自販機補充の仕事は「きつい」「やめとけ」と言われることがあります。重労働や低賃金といった理由から敬遠されがちですが、運転スキルの向上や体力強化などのメリットもあります。
この記事では自販機補充の実態を詳しく解説し、向き不向きの判断材料を提供します。転職を検討している方は参考にしてください。
- 自販機補充が「やめとけ」と言われる具体的な理由について
- 自販機補充の仕事内容と平均収入の実態について
- 自販機補充のメリットと向いている人の特徴について
1.自販機補充の仕事とは?

自販機補充は商品の補充や売上金回収が主な業務です。普通免許があれば始められ、未経験者も歓迎される職種です。
自販機補充スタッフの1日の流れ
自販機補充の仕事は、その名の通り自動販売機に商品を補充することが主な業務です。出社後、担当ルートの自販機を回る準備をします。1日に20〜30台ほどの自販機を巡回するのが一般的で、1人が担当する自販機の台数は100~120台程度 です。
自販機に着いたら、売れ残っている商品を確認しつつ、足りない分を補充します。商品補充と同時に売上金の回収も行います。自販機内や周囲が汚れていれば清掃作業も必要です。
自販機補充の仕事とは?
自販機補充の仕事に就くために必要な資格は、普通免許(または準中型・中型免許)があれば始められ、未経験者も歓迎される職種です。担当ルートの巡回が一通り終わったら、営業活動に移ります。自販機の新規設置に向けて、企業や店舗、施設などに営業をかけ交渉するのです。うまくいけば新規設置につながり、インセンティブがもらえることもあります。
自販機補充の仕事に必要な資格
自販機補充の仕事に就くために必要な資格は、基本的には運転免許だけです。ただし、運転する車両の種類によって必要な免許が異なります。
普通自動車免許で運転できる車両の範囲は、免許取得時期によって異なります。
免許取得時期別の運転可能範囲
- 平成19年6月1日以前に取得:最大積載量5t未満まで運転可能
- 平成19年6月2日〜平成29年3月11日に取得:最大積載量3t未満まで運転可能
- 平成29年3月12日以降に取得:最大積載量2t未満まで運転可能
平成29年3月12日以降に普通免許を取得した場合は最大積載量2t未満のトラックしか運転できないため、現在は多くの会社で中型自動車免許が求められる傾向にあります。これは自販機補充業務では効率性を考慮して、ある程度の積載量があるトラックを使用することが多いためです。
▼普通免許で運転できるトラックについて詳しく
以下の記事では、普通免許で運転できるトラックの条件や制限を解説しています。免許取得時期による違いやドライバーへのキャリアアップ方法まで詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
中型自動車免許について
項目 | 条件・範囲 |
---|---|
年齢 | 20歳以上 |
経験 | 普通自動車運転免許を取得してから2年以上経過 |
最大積載量 | 6.5t未満 |
車両総重量 | 11t未満 |
平成29年3月12日以降に普通免許を取得した場合は最大積載量2t未満のトラックしか運転できないため、現在は多くの会社で中型自動車免許が求められる傾向にあります。これは自販機補充業務では効率性を考慮して、ある程度の積載量があるトラックを使用することが多いためです。
基本的には運転免許のみで十分ですが、会社によってはフォークリフト運転技能講習修了証は、倉庫作業等で重宝される場合があります。
平均月収・年収は?
気になる給与水準ですが、東京都の場合で月収21~30万円程度、年収に換算すると216~360万円程度 というのが相場です。大手で働く場合や正社員として働く場合には賞与などがあり、400万円から500万円稼ぐことも可能 です。
国税庁が公表する資料によると、全業界の令和5年分の平均給与460万円であるため、自動販売機の補充員の年収はやや少なめだといえるでしょう。経験を積んでキャリアアップしても、大幅な昇給は見込めないのが実情です。
自販機補充スタッフの雇用先は、大手飲料メーカーの専属販売代理店や、自販機の管理・運営を主業務とするオペレーター会社などが挙げられます。正社員での募集が多いのも特徴です。
参考:国税庁|令和5年分民間給与実態統計調査
▼自販機補充の年収を詳しく解説
以下の記事では、自販機補充スタッフの平均年収や収入アップのコツ、仕事の魅力、キャリアプランまで解説しています。ぜひ参考にしてください。
2.自販機補充の仕事を「やめとけ」と言われる5つの理由

