス型車両として活用されています。

参考：公益社団法人全日本トラック協会｜車種区分

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2．中型トラック運転手に必要な資格・免許

中型免許の取得方法

中型免許取得には20歳以上、普通免許以上の免許取得から2年以上の経過（もしくは特定の教習を受けた19歳以上で、普通免許以上の免許を1年以上取得）が必要です。

取得方法は教習所での受講と会社での免許取得制度の利用があります。

個人で取得する場合

個人で取得する場合、教育訓練給付制度を利用できます。雇用保険の被保険者または被保険者であった方が対象で、受講費用の一定割合（一般教育訓練給付金の場合は20％、上限10万円）が支給されます。

指定教習所での二種免許取得コースを受講し、修了後にハローワークへ申請することで給付を受けられます。

会社の免許取得制度を利用する場合

多くの運送会社では免許取得支援制度を導入しており、従業員のキャリアアップを後押ししています。教習所費用の全額または一部負担、取得期間中の給与保障などの支援が一般的です。

ただし、取得後一定期間の勤務継続が条件となる場合が多く、早期退職時は費用返還義務が発生することもあります。

▼中型免許取得について詳しく

以下の記事では中型トラックを運転するための免許の概要、取得方法、メリットを解説しています。トラックドライバーのキャリアアップに必要な情報満載ですので、ぜひ参考にしてください。

あると有利な資格

中型トラック運転手として働く上で、基本的には中型免許があれば十分ですが、追加の資格を取得することで就職の選択肢が大幅に広がり、収入アップも期待できます。

フォークリフト運転技能講習

最大荷重1トン以上のフォークリフトを操作するために必要な国家資格です。学科20時間、実技11時間の計31時間の講習を受講し、修了試験に合格すると技能講習修了証が交付されます。

保有免許により一部時間短縮があります。物流倉庫や工場での荷役作業に不可欠な資格として需要が高く、就職に有利です。

▼フォークリフト運転技能試験について詳しく

以下の記事では、フォークリフト運転技能者の仕事内容、資格取得、給与、キャリアパスまで解説しています。

危険物取扱者試験

危険物取扱者試験は、ガソリンや灯油などの危険物を取り扱うための国家資格です。甲種、乙種（1～6類）、丙種に分かれていて、乙種・丙種に関しては受験資格に制限ありません。

試験は法令、物理学・化学、性質・火災予防・消火方法の3科目で構成され、各科目60％以上の正解で合格となります。ガソリンスタンドやタンクローリー運転手に必須の資格です。

▼危険物取扱者の資格について詳しく

トラックドライバー必見！以下の記事では、危険物取扱者資格の詳細と取得方法を解説しています。受験資格や資格取得のメリットとは？併せて取得したい資格も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

玉掛技能講習

玉掛技能講習は、クレーンなどで荷物を吊り上げる際に必要な国家資格です。学科では関係法令、力学、玉掛用具の知識を学び、実技では実際に玉掛け作業を行います。

講習は通常3日間程度で、修了試験に合格すると技能講習修了証が交付されます。建設業や製造業では必須の資格で、労働安全衛生法により玉掛け業務従事者は受講が義務付けられています。

▼玉掛技能講習について詳しく

以下の記事では、玉掛け資格の概要と取得方法、そのメリットを解説しています。建設・運送業界でのキャリアアップを目指す方必見の情報が満載です。ぜひ参考にしてください。

3．中型トラック運転手の年収・給与

中型トラック運転手の年収は地域や勤務形態によって大きく異なります。ここでは全国平均や地域別の給与水準、手当の種類について詳しく解説します。

平均年収と月給

中型トラック運転手の平均年収は約424万円、月給換算で35万円程度です。

給与は勤務形態、勤務地、経験年数、会社規模により変動します。基本給に加え配送件数による歩合給や各種手当が支給され、残業代や深夜手当を含めると手取り額は基本給を上回ることが多いです。

大手運送会社では住宅手当や家族手当等の福利厚生も充実しており、総合的な待遇面は高い傾向にあります。

参考：株式会社カカクコム｜求人ボックス｜4tドライバーの仕事の年収・時給・給料（求人統計データ）

地域別の給与相場

日本の中型トラック運転手の年収で最も高いのは、関東・関西・東海地域で430-431万円、最も低いのは北海道・東北の369万円となっており、約60万円の差があります。

九州・沖縄、甲信越・北陸、四国は380-393万円と中間的な水準です。都市部や工業地帯を含む本州の太平洋側で年収が高く、人口密度や経済活動の活発さが運送業の賃金水準に影響していると考えられます。

