運行管理者は、国家資格を持ってトラックやバス、タクシーの安全な運行を営業所から支える仕事です。点呼や配車、ドライバーの労務管理などを担い、年収は約300万〜620万円と幅があります。
長時間の運転や荷役がないぶん体力の負担を抑えやすく、ドライバーとしての経験も活かせます。本記事では、5つの仕事内容と一日の流れ、資格の取り方、内勤に移るときの確認ポイントを解説します。
- 運行管理者の資格で何ができるのか、5つの仕事内容と一日の流れ
- ドライバー経験が活きる理由と、内勤に移るときの給料・仕事の確認ポイント
- 受験資格・試験の概要・試験なしで取得する方法など、資格の取り方
1.運行管理者とはどんな資格?

まずは、「運行管理者」という資格の概要や、運送業界でなぜ必要とされているのかを解説します。
国家資格「運行管理者」とは
運行管理者とは
道路運送法および貨物自動車運送事業法に基づき、事業用自動車の安全な運行を確保するための業務を担う国家資格。
主な業務は、トラックやバス、タクシーなどの事業用自動車が安全に運行できるよう、ドライバーの乗務や車両の運行を管理することです。ドライバーが出庫してから帰庫するまで、営業所から安全な運行を支えます。
具体的な仕事内容については、次章で詳しく解説します。
営業所ごとに必要な人数が決まっている
運送事業者は、営業所が保有する車両の数に応じて、運行管理者資格者証の交付を受けている人の中から一定人数以上の運行管理者を選任しなければなりません。
| 事業の種類 | 営業所ごとの人数 |
|---|---|
| トラック | 29両まで1名 以降30両ごとに1名追加 |
| 乗合バス・タクシー | 39両まで1名 以降40両ごとに1名追加 |
| 貸切バス | 39両まで2名 以降20両ごとに1名追加※ |
※貸切バスは、100両を超える分は30両ごとに1名追加
トラックの場合、原則として車両が1台でもあれば、1名以上の選任が必要です。ただし、5両未満の営業所で、地方運輸局長が安全の確保に支障がないと認めた場合は例外とされています。
なお、タクシーは5両以上の車両を管理する営業所が選任の対象です。また、運行管理者を複数置く営業所では、全体をまとめる統括運行管理者も選任します。
出典:国土交通省「運行管理者について」、e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」、e-Gov法令検索「旅客自動車運送事業運輸規則」
2.運行管理者資格取得後の5つの仕事内容