重労働や不規則な勤務時間など、自販機補充には厳しい面があります。単調な作業とキャリアアップの難しさ、そして低賃金が主な問題点として挙げられています。
①重労働で体力への負担が大きい
自販機補充は飲料ケースの運搬など重労働が中心となります。飲料の入ったケースは重量を一日に何度も持ち上げる作業が必要です。屋外での作業も多く、真夏や真冬でも商品補充を行う必要があります。
一日中立ち仕事で移動も多いため、足腰への負担は相当なものとなります。体力に自信のない人には厳しい職種といえるでしょう。
②不規則な勤務時間で生活リズムが崩れやすい
ルート配送が基本のため勤務時間が不規則になりがちです。担当エリア内に自動販売機が多く設置されている場合、業務の負担も大きくなり勤務時間も長くなります。
渋滞や自販機のトラブル対応などで予定時間を大幅に超過することもあります。残業や休日出勤も多く、プライベートな時間の確保が困難になる場合があります。
③単調な作業でモチベーション維持が困難
毎日同じルートを回って商品補充や売上金回収を行う単調な作業が中心です。マニュアル通りの業務が多く、創意工夫の余地は限られています。
商品補充と清掃、集金といった一連の作業を繰り返すため、やりがいを感じにくくモチベーションの維持が難しいと感じる人も少なくありません。スキルアップしている実感も得にくい仕事です。
④キャリアアップの機会が限られている
自販機補充で培ったスキルが他の仕事で役立つ場面は限定的です。管理職への昇進も限られたポストを競う必要があり、容易ではありません。
専門性の高いスキルが身につきにくく、転職時の選択肢も狭まりがちです。長期的なキャリアプランを描くのが困難で、将来への不安を感じる人が多いのが現状です。
⑤給与水準が他業界と比べて低い
自販機補充員の給料は東京都の場合で月収21〜30万円程度で、年収に換算すると216〜360万円程度です。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査結果」によると、全業界の平均年収は460万円 であり、自販機補充の給与水準は低い傾向にあります。重労働の割には収入が見合わず、将来的な大幅な昇給も期待しにくいのが実情です。
自販機補充の仕事は体力面と精神面の両方でハードルが高く、誰にでも勧められる職種ではありません。重労働を厭わない体力と単調な作業を継続できる精神力が必要な仕事といえます。
参考:国税庁|令和5年分民間給与実態統計調査結果
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3.自販機補充の5つのメリット

体力的にハードな仕事ですが、運転スキルの向上や体力強化といった利点もあります。コミュニケーション能力も身につき、人間関係のストレスは比較的少ない職場環境です。
①運転スキルが磨ける
自販機補充は、運転スキルを磨く絶好の機会です。業務の大半が車の運転であり、さまざまな道路状況や交通ルールへの対応力が自然と身につきます。駐車スキルや車両感覚も養われるため、運転の腕に自信がつくでしょう。
積載スペースが限られる中で効率よく商品を載せる方法、狭い路地での駐車テクニックなど、経験を重ねるごとにドライバーとしてのスキルが向上していきます。運転の経験を積むことで、他の運送業へのステップアップのチャンスにもつなげていけるはずです。
② 体力が鍛えられる
自販機補充は体力勝負の仕事ですが、それゆえに日常的なトレーニングの機会にもなります。重いドリンクケースを何度も持ち上げることで、自然と筋力がついていきます。一日中体を動かしているため、運動不足になる心配もありません。
ハードな肉体労働をこなすことで、次第に体力に自信がつくはずです。日々の業務をこなすことが、健康維持にも役立つと考えられます。座りっぱなしの仕事よりも、適度な運動習慣が身につくメリットは大きいでしょう。
③コミュニケーション能力が身につく
自販機補充では、取引先とのやり取りも欠かせません。自販機設置のための営業活動はもちろん、売上金の回収時などにも顧客とコミュニケーションを取る必要があります。営業トークのスキルが磨かれ、対人スキルの向上が期待できます。
もともと人見知りな性格でも、仕事を通じて少しずつ克服できるかもしれません。あいさつや言葉遣い、態度など、ビジネスマナーが自然と身につくのも大きな収穫です。コミュニケーション能力は、どんな仕事でも役立つスキルと言えるでしょう。
④デジタル技術・IoTスキルが身につく
現代の自販機は高度にデジタル化されており、タブレット端末やスマートフォンアプリを使った在庫管理、売上データの確認、機械の故障診断などが日常業務となっています。キャッシュレス決済システムの対応や、IoT機能を活用した遠隔監視システムの操作など、最新のデジタル技術に触れる機会が豊富です。
これらの経験は、他の業界でも求められるデジタルリテラシーの向上につながり、将来のキャリア形成において大きな武器となるでしょう。
⑤安定した収入と需要の確保
自販機業界は景気の変動に比較的左右されにくく、安定した収入を期待できます。日本全国に約400万台の自販機が設置されており、継続的なメンテナンスと補充が必要なため、長期的な雇用の安定性があります。
また、高齢化社会の進行により、重労働を担う人材の需要は高まっており、経験を積めば管理職や指導員としてのキャリアアップも可能です。
4.自販機補充の仕事に向いている人

