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海コンドライバーの年収は?仕事内容・向いている人の特徴も解説

海上コンテナ輸送を担う海コンドライバーは、年収400万円から800万円という高給与が期待できる注目の職種です。しかし、不規則な勤務形態や長時間の拘束など、特有の課題も存在します。

本記事では、海コンドライバーの仕事内容や必要資格、給与体系から、キャリアパスまで徹底解説します。

この記事を読んでわかること
  • 海コンドライバーの具体的な給与水準と、固定給・歩合給それぞれのメリット・デメリット
  • 大型自動車免許やけん引免許など、必須資格の詳細と取得方法
  • 一日の業務の流れや勤務形態、キャリアステップの実態
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1.海コンとは? 海上コンテナの略称

1.海コンとは? 海上コンテナの略称

国際物流の重要な要素である海上コンテナについて、基本的な知識を解説します。

サイズや種類、用途など、海コンドライバーの仕事を理解する上で欠かせない基礎情報をご紹介します。

船で輸送される大型コンテナのこと

「海コン」とは「海上コンテナ」の略称で、船で輸送される大型の貨物用コンテナのことを指します。輸出入品を梱包して運ぶために使用され、用途に応じて様々な種類があります。

海コンはISO(国際標準化機構によって規格が定められており、主に20フィート40フィートの2つのサイズが使われています。

20フィートコンテナの外寸は長さ6.1m、幅2.4m、高さ2.6mで、40フィートは長さが12.2mとなります。

コンテナの種類としては、最も一般的な「ドライコンテナ」の他に、温度管理機能を持つ「冷凍コンテナ」、液体貨物用の「タンクコンテナ」などがあります。

また、特殊な形状の貨物に対応した「オープントップコンテナ」「フラットラックコンテナ」なども存在します。

海コンドライバーの役割

海コンドライバーの仕事

船から陸揚げされた海上コンテナを、トレーラーに積載して目的地まで輸送する仕事

港湾施設とコンテナヤード、あるいは荷主の倉庫など、決められた場所間を往復します。

海コンは大型かつ重量があるため、トレーラーへの積み下ろしは基本的にクレーンで行われます。

そのため海コンドライバー自身が重労働をすることは少なく、むしろ旋回スペースが限られた港湾地域で大型トレーラーを操縦する高度な運転技術が求められます。

海コンドライバーの1日の仕事の流れ

海コンドライバーの勤務時間は、会社や配送先によって異なります。基本的に、早朝〜深夜の時間帯にシフトが組まれることが多く、1日の拘束時間は平均12時間程度となります。

工程作業内容主なポイント
1. 準備出勤・車両点検・アルコールチェック
・運送指示書の受け取り
・トレーラーの安全点検
2. 埠頭到着待機・船会社の管理事務所で待機
・荷役準備が整うまで待機
3. 積込みコンテナ積込み・クレーンによる積込み作業
・シャーシとの連結確認
4. 配送配送先への輸送・安全運転
・交通状況の確認
・時間管理
5. 荷下ろし配送先での作業・荷主による荷下ろし作業
・必要書類の処理
6. 返却埠頭への返却・空コンテナの返却
・次の配送指示の確認

この工程を繰り返すのが海コンドライバーの基本的な1日の流れですが、港での荷待ち時間が非常に長いのが特徴です。

荷主の都合で2~3時間は待たされることもざらにあり、休憩を取りながら次の指示を辛抱強く待つ必要があります。

2.海コンドライバーの給料|高い報酬を得られる仕事?

海コンドライバーの給料 高い報酬を得られる仕事

海コンドライバーの給与体系は、固定給と歩合給を組み合わせたものが一般的です。年収400万円から800万円という高水準の収入が期待できる理由や、給与形態の特徴を詳しく見ていきましょう。

海コンドライバーの年収は400~800万が相場

海コンドライバーの給与水準は、経験年数やスキルによって幅がありますが、おおむね月収30万円〜60万円、年収400万円〜800万円が相場となっています。

給与形態は会社によって異なりますが、1日の運行距離や運んだ貨物量に応じて歩合で支払われるケースが多いです。そのため、稼働日数を多くこなせばこなすほど、収入も上がっていく仕組みになっています。

ただし、歩合給制の場合は仕事量の変動に伴って収入も変化するため、安定性は固定給制よりも低いと言えるでしょう。一方、固定給制なら多少仕事が少ない月でも一定の収入が得られる代わりに、歩合給よりも給与額は抑えられる傾向にあります。

