牽引免許(けん引免許)は、大型車両や重量物を安全に運搬するために必要な特殊免許です。
車両総重量750kgを超える被牽引車を牽引する際に必要となり、物流業界を中心に、様々な場面で活躍の幅が広がります。
この記事では、けん引免許の種類、取得方法、メリット、そしてけん引車ドライバーとしての心得について詳しく解説します。
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- けん引免許が必要な状況と不要な状況の違い
- けん引免許の取得方法と費用の概要
- けん引免許取得によるキャリアアップの可能性
1.牽引免許(けん引免許)とは

牽引免許(けん引免許)は、冒頭でもお伝えしたように、車両総重量750kgを超える被牽引車(トレーラーなど)を牽引する際に必要となります。
大型の車両や重量物を安全に運搬するために必要不可欠な特殊な運転免許です。
けん引免許の概要
けん引免許免許は、道路交通法に基づいて定められた特殊な運転免許の一つです。
この免許は、牽引装置を持つ自動車(牽引車)が、別の車両(被牽引車)を引っ張って走行する際に必要となります。
けん引免許免許の取得には、既に他の自動車運転免許を保有していることが条件となり、18歳以上であれば取得可能です。
けん引免許の種類と運転できる車両

けん引免許には主に3種類あり、それぞれ運転できる車両が異なります。
以下、各免許の特徴と運転可能な車両について詳しく説明します。
牽引第一種免許

けん引免許(第一種免許)は、最も一般的なけん引免許です。この免許を取得すると、以下の車両を運転することができます。
- 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車の牽引車
- 大型トレーラー
- タンクローリー
- 建設機械を運搬する大型トレーラー
この免許は、主にドライバー職の方や物流業界で働く方々が取得します。
牽引第二種免許

牽引第二種免許は、旅客を運送する目的で使用される特殊な牽引車両を運転するための免許です。具体的には以下のような車両を運転できます。
- トレーラーバス
- 大型観光バスに接続された荷物用トレーラー
この免許は、主に観光業や長距離バス運転手が取得します。
牽引小型トレーラー限定免許

牽引小型トレーラー限定免許は、比較的小型の被牽引車を運転するための免許です。
この免許で運転できる車両は以下の通りです。
- 車両総重量750kg超〜2t未満のキャンピングトレーラー
- ボートトレーラー
- 小型の荷物用トレーラー
この免許は、主にアウトドア愛好家や小規模な運送業を営む方々が取得します。
けん引免許は職業の選択肢が広がるだけでなく、趣味の幅も拡大させることができるでしょう。
2.牽引免許(けん引免許)が必要な場合
牽引免許(けん引免許)は、特定の状況下で必要となる運転免許です。ここでは、けん引免許が必要となるケースと、逆に不要なケースについて詳しく説明します。
牽引免許が必要な状況
けん引免許は、
- 大型トレーラー
- タンクローリー
- 建設機械を運搬する大型トレーラー
- 車両総重量750kgを超えるキャンピングカーやボートトレーラー
- 物流業界で使用される大型荷物用トレーラー
の牽引など、牽引車の運転免許とは別に必要となります。
例えば大型トラックの運転免許だけでは大型トレーラーを牽引することはできません。
750kg以下の車はけん引免許不要
牽引車両の重量によって、免許の必要性が変わってきます。車両総重量が750kg以下の場合、特別な牽引免許は必要ありません。
これは、軽量のキャンピングカーやトレーラーを使用する際に当てはまります。例えば、アウトドア愛好家が小型のキャンピングトレーラーを牽引する場合、通常の運転免許で十分です。
以下の場合でもけん引免許は不要になります。
故障車をロープやクレーンで牽引する場合
※以下の条件を満たす必要があります
- 牽引される車両に、その車を運転できる免許を持つ人が乗車すること
- その免許を持っている人がハンドル操作を行うこと
一時的な緊急時の牽引
- 事故や故障による緊急時の一時的な牽引
これらの状況では、通常の運転免許があれば牽引が可能です。ただし、安全面には十分注意を払う必要があります。
3.牽引免許(けん引免許)の取得方法と費用