地方では物流需要や競争環境の違いが年収差として現れているようです。

参考：株式会社カカクコム｜求人ボックス｜4tドライバーの仕事の年収・時給・給料（求人統計データ）

年齢による収入の変化

年代別の年収推移は、以下のようになります。

経験年数別の年収目安

年代	年収
20～29	398万円
30～39	456万円
40～49	478万円
50～59	467万円

経験年数とともに、配送効率の向上や顧客との信頼関係構築、後輩指導などの付加価値が生まれます。これらのスキルは昇進や昇格の材料となり、将来的には運行管理者や営業所長などの管理職への道も開けます。継続的なスキルアップと経験の蓄積が、長期的な収入向上の鍵となります。

参考：株式会社カカクコム｜求人ボックス｜4tドライバーの仕事の年収・時給・給料（求人統計データ）

手当の種類

中型トラック運転手には、基本給以外にも様々な手当が支給され、これらが収入の重要な構成要素となります。

その他、皆勤手当など安全運転を奨励する手当、フォークリフト作業手当など特殊技能に対する手当も存在します。これらの手当により、基本給に加えて収入を増やすことが可能です。

参考：株式会社日本建設情報センター｜危険物取扱者の年収や手当の平均は？仕事内容や年収アップの方法も紹介

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4．中型トラック運転手の働き方

中型トラック運転手は勤務形態や配送ルートによって多様な働き方があります。ここでは日勤・夜勤の特徴や女性の活躍、働きやすさについて詳しく説明します。

勤務時間と休日

中型トラック運転手の勤務時間は配送ルートや荷物によって異なります。日勤は朝8時から夕方17時、早朝配送は5時頃から、夜間配送は22時頃からの勤務となります。

改善基準告示により1日の拘束時間を原則13時間以内、1日の休息時間を基本継続11時間で9時間を下回らないように定められています。週休2日制が増えており、年間休日は112～114日程度が一般的です。

参考：株式会社ジャパン・リリーフ｜運転ドットコム｜トラックドライバーの休日の平均日数は？長距離や仕事内容でも違う！

長距離・中距離・近距離配送の違い

近距離配送（市内・近郊配送）

主に市内や近隣地域への配送で、扱う貨物によって件数は異なります。軽貨物のルート配送の場合1日に100件以上、医薬品の配送は40～50件程度の配送を行います。

配送時間は比較的短く、日帰りでの業務が基本となります。顧客との接触機会が多く、コミュニケーション能力が重要になります。労働時間は規則的で、家庭との両立もしやすい働き方です。

中距離配送（県内・近隣県配送）

中距離配送は、片道100～300km程度の範囲で荷物を運ぶ業務です。日帰りまたは1泊2日での配送が基本となり、関東から中部地方、関西から中国地方といった隣接地域間の輸送が中心です。

長距離運送と比べて運転時間が短く、家族との時間を確保しやすいのが特徴です。取り扱う荷物は食品や日用品、工業製品など多岐にわたります。

長距離配送（都道府県間配送）

長距離配送は、片道300km以上、時には1000km超の距離を運ぶ業務です。東京から九州、北海道から本州といった遠隔地への輸送が中心で、2～3日の泊まり込み運行が基本となります。

高速道路を多用し、サービスエリアでの車中泊が一般的です。給与は高めですが拘束時間が長く、体力と集中力が求められます。全国各地を回れるのが魅力の一つです。

参考：ハウンドジャパン株式会社｜ 軽貨物の配送数、1日に何個が目安？/株式会社Lic｜ハコボウズ｜医薬品の配送はきつい？どんな感じ？仕事内容や評判を解説

▼長距離輸送は楽しい？！

長距離トラックドライバーは楽しい？以下の記事では、仕事の魅力とデメリット、なるための方法を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

正社員・契約社員・業務委託の比較

正社員

安定した雇用と充実した福利厚生が最大のメリットです。社会保険完備、退職金制度、有給休暇など、労働者としての権利が完全に保障されています。

昇進や昇格の機会もあり、長期的なキャリア形成が可能です。月給制が一般的で、業績に関わらず安定した収入を得られます。

契約社員

期間限定の雇用契約で、正社員と比較すると雇用の安定性は劣りますが、時給や日給が高めに設定されている場合があります。契約期間は通常1年から3年で、更新の可能性もあります。

正社員登用制度がある企業も多く、ステップアップの機会として活用できます。

業務委託

個人事業主として業務を請け負う形態で、収入は成果に応じて決まります。自由度は高く、複数の企業と契約することも可能ですが、社会保険や有給休暇などの保障はなく、確定申告などの事務手続きも自分で行う必要があります。成功すれば高収入を得られますが、リスクも伴います。

女性運転手の働きやすさ

運送業界では女性運転手の採用が積極的に進められています。中型トラックは大型車より運転しやすく、フォークリフト使用の荷役作業なら体力的負担も軽減されます。

女性専用休憩室や育児支援制度を整備している運送会社もあり、食品配送や医療関連では女性運転手の需要が高まっています。時短勤務や育児休暇制度により仕事と家庭の両立も可能です。

▼女性でもドライバーとして働ける？

以下の記事では、女性ドライバーの仕事を紹介しています。運送・運輸業界における女性ドライバーの需要と現状、おすすめの職種、必要な資格、収入例まで徹底解説！ぜひ参考にしてください。

