ドライバー派遣という働き方が注目を集めています。
本記事では、派遣ドライバーのメリット・デメリット、派遣の仕組み、物流の2024年問題との関係まで詳しく解説します。自分に合った働き方を見つけるための参考にしてください。
- 派遣ドライバーとして働くメリットとデメリット
- 派遣の基本的な仕組みと正社員との違い
- 物流の2024年問題とドライバー派遣の関係性
1.派遣ドライバーとして働くメリット

派遣ドライバーには、正社員やアルバイトとは異なる独自のメリットがあります。柔軟な働き方や正社員登用の可能性など、ライフスタイルに合わせた選択肢をご紹介します。
ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける
派遣ドライバーの魅力の一つは、自身の希望条件に合わせて働きやすい点です。
『残業が少ない』『週末休み』など個別の希望を派遣会社に伝えれば、条件に合う仕事を紹介されやすくなります。
プライベートの時間を大切にしたい方や、家庭と両立させたい方にとって、柔軟な働き方を選べることはメリットです。
正社員登用の可能性がある(紹介予定派遣など)
派遣ドライバーは、将来的に正社員として安定して働くためのステップとしても活用できます。
紹介予定派遣の仕組み
一定期間(最長6ヶ月)派遣として働いた後、本人と派遣先企業の双方が合意すれば、正社員または契約社員として直接雇用されます。
企業側も同様に働きぶりを確認できるため、ミスマッチの少ない採用が実現します。
「同一労働同一賃金」で待遇が明確化されている
2020年4月から施行された「同一労働同一賃金」のルールにより、派遣ドライバーは正社員ドライバーと同等の業務を行えば、基本給や諸手当について不合理な格差が生じないよう法律で保護されています。
派遣元事業主には、派遣先均等・均衡方式または労使協定方式のいずれかを確保することが令和2年4月より義務化されました。
どちらの方式でも法律による保護が受けられるため、派遣ドライバーとして安心して働ける環境が整備されています。
様々な現場を経験してスキルアップできる
派遣ドライバーは、様々な企業や現場で働く機会があるため、幅広い経験を積むことができます。配送ルートや扱う荷物の種類、使用する車両も現場ごとに異なるため、多様なスキルを身につけられます。
複数の現場を経験することで、業界の知識が深まり、対応力や柔軟性も向上します。将来的に正社員を目指す際や独立を考える際にも、この豊富な経験が大きな強みとなるでしょう。
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2.派遣ドライバーとして働くデメリット・注意点

メリットがある一方で、派遣ドライバー特有のデメリットも存在します。雇用の安定性やキャリア形成の課題を事前に理解し、後悔しない選択をしましょう。
雇用期間が定められている
派遣ドライバーの雇用契約は、多くの場合「有期雇用」、つまり期間が定められています。
同じ派遣先の同じ部署で働けるのは原則として最長3年までという法律上の制限もあります。(無期雇用派遣労働者や60歳以上の方は対象外)
継続雇用を希望する場合、派遣元は雇用安定措置として下記の内容を講じる義務があります。
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな派遣先の提供
- 派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用
- その他雇用の安定を図るための措置
ただし、同じ事業所でも異なる課での派遣の場合、派遣先が過半数労働組合等から意見聴取すればさらに3年延長することも可能です。
昇給やキャリアアップが難しい場合がある
派遣ドライバーは契約期間ごとの雇用となるため、正社員のような定期的な昇給制度が整っていない場合があります。
また、管理職へのキャリアパスが限られており、長期的なキャリア形成が難しいケースも見られます。
改善策
- 経験を積んで高度な資格を取得
- 専門性の高い配送業務にシフト
これらを実践することで時給アップを目指すことは可能です。将来的に正社員を目指す場合は、派遣先での直接雇用制度の有無を確認しておくと良いでしょう。
派遣会社や派遣先によって環境が左右される
派遣ドライバーの働きやすさは、派遣会社の管理体制や派遣先企業の職場環境に大きく左右されます。
各環境からの影響
派遣会社
派遣会社によりサポート体制や福利厚生の充実度が異なる
派遣先
業務量や労働時間、人間関係などの働く環境が変わる
契約更新のタイミングで別の現場に移る際、前職より条件が悪化する可能性もあります。
登録前に派遣会社の評判や実績を確認し、面談時には勤務条件や職場環境について詳しく質問することで、ミスマッチを防ぐことができます。
3.派遣の基本的な仕組み

派遣は派遣会社・派遣先・派遣社員の三者関係で成り立っています。正社員やアルバイトとは異なる派遣独自の仕組みを理解しておきましょう。
派遣会社・派遣先・派遣社員の「三者関係」