運行管理者の業務は多岐にわたり、安全運行の確保からコスト管理まで、幅広い責任を担います。ここでは、運行管理者の資格を持つことで「できること」として、主な業務内容を解説します。
運行管理者の仕事①車両管理
車両管理のポイント
- 車両の安全管理
(定期点検・整備の実施、不具合への迅速な対応) - 車両状態の把握
(日常的な状態確認、異常の早期発見) - 車両管理計画の立案
(適正台数の管理、増減車の判断、効率的な車両活用)
運行管理者は、会社が保有する全車両の安全管理を担当する重要な役割を担っています。
定期的な点検・整備を実施したり、不具合を発見した際は迅速に対応したりすることで、重大事故を未然に防ぐ必要があります。
また、車両の適正台数を判断し、効率的な運用を通じて会社の収益向上に貢献することも求められます。
運行管理者の仕事②運行スケジュールの作成と管理
運行スケジュール作成と管理のポイント
- 綿密な運行計画の作成
(荷主の要望、納期、ドライバーの配置を考慮) - 法令遵守の徹底
(運転時間や休憩時間の管理、ドライバーの健康管理) - 状況に応じた柔軟な対応
(交通状況や天候による計画変更、臨機応変な調整)
運行管理者は、荷主のニーズに応えながら、ドライバーの労務管理も考慮した運行スケジュールを作成したり、法令で定められた運転・休憩時間を確実に確保したりする必要があります。
また、日々変化する交通状況や天候に応じて、柔軟にスケジュールを調整し、安全で効率的な運送業務の遂行を実現することが求められます。
運行管理者の仕事③配送ルートの選定
配送ルート選定のポイント
- 安全性の確保
(事故多発地帯の把握、渋滞リスクの高いエリアの回避) - 車両特性に適した経路選択
(道幅や重量制限の確認、トラックの大きさに合わせたルート設定) - 最新情報の収集と活用
(国土交通省・警察からの交通情報の定期的な確認と運行計画への反映)
運行管理者は、渋滞が予想されるエリアを避けたり、事故多発地帯を迂回したりしながら、最適なルートを選定する必要があります。単に最短距離だけを考えるのではなく、トラックの大きさや重量に適した道路を選ぶことが重要です。
そのためには、国土交通省や警察が提供する最新の交通情報を常にモニタリングし、状況に応じて柔軟にルートを見直す必要があります。
安全で効率的な配送を実現するには、このようなポイントを総合的に判断する能力が求められます。
運行管理者の仕事④安全管理と事故防止対策
安全管理と事故防止対策のポイント
- ドライバーへの安全教育
(交通ルールの徹底、安全運転の指導) - 事故リスクの分析と対策
(危険箇所の把握、事故防止策の立案) - 情報共有と意識向上
(ヒヤリハット事例の収集・周知、安全意識の醸成)
運行管理者は、ドライバーに対して交通ルールや安全運転の重要性を指導したり、日常的な安全教育を実施したりすることで、事故防止に努める必要があります。
また、事故リスクの高い状況を分析し、ヒヤリハット事例の共有など具体的な防止策を講じることで、運送業務の安全性を高めることが求められます。
万が一事故が起きたときは、状況の確認や会社への報告、再発防止策の検討にもあたります。
運行管理者の仕事⑤ドライバーの労務管理
点呼と労務管理のポイント
- ドライバーの健康管理
(疲労度の把握、適切な休養の確保) - 法定点呼の確実な実施
(運転前後の健康確認、安全運転の指導) - コミュニケーションの維持
(日常的な状態確認、変化の早期発見)
運行管理者は、ドライバーの疲労状態を把握したり、十分な休養時間を確保したりすることで、安全運転のための健康管理を行う必要があります。
また、法令で定められた点呼を確実に実施し、日常的なコミュニケーションを通じてドライバーの心身の状態を適切に把握することが重要です。
運行管理者の一日の流れ(一例)
運行管理者の一日は、ドライバーの出庫と帰庫に合わせて動くのが一般的です。早朝に出庫するトラック営業所で、日勤の運行管理者が働く場合の一例を紹介します。
| 時間 | 主な業務 |
|---|---|
| 5:30 | 出社。引き継ぎと当日の配車表を確認 |
| 6:00 | 乗務前点呼(酒気帯び・体調・日常点検の確認、運行の指示) |
| 8:00 | 点呼記録の整理。欠勤が出たら代わりを手配 |
| 9:00 | 運行状況の把握。遅延や荷待ちの連絡に対応 |
| 12:00 | 昼休憩 |
| 13:00 | 翌日以降の配車・乗務割の作成。拘束時間を確認 |
| 15:00 | 乗務後点呼。運行中の出来事やヒヤリハットを聞き取る |
| 17:00 | 翌日の準備。遅い便の点呼は遅番や補助者に引き継ぐ |
点呼は朝と夕方に集中するため、早番・遅番の交代制をとったり、補助者と分担したりしている営業所もあります。
一日中パソコンに向かう仕事ではない

ドライバーとしてずっと現場仕事だったから、内勤なんてできるか不安。
このように、「運行管理者が務まるか不安」という方も多いでしょう。実際に、運行管理者の業務には、点呼記録や運行記録の管理、配車表の作成など、書類やパソコンを使う作業が含まれています。
とはいえ、業務の中心は点呼での対面確認や運行中の連絡対応など、ドライバーとのやり取りです。パソコン作業はあくまで業務の一部であり、多くの場合は営業所で使われている決まった様式やシステムに沿って入力する作業が中心になります。
3.ドライバー経験は運行管理者の仕事に活きる

