バス運転手の平均年収は、企業規模や勤務地、経験年数などによって大きく異なります。
この記事では、厚生労働省の統計データを基に、バス運転手の年収事情を様々な角度から解説します。また、他のドライバー職との年収比較や、年収アップのための方法、未経験からバス運転手になるために必要な資格などもご紹介します。
バス運転手を目指す方や、転職を考えている方の参考になれば幸いです。
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- バス運転手の平均年収と、企業規模や地域による年収の違い
- 仕事内容(路線バス・高速バス・送迎バス)による年収の差
- バス運転手になるための資格と、未経験からのなり方
1.バス運転手の最新の平均年収は?

バス運転手の平均年収について、企業規模・働く地域・勤続年数や年齢によってどのような違いがあるのか解説します。
あわせて、同じドライバー職であるタクシードライバーやトラックドライバーとの平均年収の違いについてもお伝えします。
企業規模別
厚生労働省の発表した「令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」にはバスドライバーの平均給与月額と年間賞与等が掲載されています。
そこから計算すると、バスドライバーの平均年収は約399万円です。詳細は月額約29.3万円、年間賞与等が約47万円です。
バスドライバーの年収を企業規模で分けて確認すると、
- 従業員「10〜99人」では、約355万円(月額 約27.3万円、年間賞与等 約27万円)
- 「100〜999人」では、約402万円(月額 約29.2万円、年間賞与等 約51万円)
- 「1,000人以上」では、約456万円(月額 約32.8万円、年間賞与等 約62万円)
でした。
統計調査の結果から、バスドライバーは企業規模が大きいほど年収が高額になるとわかります。
従業員規模 | 年収 | 月額 | 年間賞与等 |
---|---|---|---|
10〜99人 | 約355万円 | 約27.3万円 | 約27万円 |
100〜999人 | 約402万円 | 約29.2万円 | 約51万円 |
1,000人以上 | 約456万円 | 約32.8万円 | 約62万円 |
タクシー、トラックドライバーとの比較
「令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」には、タクシードライバーと大型トラックドライバー、大型車を除くトラックドライバーの平均給与も記載されているため、バスドライバーとほかのドライバーの平均年収を比較できます。
賃金構造基本統計調査のデータでは、
- タクシードライバーの年収は、約361万円(月額 約29.4万円、年間賞与等8.4万円)
- 大型トラックドライバーの年収は、約477万円(月額 約36.6万円、年間賞与等37.7万円)
- 大型車を除くトラックドライバーの年収は、約438万円(月額 約33万、年間賞与等42.2万円)
でした。
データ結果から、バスドライバーの年収約399万円はタクシードライバーよりも高く、トラックドライバーよりも低いとわかります。
ドライバー職種 | 年収 | 月額 | 年間賞与等 |
---|---|---|---|
タクシードライバー | 約361万円 | 約29.4万円 | 約8.4万円 |
大型トラックドライバー | 約477万円 | 約36.6万円 | 約37.7万円 |
大型車を除くトラックドライバー | 約438万円 | 約33万円 | 約42.2万円 |
働く地域による年収差はあるか?
バスドライバーの年収を「賃金構造基本統計調査令和2年以降」の都道府県別データで確認すると、地域によって年収がそれぞれ異なっていました。
バスドライバーの年収が高い地域は、神奈川県の約502万円、福岡県の約499万円、埼玉県の約451万円などです。ほかには年収が高い順に、宮城県、京都府、東京都が続きます。
バスドライバーの年収が低い地域は、秋田県の約279万円、山形県の約289万円、和歌山県の約296万円を始め、沖縄県、鳥取県、広島県などです。データでは、東北や中国地方などにバスドライバーの年収が低い地域が多くみられました。
上位の神奈川県と下位の秋田県の年収差は約223万円にもなり、働く地域によって年収に大きな差があります。
参考元:e-Stat「賃金構造基本統計調査令和2年以降 一般都道府県別職種(特掲)DB」
勤続年数や年齢による年収差はあるか?
