派遣ドライバーとして働く中で、「これって違法じゃないの…?」と不安に感じたことはありませんか。その直感は、実は正しいかもしれません。物流業界では「2024年問題」として知られる労働時間の規制強化が始まり、コンプライアンスへの注目が高まっています。
正しい知識を身につけることは、不当な条件を回避し、安心して長く働ける環境を選ぶための大切な土台になります。本記事では、ドライバー派遣にまつわる「裏ルール」の実態を明らかにし、搾取を防ぐために知っておくべき法的知識を解説します。
- ドライバーを不当な扱いから守る「労働者派遣法」の基本ルール
- 日雇い派遣や事前面接など、現場で「NG」とされる具体例
- 理不尽な指示や法令違反が疑われる場合に相談できる公的窓口
1.【基礎知識】労働者派遣法は働く側を守る法律

労働者派遣法は、派遣で働く側が不利な条件で使われたり、不当に扱われたりしないように定められた法律です。派遣会社だけでなく、実際に業務の指示を出す派遣先企業も、このルールを厳格に守る義務があります。
現場で以下のような「困った経験」や、判断に迷う指示を受けたことはないでしょうか。

「今日は荷物が少ないから、隣の関連会社の手伝いに行って」と、契約にない別会社に行かされたけど、大丈夫なの?

「急に欠員が出たから、悪いけど明日1日だけスポットで入ってよ」と、前日に単発の仕事を振られたけど、いいのかな…?
これらは単なる現場の慣習ではなく、法律上「不適切」とされたり、法令違反にあたる可能性があります。もし心当たりがある場合、知らないうちに法的なリスクを負わされている恐れもあります。
参照:e-Gov法令検索 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
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2.【ドライバーの権利1】安定した雇用を求める権利

派遣ドライバーが安心して仕事に集中するためには、雇用期間の安定が欠かせません。法律では、極端に短い契約を何度も繰り返すような、不安定な働かせ方は制限されています。
日雇い派遣からの保護と例外
派遣法では、30日以内の期間で働く「日雇い派遣」は、原則として禁止されています。毎日「明日も来れる?」と確認されるような不安定な就業形態は、雇用を不安定にするためです。
ただし、以下の例外に該当する場合は日雇い派遣が認められます。
- 60歳以上の方
- 雇用保険の適用を受けない学生
- 副業として従事し、本業の年収が500万円以上の方
- 世帯収入が500万円以上で、主たる生計維持者でない方
上記以外で日雇い的に働かされている場合は、不適正な運用の疑いがあります。
参照:厚生労働省 「日雇派遣の原則禁止について」
3年以上働く権利(雇用安定措置)
同じ派遣先の同じ部署で3年続けて就業した場合、派遣会社には今後の雇用を守る「雇用安定措置」を講じる義務があります。具体的に見ていきましょう。
派遣先に直接雇用を依頼
「正社員として登用しませんか?」等の依頼
新しい優良な派遣先の紹介
「他の派遣先にも行ってみませんか?」等の声掛け
派遣元での無期雇用への転換
登録している派遣会社と期間の定めのない契約を結ぶ
3年経過時に何の説明もなく契約を終了させることは、この義務に抵触する可能性があります。
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3.【ドライバーの権利2】不当な選別から守られる権利

派遣では、「派遣先が特定の労働者を選別すること」は禁じられています。これは、年齢や性別といった属性による差別を防ぎ、雇用の機会を平等に確保するためです。
事前面接の禁止
派遣先企業が、就業前のドライバーに対して面接や顔合わせを行ったり、履歴書を提出させたりすることは法律で禁止されています。
参照:厚生労働省 「特定目的行為の禁止いついて」
要注意|事前面接に該当する可能性が高いケース
以下のような状況は、形を変えた「事前面接」とみなされる可能性が高いため、注意が必要です。
- 就業前に派遣先から面接や「顔合わせ」を求められた
派遣先が「一度会っておきたい」という名目で直接本人と面談する行為
⇒採否の判断は派遣先が行うのが原則 - 履歴書や職務経歴書を派遣先に直接渡すよう言われた
派遣先が個人の氏名や特定できる情報を把握し、選別材料にする
⇒書類の提出は雇用主である派遣会社との間で行うのが原則 - 「スキルチェック」として、採用前に派遣先の敷地内で試走を命じられた
技術確認を口実にした実質的な見極めで、事前面接に該当する恐れがある
⇒本来は派遣会社が事前にスキルを確認し、責任を持って送り出す
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4.【ドライバーの権利3】違法な働かせ方から守られる権利