派遣契約を締結し、労働者を派遣する約束をします
雇用契約を結び、労働者は派遣元の従業員となります
派遣先が労働者に対して業務の指揮命令を行います
派遣ドライバーは派遣会社と雇用契約を結びながら、実際の業務は派遣先企業で行うという特殊な三者関係で成り立っています。
給与の支払いや社会保険の手続きは派遣会社が担当し、日々の業務指示や勤怠管理は派遣先が行います。
この仕組みにより、派遣ドライバーは複数の企業で柔軟に働けるメリットがある一方、責任の所在が曖昧になりやすい点に注意が必要です。
正社員・契約社員・アルバイトとの法的な違い
派遣社員と正社員・契約社員・アルバイトの最大の違いは、雇用主と勤務先が異なる点です。
企業が直接雇用し、直接指示を出す。正社員・契約社員・アルバイトが該当。
正社員・契約社員・アルバイトは企業と直接雇用契約を結び、その企業で働きますが、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で業務を行います。
労働者派遣法により、派遣期間には原則3年の制限があり、同一組織での長期就業には制約があります。
ただし、労働基準法や最低賃金法などの基本的な労働者保護は同様に適用され、有給休暇や社会保険加入の権利も保障されています。
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4.ドライバー派遣と「物流の2024年問題」の関係

ドライバー派遣の需要は、物流の2024年問題と深く関係しています。労働時間の上限規制により生じる人手不足と派遣の役割を解説します。
トラック運転者の約8割が法令遵守範囲内で稼働
トラック運転者の拘束時間分布
全自動車運転者データに基づく実態調査
13時間以下
(法令遵守目安)
13時間超
~15時間以下
15時間超
~16時間以下
※ 拘束時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間の合計です。トラック運転者の労働条件改善の指標として重要なデータです。
トラック運転者の拘束時間は原則13時間以内、最大15時間(長距離運行では週2回まで16時間可)と定められています。
実態調査では77.5%が13時間以下で稼働し、多くの事業者が法令を遵守しています。一方、13時間超が22.3%存在し、うち4.1%は15時間超の長時間労働となっています。
労働環境改善には、14時間超の削減が重要な課題です。
参考:厚生労働省:トラック運転者の労働時間等に係る実態調査事業 報告書
なぜ派遣が2024年問題の解決策になるのか
2024年問題により運送業界は深刻な人手不足に直面しています。ドライバー派遣は、繁忙期や急な欠員に迅速に対応でき、企業は必要な時期に必要な人数を確保できます。
また、正社員採用に比べて採用コストや教育コストを抑えられ、労働時間管理も派遣会社がサポートするため法令遵守が容易になります。
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5.ドライバー派遣に関するよくある質問

未経験者でも始められるのか、AIで仕事はなくならないのかなど、派遣ドライバーに関するよくある疑問に回答します。
-
未経験でも派遣ドライバーになれますか?
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はい、未経験からでも派遣ドライバーに挑戦できます。
まずは普通免許(AT限定可)で始められる仕事からスタートし、経験を積みながら中型・大型免許の取得支援制度を利用してステップアップする道もあります。
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AIや自動運転で、ドライバーの仕事はなくなりますか?
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AIや自動運転技術は発展していますが、完全な実用化には法整備や技術的課題があり、当面は人間のドライバーが必要です。
むしろ配送需要の増加により、ドライバー不足が深刻化しています。
技術が進歩しても、荷物の積み下ろしや顧客対応など人の手が必要な業務は残るため、すぐに仕事がなくなる心配はありません。
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派遣ドライバーから正社員になることは可能ですか?
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派遣ドライバーとして勤務実績を積めば、正社員登用のチャンスがあります。
特に「紹介予定派遣」制度では、最初から正社員を前提に一定期間派遣で働き、双方が合意すれば直接雇用されます。
通常の派遣からも、スキルや適性が認められて正社員になるケースは多数あります。
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派遣ドライバーとして働くまでの流れは?
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一般的な流れは、「1. 派遣会社に登録」→「2. 仕事の紹介」→「3. 雇用契約」→「4. 就業開始」となります。
登録から就業開始まで、数週間~1ヶ月程度で働き始めることができ、派遣会社が手続きをサポートしてくれるため、初めての方でも安心してスタートできます。
6.ドライバー派遣のメリット・デメリットを理解して最適な働き方を選ぼう
ドライバー派遣のメリットは、柔軟な働き方、正社員登用の可能性、同一労働同一賃金による待遇保護、多様な経験によるスキルアップなどがあります。
一方、雇用期間の制限や昇給の難しさといったデメリットも存在します。物流業界の人手不足が深刻化する中、派遣ドライバーの需要は高まっています。
自身のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、派遣という働き方を検討してみてはいかがでしょうか。
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