年齢や勤続年数によっても、バスドライバーの年収は変化します。
「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」のデータから年齢別・勤続年数別の年収を確認すると、バスドライバーは、基本的に年齢が若いうちはまだ年収が低く、年齢が上がり勤続年数が長くなるほど年収は高額になります。
そして、50代前半に年収のピークを迎え、55歳を過ぎてから年収は徐々に低下していきます。

参考元:e-Stat「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
2.バス運転手の仕事内容でも給与が変わる
バスの運転手は、大きく「路線バス」「高速バス」「送迎バス」に分類可能です。運転手の仕事内容によって年収も異なります。
路線バス
路線バスは各地域の決められたルートを走るバスで、通勤や通学などに使われる公共交通機関のひとつです。
路線バスを運転する仕事では、運行ルート内の各バス停を決められた時間にまわる必要があります。車内で立っている乗客もいるため、安全に運転する技術も求められます。
バス料金の支払い確認などの業務もあり、ほかのバスドライバーと比べて乗客とのコミュニケーションを取る機会が多い仕事です。
路線バスの運営会社には、公営と民間の両方があります。なかでも公営の路線バスドライバーは公務員に当たるため、民間の会社に勤めるドライバーよりも比較的高額の年収が期待できます。
公務員の場合毎年一定の昇給があることから、勤務年数が増えるほど高収入になる仕事です。
高速バス
高速バスのドライバーは、都市間を結ぶ長距離区間を運転する仕事です。
出発地から目的地まで乗客を安全に送り届けるため、高速道路での安定した運転をする技術が必要です。
高速バスドライバーのなかでも、夜に出発して早朝に到着する夜行バスでは、サービスエリアなどで交代しながら運転する場合もあります。
目的地についたら休憩し、夜になってから往路と逆のルートで乗客を乗せて運転し出発地に戻ります。
夜行バスの運転は、深夜に長時間運転を行うため体力が求められる仕事です。
ただし深夜業務となり深夜手当が支給されるため、給与が高いといったメリットがあります。
送迎バス
送迎バスのドライバーの仕事では、会社、学校、幼稚園、介護施設、商業施設などで、従業員や学生、利用者などの送迎を行います。
運行距離が短く、限定された乗客だけを乗せて、朝や夕方などの決まった時間にのみバスを運転します。バスドライバーのなかでも勤務時間が安定していて、長時間労働になりにくい仕事です。
会社や学校などの場合、通勤通学などの送迎が終わったあとは夕方までドライバーの仕事がないため、正社員の仕事よりもアルバイトや契約社員の仕事が多い特徴があります。
また、朝と夕方にはドライバーの仕事をして、ドライバーの仕事がない昼間には施設の清掃や用務員などの仕事をする場合もあり、業務内容は勤務先によって異なります。
3.バスの運転手は未経験からでも始められる
バスドライバーは、学歴や経験などは必要なく、未経験の人でもなれる仕事です。
ただし、未経験の場合には、たとえ大型免許をもっていてもすぐにバスを運転することはできません。実践に役立つ、運転技術を磨く研修などが充実している会社に就職するのがおすすめです。
研修には、関係する法令についての知識や車両の日常点検方法などを学ぶ座学、安全な運転技術を身に付けるためのシミュレーターを利用した教習、実際にバスを運転する実技講習などがあります。
研修を終え、必要な技能を習得したことが認められると、バスドライバーとしての業務を行えるようになります。
事務仕事をしながら免許取得を目指すなど、未経験でさらに免許をもっていない状態で採用されるケースもあり、未経験でも始められる仕事です。
4.バス運転手になるための資格とは?