運送業界には、責任の所在を曖昧にしたまま現場に負担を強いる不適正な契約形態が存在します。リスクを回避するためにも、どういった働き方が違法になるのか正しく理解しておきましょう。
偽装請負からの保護
「偽装請負」とは
派遣登録したはずが、裏で「請負契約」になっている状態。派遣法の守りがないため、事故時の補償等で大きなリスクを負う。
「派遣会社に登録し現場へ送り出されたはずが、裏で「請負契約」として処理されている」というケースがあります。依頼主が派遣法上の責任を逃れつつ、現場で安く使い倒すために行われます。
⚠️ 偽装請負の怪しいサイン
現場の状況をチェックしてみましょう
自身の会社の上司が不在で、現場の担当者からルート等を細かく命令される
休憩や残業の判断を、現場の担当者が直接下している
この状態は、万が一の事故が発生した際の責任の所在や労災の適用が極めて不安定になるため、注意が必要です。

【もしかして?と思ったら】
「就業条件明示書」を確認してください。「業務委託・請負」となっていれば、請負契約になっている可能性があります。
参照:厚生労働省 「労働者派遣・請負を適正に実施するためのガイド」
二重派遣からの保護
「二重派遣」とは
派遣先企業が、派遣された労働者をさらに別の会社へ勤務させる行為。職業安定法で固く禁じられている。
「二重派遣」は、賃金の中抜きや安全管理の責任逃れを招くため禁止されています
⚠️ 二重派遣の怪しいサイン
あてはまるものをタップしてください
契約にない別会社での勤務を依頼された
他社の制服着用を指示された
中間搾取で手取りが減るだけでなく、事故時の責任所在が曖昧になり、ドライバーの身が守られない等、重大なリスクを伴います。

【もしかして?と思ったら】
給与明細にある「給料の支払元」と「現場で指示を出す会社」が一致しているか確認してください。
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5.【ドライバーの権利4】安全に働く権利

派遣先企業には、派遣労働者に対しても安全管理を行う法的な義務があります。安全な運行を確保することは、ドライバー自身の命とキャリアを守る上で重要です。
安全運転管理者による保護
「安全運転管理者」とは、一定数以上の車両を持つ事業所に設置が義務付けられている、いわば「安全運行の監督責任者」です。派遣ドライバーに対しても、以下のような管理義務を負います。
乗務前後のアルコールチェック
健康状態の確認
法律を守った運行スケジュールの作成・管理
これを「派遣だから」と怠ることは、貨物自動車運送事業法等の関連法規に抵触します。
参照:国土交通省 「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」
2024年問題|労働時間の厳格化
2024年4月から、トラックドライバーの年間時間外労働に960時間の制限が課され、拘束時間や休息期間のルールも厳しくなりました。これは単なる規制強化ではなく、過労から身を守るための法的な防波堤です。
もし派遣先から「人手がないから、少しくらい休憩を削って走ってよ」と頼まれても、それは明確なルール違反です。

「これまで通り」という無理な運行を強いる現場には、法的な根拠を持って改善を求めることができます。
参照:全日本トラック協会 「知っていますか?物流の2024年問題」
6.【白トラ行為】巻き込まれる可能性のある重大な違反