運行管理者の仕事は、ドライバーの安全を守ることが目的です。そのため、ドライバーとして現場で活躍してきた経験は、運行管理者として働くうえで大きな強みになります。
運行管理者はベテランドライバーからの社内登用が多い
当社の転職支援担当者によると、運行管理者は現場のオペレーションを熟知していないと務まらないため、外部から採用するよりも、社内のベテランドライバーを昇格させるケースが多いといいます。
≪ベテランドライバーを昇格させるメリット≫
- ドライバーの体調や疲れの変化に気づきやすい
長距離運転や夜間運行など、体調への負担が大きいタイミングを把握しているため、ドライバーの体調変化にも気づきやすい。 - 道路事情や荷主の事情を踏まえた判断がしやすい
道幅や混雑する時間帯、荷下ろし先の事情などを知っているため、無理のない運行計画を組める。 - 安全指導に説得力が生まれる
同じ安全指導でも、現場を経験した人の言葉は後輩ドライバーに届きやすくなる。
運行管理者への移行は、単にデスクワークへ移ることではありません。これまでの現場経験を土台に、後輩ドライバーから頼られる営業所の司令塔として働き方を広げていく選択肢といえます。
運行管理者へのステップアップが向いている人
ドライバーとして働くなかで、次のような場面に心当たりがある人は、運行管理者へのステップアップが向いているといえます。
- 後輩ドライバーの相談に乗ったり、仕事を教えたりするのが苦にならない
- 自分の便だけでなく、営業所全体の運行がうまく回っているかが気になる
- 体調が悪そうな同僚や、無理のあるスケジュールに気づいて声をかけられる
- 荷主や配車担当とのやり取りで、落ち着いて調整できる
- 安全ルールを守ることの大切さを、現場で実感してきた
運行管理未経験なら、転職と社内登用どちらがよい?
結論からいうと、今の会社で運行管理者への登用の道があるなら、社内登用のほうが進めやすいでしょう。当社の転職支援担当者によると、運行管理の経験者を中途採用するより、自社ドライバーに資格を取得させる企業が多いためです。
一方で、今の会社に登用の機会がない場合や、働く環境を変えたい場合は、未経験歓迎の求人に転職する選択肢もあります。実際に当社が保有する運行管理者求人(2026年9月時点、非公開求人を含む)のうち、約3分の1が「未経験歓迎」の求人でした。
ただし、多くの場合、最初から運行管理者として実務を任されることは少なく、先輩の下で基礎を学ぶ期間が設けられます。運行管理補助者として採用され、研修後に正式な運行管理者へ昇格するケースも一般的です。
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4.社内で打診されたら|ドライバーからのステップアップ

「打診される→翌日からすぐ内勤」というわけではなく、登用までには一定の流れがあります。事前に転向までの流れを把握しておきましょう。
まずは運行管理補助者として実務を学ぶ
「点呼も配車も、一人で回せるだろうか」と不安になる方も多いでしょう。ただ、打診されたその日から、営業所の運行管理をすべて一人で任されるとは限りません。
営業所によっては、まず基礎講習を受けて運行管理補助者に選任され、運行管理者の指示のもとで点呼などの業務を手伝いながら仕事に慣れていく、という段階を踏むことが一般的です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ①基礎講習を受講 | 16時間の講習。補助者の要件と受験資格を得られる |
| ②補助者として実務を経験 | 運行管理者の指示のもとで点呼などを担当 |
| ③試験に合格 | 資格者証の交付を受け、運行管理者に選任される |
補助者は、運行管理者から任された範囲の業務を行い、処理した内容を運行管理者に報告する立場です。判断に迷う場面では運行管理者の指示を仰ぎながら進められるため、先輩のそばで実務を覚えつつ、試験勉強も並行しやすいでしょう。
なお、点呼は原則として運行管理者が行うもので、補助者が担当できるのは一部です。国土交通省の通達では、点呼の少なくとも3分の1は運行管理者が行うこととされています。
出典:国土交通省「運行管理者について」、国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」
事前に確認したいチェックリスト
運行管理者への打診を受けたら、次の点を会社と話しておくと安心です。
- 試験合格までの目安の期間と、勉強時間を確保できるか
- 受験費用や講習費用を会社が負担してくれるか
- ドライバー業務と並行しながら受験するのか
また、運行管理者になった後の働き方についても、事前に確認しておきましょう。
- 補助者から始めるのか、すぐに運行管理者として選任されるのか
- 早朝・夜間点呼のシフト体制
- 欠勤者が出たときの穴埋めを担当することはあるか
当社の転職支援担当者によると、拘束時間の長さや欠勤者が出たときの穴埋め負担などから、ドライバーに戻る方も一定数いるといいます。転向後のミスマッチを防ぐためにも、自分が納得できる働き方かどうかを事前に確認しておきましょう。
なお、ドライバーから転向すると、給与も変わるのが一般的です。給与に関する注意点は第6章で詳しく解説します。
5.運行管理者資格を取得するメリット3つ