バスドライバーになるためには、運転する車両に応じた運転免許が必要です。主な免許には、普通自動車免許と大型自動車二種免許があり、それぞれ取得後に運転できる車両が異なります。
普通自動車免許を取得すると、送迎バスのような乗車人員10人以下の小型バスを運転できます。
ただし、一般的に取得されている普通自動車免許は、一種免許と呼ばれるものです。この免許では、有料で乗客を運ぶことができません。
そのため、一般的な普通自動車免許で運転できるのは、無料の送迎バスなどです。小型バスであっても、有料で運行する場合には普通自動車二種運転免許の取得が求められます。
路線バスや高速バスの運転手になるためには、大型自動車二種免許の取得が必要です。
大型自動車二種免許は、大型バスに有料で乗客を乗せて運転する際に必要になる免許です。
大型自動車二種免許を取得すると、総重量11t、最大積載量6.5t、乗車定員30人を超えるバスを運転できるようになります。
大型自動車二種免許は、普通自動車免許や大型自動車一種免許などの一種免許の取得から3年以上経過しているか、ほかの二種免許をもっていないと取得できません。
なお、大型自動車一種免許は、トラック、ダンプカーなどの荷物運搬を行う大型車両を運転するための免許です。乗客を乗せた運転ができないため、二種免許よりも難易度が低く合格しやすい特徴があります。
先に普通自動車免許や大型自動車一種免許など、何かしらの一種免許を取得しておくと、ドライバーへの転職前や転職後にすぐ大型自動車二種免許の取得を目指すことが可能です。
5.バス運転手の年収を上げるには?
バスドライバーは、勤続年数を積む、賞与が多い会社に転職するなどの方法で年収アップが可能です。
勤続年数を積む
バスドライバーは、勤続年数が長くなるほど運転技術が向上すると考えられるため、高い技術に応じた年収が期待できます。
また正社員の場合には毎年の昇給によるベースアップで、長く勤務するほど年収は上がります。
とくにバス会社の規模が大きいと昇格や昇給制度が充実しているため、始めはそれほど年収が高くない場合でも何年か働いているうちに年収が高額になっていきます。
賞与が多い会社に転職する
バス会社にはさまざまな会社があり、会社によって支給される給与の金額が異なります。
勤務先の会社の給与が少ない場合には、給与が多い会社への転職もおすすめです。月給の高さだけでなく賞与が多いかどうかもよく確認して求人を探すと、年収が高い転職先を見つけやすくなります。
また、民間よりも公営の会社で働く、バスドライバーの年収が多い地域で仕事を探すなどの方法でも年収アップが可能です。
夜間運行・長距離運行で稼ぐ
夜間に高速を走る長距離バスの運転をする場合、深夜から早朝にかけて運行する夜間運行に深夜手当がつくため、日中に運転するよりも多くの給与が支給されます。
また遠方までの長距離運行を行う場合には遠征手当などもつくため、長距離運行のコースを担当すると年収アップが期待できます。
夜間運行・長距離運行のバスの運転には、高い運転技術と体力が必要です。短距離の運行などで技術力を磨き実績を積んでから夜間運行や長距離運行を担当すると、高額年収につながります。
6.バス運転手のキャリアステップとは?

バスドライバーは多くの場合、最初に路線バスのドライバーから始めます。
路線バスドライバーを数年経験してから、運転するバスの車体が大きく、長距離を運転する観光バスや高速バスなどのドライバーになる人が多くみられます。
ドライバーの経験を重ねたあとに、ドライバーではなくバスの安全運行を管理する内勤業務の「運行管理者」になるキャリアの選択も可能です。
ドライバーの勤続年数が長くなると、ドライバーの育成を行う指導職への昇進も目指せます。ドライバーをそのまま続ける道もあり、運行管理業務や指導職などに携わる道もある、さまざまなキャリアを目指せる仕事です。
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7.バス運転手で高収入を目指すために
バス運転手の平均年収は、企業規模が大きいほど、また都市部で働くほど高くなる傾向にあります。
経験を積むことでさらなる年収アップも期待でき、夜間運行や長距離運行を担当することでも収入増が見込めます。
未経験でも、必要な免許を取得すればバス運転手になることができ、やりがいを感じながら安定した収入を得られる魅力的な職業です。
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