参考|生労働省:jobtag

主に固定給制と歩合給制の2種類がある

主に固定給制と歩合給制の2種類がある

海コンドライバーの給与形態には、主に固定給制と歩合給制の2種類があります。

固定給制の場合、毎月決まった金額が支払われます。仕事量の多寡に関わらず安定した収入が得られるメリットがある一方、歩合給と比べると給与額は低めに設定されているのが一般的です。

対して歩合給制は、運んだ貨物の量や距離に応じて支払われる仕組みです。働いた分だけ収入が得られるのでモチベーションが上がりやすく、繁忙期や稼働日数が多ければ高収入も望めます。ただし仕事量が減れば収入も下がるため、安定性には欠ける面があります。

会社によっては固定給と歩合給を組み合わせた給与体系を採用していることもあり、例えば「固定給20万円+歩合」といった形で支払われるケースもあります。どの形態が自分にあっているかをよく考えて選ぶことが大切です。

3.海コンドライバーのメリットとデメリット

海コンドライバーという職業には、高収入や重労働が少ないといったメリットがある一方で、長時間拘束や不規則な勤務といったデメリットも存在します。転職を考える前に、これらの特徴をしっかりと理解しましょう。

海コンドライバーのメリット

1. 体力的負担が少ない・クレーンによる積み下ろし作業
・ドライバー自身の荷役作業がほぼなし
2. 収入面の柔軟性・固定給と歩合給の選択が可能
・努力次第で高収入が見込める
3. 転職ハードルが低い・未経験でも免許取得支援制度あり
・慢性的なドライバー不足で求人多数
・転職時の敷居が比較的低い

海コンドライバーのデメリット

1. 長時間の拘束・1日平均12時間の勤務時間
・港での長時間待機が頻繁
・休憩時間が不規則
2. 不規則な勤務体系・早朝シフトあり
・深夜シフトあり
・船のスケジュールに合わせた変則勤務
3. 高度な運転技術が必要・大型トレーラーの操縦技術が必須
・車両感覚の習得に時間が必要
・慣れるまでの習熟期間が長い
4. 収入の変動リスク・景気に左右されやすい
・海上輸送量による仕事量の変動
・歩合給の場合、収入が不安定になる可能性

※これらのメリット・デメリットは、会社の規模や勤務形態によって程度が異なります。
※特に勤務時間や収入面については、固定給か歩合給かによって影響の度合いが変わります。

こうしたメリット・デメリットを十分に理解し、自身の働き方にあっているかをよく考えることが大切です。

4.海コンドライバーに向いている人の特徴

海コンドライバーに向いている人の特徴

海コンドライバーに向いている人材には、いくつかの共通点があります。体力面での特徴から、働き方に対する考え方まで、自身の適性を判断する上で重要なポイントを解説していきます。

体力に自信がある人

海コンドライバーは、一般的なトラックドライバーと比べると力仕事が少ない分、長時間の拘束に耐えられる体力が求められます

1日の勤務時間は平均12時間にもなるため、座りっぱなしでも疲れにくい健康な体が必要不可欠です。

また、船のスケジュールに合わせた不規則な勤務もあるため、昼夜問わず働ける体力があると、海コンドライバーに向いていると言えるでしょう。

臨機応変に時間を合わせて働ける人

海コンドライバーは、コンテナ船の入出港に合わせて仕事をするため、勤務時間が不規則になりがちです。早朝や深夜のシフトもあれば、休日出勤が発生することもあります。

そのため、毎日決まった時間に働くことを好む人よりも、臨機応変に働ける人の方が海コンドライバーに向いていると言えます。

柔軟にシフトを組める、融通の利く働き方ができる人は、このような不規則な勤務体系にもスムーズに適応できるでしょう。

高収入を望んでいる人

海コンドライバーの給与水準は、他のドライバー職と比べても高めに設定されています。特に歩合制の場合は、がんばった分だけ収入に反映されるため、モチベーション高く働ける人にはおすすめの職種です。

ただし、歩合制では仕事量の変動などで収入が安定しない面もあるため、ある程度のリスクを許容できる人が向いていると言えます。

高収入を得たい、自分の頑張りを給与で評価してほしいという人は、海コンドライバーに向いているでしょう。

5.海コンドライバーに必要な資格と条件

5.海コンドライバーに必要な資格と条件

海コンドライバーになるためには、複数の免許や資格が必要不可欠です。また、経験やスキルによって待遇が変わることも。ここでは、必要な資格や有利となる経験について詳しく説明します。