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5．中型トラックドライバー｜主要な就職先・業界

中型トラック運転手は様々な業界で活躍できます。ここでは主要な就職先である運送会社や宅配業界、建設・食品業界の特徴と働き方を詳しく紹介します。

運送会社の種類

中型トラック運転手の主な就職先は、一般貨物自動車運送事業者と特別積合せ貨物運送事業者に分かれます。

一般貨物運送会社は特定荷主の専属運転手として安定した業務量が期待でき、中小から大手まで幅広く存在します。

特別積合せ貨物運送会社はヤマト運輸や佐川急便などの宅配大手で、個人宅配送が主業務です。地域密着型では地元企業との長期取引による安定業務が特徴です。

宅配・配送業界

宅配・配送業界はEC市場の拡大により急成長し、中型トラック運転手の需要が高い分野です。1日50～100件程度の配送を行い、固定エリア担当で地理を覚えれば効率化できます。

再配達削減や時間指定対応、冷凍・冷蔵商品の温度管理も重要です。午前中に荷物を積み込み、日中に配送を行い、夕方までに業務を完了するパターンが一般的です。繁忙期は業務量増加に伴い手当も充実します。

▼宅配ドライバーはきつい？

宅配ドライバーの仕事はきつい？以下の記事では、体力的負担や時間的プレッシャーの実態と共に、未経験からでも挑戦できる魅力を解説しています。ぜひ参考にしてください。

建設・土木関連

建設・土木業界では建設現場への資材運搬が主業務で、セメントや鉄筋などの重量物をダンプカーやクレーン付きトラックで運搬します。安全管理が重要でヘルメット等の保護具着用が必須です。

朝早い作業開始で現場進捗に合わせたスケジュール調整が必要で、天候の影響を受けやすいです。社会インフラ整備への貢献実感があり、専門資格取得でキャリアアップも可能です。

▼工事現場で活躍！ダンプ運転手の収入は？

ダンプ運転手の平均年収は420万円。地域差や資格によって収入アップの可能性があります。以下の記事では、仕事内容や向いている人の特徴、キャリアパスも解説しています。ぜひ参考にしてください。

食品・冷凍食品配送

食品・冷凍食品配送は温度管理が最重要で、冷蔵・冷凍車で-18℃から10℃の適切な温度帯を維持します。配送先はスーパー、コンビニ、レストランなど多岐にわたり、食の安全を守る重要な役割です。

HACCP（ハサップ）知識や食品衛生理解が必要で、品質保持のため迅速正確な配送が求められます。早朝勤務が多く、景気に左右されない安定需要があり、専門技術習得で高評価を得られます。

6．転職活動の進め方

中型トラック運転手への転職を成功させるには、適切な準備と戦略が重要です。ここでは履歴書の書き方から面接対策まで、転職活動の具体的な進め方を詳しく解説します。

履歴書・職務経歴書の書き方

履歴書の志望動機欄では、なぜその会社を選んだのか、どのような貢献ができるのかを具体的に記述することが重要です。運転経験や関連資格がある場合は、必ず記載し、アピールポイントとして活用しましょう。

職務経歴書では、運送業界未経験の場合でも、他業界での経験をどのように活かせるかを積極的にアピールします。例えば、営業職であれば顧客対応スキル、製造業であれば安全意識の高さ、サービス業であれば時間管理能力などを強調できます。

▼ドライバー志望者必見！志望動機の書き方

以下の記事では、トラックドライバーの具体的な仕事内容や、効果的な志望動機の書き方を詳しく解説しています。転職活動に役立つ情報が満載ですので、ぜひ参考にしてください。

面接でよく聞かれる質問と回答例

面接では、志望動機、転職理由、将来のキャリアビジョンなどが必ず質問されます。

志望動機

志望動機については、社会貢献への意欲と職種への理解を示した内容や、運転への情熱を示しつつ、プロ意識と向上心をアピールすることが大切です。

転職理由

転職理由については、前職の不満を述べるのではなく、前向きな理由を述べることが極めて重要です。自己成長や将来への展望を軸とした理由を述べることで、面接官に良い印象を与えることができます。

体力面

体力への自信と健康管理への意識、安全運転への責任感などアピールしましょう。運転前の体調チェックや適切な休憩取得により集中力を保ち、事故防止に努める姿勢が求められます。面接では具体的な健康管理方法を説明することが効果的です。

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7．中型トラック運転手への転職は今がチャンス

中型トラック運転手は、EC市場の拡大と労働力不足により需要が急増している将来性の高い職業です。平均年収は約424万円で、地域や経験により幅があります。

必要な中型免許に加え、フォークリフトや危険物取扱者などの資格取得で収入アップが期待できます。宅配、建設、食品など多様な業界で活躍でき、正社員として安定した雇用も望めます。転職を検討する方にとって、今が絶好のタイミングといえるでしょう。