体力に自信がある人が最も適しており、特に20代から30代の方に向いています。この仕事は重い飲み物のケースを一日中運ぶ体力勝負の側面が強く、1日に20~30台の自販機を巡回しながら重いケースを何度も持ち運ぶ必要があります。
運転が好きで技術を向上させたい人にもおすすめです。勤務時間の大半を運転に費やすため、運転自体を楽しめる人や、将来的に運送業界でキャリアアップを目指している人には良い経験になります。
一人で作業することを好む人にとって理想的な職場環境と言えるでしょう。基本的に1人でトラックを運転して担当エリアの自販機を巡回するため、煩わしい人間関係に悩むことなく仕事に集中できるのが大きな魅力です。
未経験から安定収入を得たい人にも適しています。未経験でもすぐに働き始められるため、早期に収入を得たい人にとっては好条件です。月収は20~30万円ほどが一般的で、年収では240~360万円程度が期待できます。
最後に、記憶力がある人に向いている点も重要です。受け持つ自販機の数が非常に多く、100~120台程度の自販機の設置場所をしっかりと記憶する必要があるため、記憶力に自信のある人が有利になります。
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5.自販機補充からのキャリアステップ

培った運転スキルを活かしてトラックドライバーに転職できます。社内での管理職昇進や営業職への転身も可能で、物流業界での資格取得がステップアップの鍵となります。
トラックドライバーへの転職
自販機補充で培った運転スキルを活かせる最もオーソドックスなキャリアパスが、トラックドライバーへの転職です。自販機補充車両の運転経験を土台に、大型トラックの運転手を目指すことができるでしょう。
長距離輸送や配送業務など、より高度な運転スキルが求められる仕事にチャレンジするチャンスです。大手運送会社や物流会社に転職するのも夢ではありません。ステップアップを目指すなら、大型免許の取得が重要なポイントになるはずです。
▼トラックドライバー転職のまえに抑えておくべきポイント
以下の記事は、未経験からトラック業界への転職を成功させる7ステップを解説しています。必要な資格、職種選び、優良企業の見分け方まで紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
配送センターでの管理職
自販機オペレーター企業に勤めているなら、社内での昇進を目指すのも一つの選択肢です。実務経験を積んだ後は、配送拠点の管理業務を任される可能性もあります。
マネジメントスキルを磨くことで、将来的には所長や支店長などの管理職を目指せるかもしれません。部下の育成や業務の効率化など、より高度な仕事にチャレンジできる環境が整っているはずです。
多岐にわたるキャリアパス
自販機補充で培った営業力を武器に、物流会社の営業職に転身するという道もあります。自販機設置のための営業経験は、物流営業でも十分に通用するはずです。
ルート開拓や新規顧客の獲得など、営業活動の最前線で力を発揮できるでしょう。営業成績次第では、将来的に営業のマネージャーになれる可能性もゼロではありません。より高いポジションを狙うためには、営業手法のブラッシュアップが欠かせません。
自販機補充は、必ずしも永遠の職業ではありません。より良いキャリアを目指すなら、自販機補充で得たスキルを武器に、新たなステージに挑戦してみるのも良いかもしれません。
運行管理者や危険物取扱者など、物流業界で役立つ資格の取得を目指すのも一案です。自己投資を怠らず、着実にステップアップを図ることが肝要だと言えるでしょう。
自販機補充は、キャリアアップのための下積み期間だと割り切るのも大切です。この仕事で得たスキルを武器に、新たな目標に向かって頑張ってみてはいかがでしょうか。
6.自販機補充は適性を見極めて選択しよう
自販機補充は重労働で低賃金という厳しい面がある一方、運転スキルや体力が身につくメリットもあります。体力に自信があり運転が好きな人には向いていますが、長期的なキャリアプランを考えると慎重な判断が必要です。
未経験から始められる安定した収入源として、一時的な選択肢と割り切るなら価値のある仕事といえるでしょう。自分の適性と将来の目標を照らし合わせて検討することが大切です。
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