「白ナンバー」の車両を用いた有償運送、いわゆる「白トラ行為」は、自身が意図せずとも重大な法令違反の当事者となってしまうリスクがあります。
他人の需要に応じて有償で荷物を運ぶ事業を行うには、国の許可が必要です。許可を受けた車両は「緑ナンバー」を装着しますが、許可のない「白ナンバー」でこれを行うことは貨物自動車運送事業法違反となります。
許可を受けた車両
- 運賃を受け取って荷物を運べる
- 運行管理者の配置が義務
- 厳しい安全基準と車両点検
- 高い任意保険への加入義務
許可のない車両
- 他人の荷物の有償運送は禁止
- 自社の荷物のみ運搬可能
- 法的な運行管理義務が低い
- 有償運送は「白タク」として罰則
この状態で事故を起こした場合、任意保険が適用されないケースが多く、運転していた本人が刑事罰や損害賠償等の深刻な事態に巻き込まれる恐れがあります。
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白トラ行為などの違法行為に巻き込まれないためには、信頼できる派遣会社を選ぶ必要があります。こちらの記事では、優良な派遣会社の見分け方や、安全に働くための具体的なチェックポイントを解説しています。
7.【チェックリスト】「これって不適正?」と思ったら

ここでは、不適正かどうかを確認するためのチェックリストと、万が一違反の可能性がある場合に相談できる連絡先を整理しました。判断に迷ったときの参考にしてください。
現状をチェックリストで確かめる
現在の就業環境が法的に適切であるか、以下のチェックシートで確認してみましょう。
一つでも当てはまるものがあれば、次に解説する「トラブル時の相談先」を参考に、専門的なアドバイスを受けることをお勧めします。
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トラブル時の相談先
指示内容に疑問を感じたり、不当な扱いを受けている可能性があったりする場合、まずは派遣会社の「派遣元責任者」へ状況を報告してください。
それでも改善が見られない場合は、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー(0570-001-000)」を利用しましょう。ここでは法令に基づく助言が受けられます。
参照:厚生労働省 「総合労働相談コーナーのご案内」
8.【Q&A】ドライバーからよくある質問

現場でよく「これって大丈夫なの?」と聞かれる法的な疑問について回答します。
Q.派遣先に「明日から来なくていい」と突然言われました
A.即時の解雇は原則として認められません。
万が一、契約期間中に派遣先が契約を解除する場合は、派遣会社があなたに対して別の仕事の確保、あるいは休業手当を支払う等「雇用維持の責任」を負います。
Q.派遣でも有給休暇は取れますか?
A.はい。有給休暇がつきます。
派遣社員であっても、6ヶ月以上継続して働き、所定の出勤日数の8割以上出勤していれば、法律に基づいた有給休暇が付与されます。
Q.事故を起こした際の賠償はどうなりますか?
A.派遣先企業が損害賠償責任を負うのが一般的です。
業務中の事故については、原則として指揮命令を行う派遣先企業が損害賠償責任(使用者責任)を負います。ただし、重大な過失がある場合などは例外となることもあるため、日頃からの安全確認とルールの遵守を徹底しましょう。
Q.「うちは請負だから派遣法は関係ない」と言われました
A.「偽装請負」の可能性があります。
派遣として契約している以上、必ず派遣法が適用されます。契約が請負になっていないか、まずは自身の契約内容と指揮命令の系統を確認してください。
Q.派遣先から直接「正社員にならないか」と誘われました
A.まず派遣会社に相談しましょう。
派遣会社と派遣先企業の間には引き抜きに関する契約がある場合が多く、勝手に承諾すると後々大きなトラブルになる可能性があります。
9.法令の理解は安全なキャリアに繋がる
派遣に関する法律の知識は、不当な扱いから自分を守り、派遣ドライバーの権利を守るために欠かせません。労働者派遣法の日雇い派遣・事前面接の原則禁止や2024年問題に伴う労働時間のルールなど、現場には守るべき決まりがはっきりと定められています。
もし、「これっておかしくない?」と思うようなことがあれば、労働局などの公的な相談窓口を活用してください。法的根拠に基づいた対等な交渉が可能になります。
正しい知識を持ち、行動に移すことが、安心して働ける環境と正当な報酬を守る基盤となるのです。
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