海コンドライバーに必須の免許と資格

海コンドライバーになるためには、以下の免許・資格が必須となります。

大型自動車第一種運転免許は、車両総重量が11トン以上、最大積載量が6.5トン以上の車両を運転するための免許です。普通自動車免許を取得してから3年以上経過していること等の条件があります。

けん引免許(第一種または第二種)は、大型自動車にトレーラーやセミトレーラーを連結して運転するための免許です。第一種は車両総重量が750kg超、第二種は750kg以下のトレーラー等を牽引可能です。

これらの免許は、海コンの運搬にあたって必要不可欠です。特に、トレーラーを運転するためのけん引免許は、海コンドライバーとして働く上で最も重要な資格の一つと言えるでしょう。

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海コンドライバーにあると有利な経験・スキル

上記の必須免許の他に、以下のような経験やスキルがあると、海コンドライバーとしてのキャリアに有利に働きます。

  • トレーラー・大型トラック運転経験
  • 海上コンテナ・港湾物流の知識
  • 荷役機械(クレーン・フォークリフト)の操作経験
  • 英語力(海外とのやり取りがある場合)
  • 運行管理の実務経験
  • 貨物取扱いの実務経験

海コンドライバーの仕事内容に少しでも触れたことがあれば、経験者としてアピールできる部分は大きいでしょう。スキルアップを重ねて、より良い条件で転職を勝ち取りましょう。

6.海コンドライバーのキャリアステップ

6.海コンドライバーのキャリアステップ

海コンドライバーとしてのキャリアを積み重ねることで、様々なステップアップの可能性が広がります。新人からベテランまでの成長過程と、スキルアップのために必要な取り組みについて紹介します。

海コンドライバーの一般的なキャリアパス

海コンドライバーのキャリアパスは、経験年数やスキル習得度合いによって、おおむね以下のようなステップを踏んでいきます。

キャリアステージ期間主な業務内容
新人研修期1-2ヶ月・座学研修
・業務知識の習得
・基本的な運転技術の習得
実地研修期6ヶ月-1年・先輩ドライバーへの同乗
・業務フローの習得
・実践的な運転技術の習得
一人立ち期1-3年・単独運行
・様々な海コンの取扱い
・クレーンオペレーターとの連携
中堅期3-5年・複雑な配送業務
・後輩指導
・チーム運営の補助
ベテラン期5年以上・後輩の育成指導
・チームの中核として活動
・運行管理のサポート
管理職など・運行管理者
・営業職
・オペレーション部門

※キャリアの期間や内容は、個人の適性や会社の規模によって異なります。
※管理職への昇進は、会社の規模や方針によって機会が異なります。

海コンドライバー以外にも、管理職や営業職など様々なキャリアパスがあります。適性や将来の目標に合わせて、自身のキャリアプランを描いていきましょう。

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海コンドライバーのスキルアップ方法

海コンドライバーとしてのスキルを高めるためには、さまざまな方法があります。

社内外の研修への参加は、運転技術向上や法令知識習得、安全運転意識の向上を図る上で欠かせません。メーカー主催の車両研修などにも積極的に参加するのがおすすめです。

物流関連の資格として、物流管理技士フォークリフト運転技能講習などにも挑戦してみましょう。物流のスペシャリストとしてのスキルアップを図ることができます。

海外とのやり取りが多い会社では、英会話力も武器になります。英会話スクールに通うなどして日頃から鍛えておくと良いでしょう。

これらの努力を地道に積み重ねることで、他のドライバーとの差別化を図り、キャリアアップにつなげていくことが可能です。向上心を忘れずに、常にスキルアップを意識しましょう。

7.海コンドライバーの年収は高い

海コンドライバーは、経験を積めば年収600万円以上も狙える高収入な職種です。

ドライバー不足により未経験者の参入機会も多く、異業種からの転職組も増えています。ただし、長時間の拘束や不規則な勤務など、体力面での負担は大きいのが現状です。

体力とストレス耐性が必要不可欠であり、誰にでも務まるわけではありません。

しかし、日本の物流を支える重要な役割を担うやりがいがあり、経験を積みながらスキルアップすることで、さらなる待遇改善も期待できる職種といえます。

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