牽引免許(けん引免許)の取得は、キャリアアップや趣味の幅を広げるためにおすすめです。ここでは、けん引免許を取得するための条件、方法、費用、そして合格率について詳しく説明します。
けん引免許取得の条件
けん引免許を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 年齢:18歳以上であること
- 既存の免許:大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二種免許、第二種免許のいずれかを保有していること
- 身体条件
・視力:両眼で0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上(眼鏡等使用可)
・色彩識別能力:赤色、青色、黄色の識別ができること
・深視力:三桿法による検査で平均誤差2cm以下(眼鏡等使用可)
・聴力:両耳で10mの距離から90dBの警音器の音が聞こえること(補聴器使用可)
・運動能力:安全運転に支障をきたす身体障害がないこと
これらの条件を満たしていることを確認しましょう。
教習所で取得する方法
けん引免許を取得する際、多く方が選択するのが教習所での習得です。この方法は確実性が高く、段階的に技能を習得できます。
希望する教習所に入校し、視力や運転適性の検査を受けます。その後、最低12時間の実技教習を経て、教習所内での実技試験に挑戦します。
最終段階では、運転免許センターでの適性検査を経て、合格すれば晴れて免許が交付されます。
費用は、13万円から15万円程度となっています。教習所での取得は時間と費用がかかりますが、丁寧な指導を受けられる点が大きな魅力です。
一発試験で取得する方法
牽引車の運転経験がある方や、自己学習に自信がある人には、一発試験という選択肢があります。
この方法では、まず運転免許センターで適性試験を受けます。それに合格すれば、次のステップとして技能試験の予約を入れることができます。
技能試験では、実際の道路を走行しながら、試験官があなたの運転技能を細かくチェックします。
見事合格すれば、その場で牽引免許が交付されるという流れです。この一発試験の大きな魅力は、教習所と比べて費用が大幅に抑えられることでしょう。
例えば東京では、約6,000円という金額で挑戦できます。ただし、合格への道のりは教習所よりも厳しいです。
けん引免許の合格率は?
けん引免許の合格率は、取得方法によって異なります。
- 教習所での取得
一般的に合格率は高く、ほとんどの受講者が合格します。教習所での十分な練習と指導により、高い確率で合格できます。 - 一発試験での取得
合格率は比較的低く、初回の合格は難しいとされています。具体的な数値は公表されていませんが、他の免許の一発試験と同様、20〜30%程度と推測されます。
「運転免許統計 令和3年版」では、けん引免許(第一種免許)の受験者は35,249名、合格者は28,757名、合格率は81.6%となっています。「けん引小型トレーラー限定免許」の合格率も77.2%と、ほぼ同程度の水準です。普通免許の合格率が74.2%であることから見ても、受験難易度は決して高くはありません。
けん引免許の取得を検討する際は、自身の経験や技能レベル、時間的・金銭的な余裕を考慮し、適切な方法を選択することが重要です。
4.牽引免許(けん引免許)を取得するメリット
牽引免許(けん引免許)の取得は、キャリアの可能性を大きく広げ、個人のスキルアップを目指せるでしょう。
ここでは、けん引免許を取得することで得られる具体的なメリットについて詳しく説明します。
ドライバーとしてのキャリアアップ
けん引免許の取得は、ドライバーとしてのキャリアを大きく飛躍させる可能性を秘めています。
就職機会の拡大
けん引免許を取得することで、キャリアの選択肢が広がります。物流業界では、大型トレーラーを操るドライバーとして活躍する道が開かれます。
さらに、建設現場や工場などの産業分野でも、特殊な牽引車両を扱う専門性の高い運転手として、重要な役割を担うチャンスが生まれます。
給与アップの可能性
けん引免許を持つドライバーは、業界内で高い評価を受け、よりよい報酬を得られる可能性が高まります。
特に物流や運送の分野では、けん引免許保有者は貴重な戦力として重宝されます。そのため、給与面での優遇だけでなく、昇進の機会も増える傾向にあります。
特殊な運搬業務への従事
けん引免許の取得は、より専門性の高い業務への道を開きます。
例えば、大型建設機械の輸送や、特殊形状の貨物の運搬といった、高度な技術と経験を要する仕事に携わる機会が増えます。
これらの特殊業務は、難易度と責任の重さから、一般的な運転業務と比べてより高い報酬が設定されていることが多いです。
他のドライバーとの差別化
けん引免許の取得は、ドライバーとしてのスキルを高める要素です。
この免許により、大型トレーラーから特殊形状の被牽引車まで、幅広い車両の運転が可能となり、様々な状況に柔軟に対応できる万能性を身につけられます。
また、事故や災害時の緊急牽引にも対応できるようになり、社会貢献の機会も増えます。さらに、けん引免許の保有は高度な運転技術と知識の証明となり、就職や昇進の際にアピールポイントとなります。
つまり、けん引免許取得は単なる運転スキルの向上だけでなく、キャリアの可能性を広げ、個人の価値を高める重要な投資なのです。
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5.牽引車(けん引車)ドライバーの心得

牽引車ドライバーとして活躍するためには、単に牽引免許(けん引免許)を取得するだけでは不十分です。
法令を順守し、安全運転を徹底することが大切です。ここでは、牽引車ドライバーとして知っておくべき心得について詳しく説明します。
法令順守と安全運転の徹底
牽引車の運転は、通常の車両とは異なる特別な注意が必要です。以下の点に特に気をつけましょう。
牽引車両特有の交通規則の遵守
- 速度制限:一般道では60km/h以下ですが、ロープやクレーンなどでの牽引の場合以下の表のように法定速度が変わります。
牽引される自動車 | 牽引する自動車 | 法定速度 |
---|---|---|
車両総重量が2t以下 | 車両総重量が、左記の自動車の3倍以上 | 40km/h |
上記に掲げる以外 | 上記に掲げる以外 | 30km/h |
条件なし | 排気量125cc以下の普通自動二輪車や原動機付自転車 | 25km/h |
- 車間距離
通常の車両より長い車間距離を保ちます。目安は、車両の全長の2倍以上です。 - 追い越し禁止
多くの道路で牽引車の追い越しが禁止されています。標識を確認しましょう。
安全確認の徹底
- 死角の確認
牽引車は死角が大きいため、頻繁にミラーチェックと目視確認が必要です。 - 車両の長さへの注意
曲がる際や車線変更時は、通常より大きく回る必要があります。 - バック時の注意
可能な限り誘導員をつけ、慎重に操作します。
運転中の注意点
- 急ブレーキの回避
被牽引車が横滑りする危険があるため、十分な車間距離を保ち、緩やかなブレーキ操作を心がけます。 - 急ハンドル操作の回避
ジャックナイフ現象(牽引車と被牽引車が折れ曲がる現象)の危険があるため、緩やかなハンドル操作を心がけます。
積載物の適切な固定
- 積載制限の遵守
最大積載量を厳守し、偏った積載を避けます。 - 適切な固定具の使用
ロープ、ラッシングベルト、チェーンなどを使用し、荷物をしっかりと固定します。 - 定期的な確認
走行中も定期的に積載状態を確認し、必要に応じて再固定します。
これらの点に注意を払うことで、安全運転を実現し、事故のリスクを大幅に低減することができます。
6.牽引免許取得のコツ

技能試験で最も重要なのはバック操作
牽引免許の技能試験で最も重要なのは、何と言ってもバック操作、特に方向転換時のトレーラー部分の動きをコントロールする技術です。この場面での減点は非常にシビア。合格点に届くには、徹底的な練習を積むことが不可欠と言えるでしょう。
バック操作のコツは、何より「ゆっくり、慎重に」を心がけることです。ハンドル操作は細かく、サイドミラーでトレーラー部分の動きを常に意識しながら行います。
進行方向に対してハンドルを逆に切る、トレーラー特有の操作には、正直慣れが必要です。「切り返し」のタイミングも、経験を積まないと掴みにくいもの。教習所の模擬コースや、試験場のコースをお借りしての練習を重ねるしかありません。
もちろん、バック以外の基本操作も おろそかにできません。左折・右折時のトレーラー車輪の内輪差は、事故のもとにもなりかねません。ミラーでの確認を習慣づけましょう。
「止まる」「曲がる」の合図は、4秒前のウインカーを厳守しましょう。指示速度からの著しい逸脱や蛇行、輪踏みなども厳しい採点対象です。
学科試験ではトレーラーの連結や運行に関する知識が重要
牽引第二種免許の受験では、学科試験での高得点もクリアしなければなりません。出題範囲は運転全般にわたりますが、とりわけトレーラーの連結や運行に関する知識が重要です。
学科試験対策の要は、地道な積み重ねによる体系的な知識の整理と言えるでしょう。イラストや図解を多用した受験参考書などを活用し、知識を視覚的にイメージ化していくのも効果的です。
頻出の「供述式」問題は、選択肢を吟味する慎重さが求められます。特に「以上のすべてが正しい」といった選択肢は要注意。問題文をよく読み、該当しない選択肢がないかをしっかりチェックしましょう。
本番の学科試験では、時間配分も大切です。「これは後でじっくり考えよう」と、難問にこだわり過ぎないことも重要。時間が迫ってからのあわてが、かえって足をすくうこともあるのです。
7.スキルアップのためにけん引免許を取得しよう!
けん引免許は、車両総重量750kgを超える被牽引車を運転する際に必要な特殊免許です。
取得方法には教習所と一発試験があり、費用や難易度が異なります。この免許は、物流業界での就職機会拡大や給与アップの可能性を高め、多様な車両の運転を可能にします。
また、緊急時の対応力向上や専門性の証明にもなります。牽引車ドライバーには、法令順守と安全運転、日々のメンテナンスが求められます。
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