運行管理者には、キャリアアップの可能性や長く働ける安定性など、魅力的なメリットがあります。具体的なメリットを3つ紹介します。
①運送業界でのキャリアアップ
運行管理者は、営業所ごとに保有車両数に応じた選任が義務付けられている職種であり、安定した需要が見込める資格です。
運行管理者資格を取得することで、運送会社の中核として活躍できるだけでなく、管理職への昇進など、さまざまなキャリアパスが開かれています。
運送業界でのキャリア形成を目指す人にとって、将来性とステップアップの可能性を広げられるでしょう。
②やりがいのある仕事
運行管理者は運送業務の中核を担い、安全で効率的な輸送の実現のために多岐にわたる業務をこなします。
常に問題解決を求められる忙しい仕事ですが、自身の判断が安全運行や業務効率に反映され、やりがいを感じやすい仕事です。
ドライバーの安全確保や輸送コスト削減など、具体的な成果を実感できる場面も多く、責任感と強い意志を持つ人に適した職種です。
③資格を活かした転職の選択肢
運行管理者の国家資格は、トラック運送会社や物流会社、バス・タクシー会社など、事業用自動車を使うさまざまな事業者で求められる資格です。運送事業者で選任が義務付けられているため、転職の際のアピールとしても効果的です。
求人によっては資格保持者を応募条件や歓迎条件としているものもあり、転職先の選択肢が広がります。また、取得後は統括運行管理者へのスキルアップも目指せます。
6.運行管理者の年収・給料事情

運送業界における運行管理者の給与水準は、経験や企業によって大きく異なります。ここでは具体的な年収相場と給与アップのポイントを解説します。
運行管理者の平均年収の目安
求人ボックス 給料ナビによると、運行管理者の平均年収は約426万円です(2026年10月時点)。ただし、給与の幅は約300万〜620万円と広く、企業規模や地域、手当の内容、経験年数によって差があります。
出典:求人ボックス 給料ナビ「運行管理者の年収・時給」(2026年10月6日更新)
経験を積んで、複数の運行管理者をまとめる統括運行管理者や、営業所の管理職を任されるようになると、収入アップを目指しやすくなります。
企業規模別・経験年数別の相場や、給料アップの方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事
ドライバーから内勤に移ると給料は下がる?
ドライバーとして受け取っていた乗務手当や長距離手当などは、内勤に移ると支給対象外になる場合があります。一方で、資格手当や役職手当が新たに加わることもあるため、手取りが増えるか減るかは会社の制度次第です。
ドライバーからのステップアップを考える際は、次の点を事前に確認しておきましょう。
- 基本給は変わるのか
- 乗務手当など、なくなる手当はどれか
- 資格手当・役職手当は支給されるのか、金額はいくらか
- 早朝・深夜手当はつくか
7.運行管理者の資格取得方法

運行管理者になるために必要な国家資格の取得方法や試験の概要、効果的な勉強法について詳しく解説していきます。
受験資格の条件
運行管理者試験を受験するには、一定の条件を満たす必要があります。受験資格は、次の2つの方法で得ることができます。
①実務経験による受験資格
事業用自動車の運行管理に関して1年以上の実務経験がある場合は、実務経験による受験資格が与えられます。ただし、運転手としての経験年数ではなく、運行管理に関わる業務に従事した年数のみカウントされるため注意してください。
②基礎講習の修了による受験資格
実務経験が1年未満の場合でも、国土交通大臣が認定した基礎講習を修了すれば、運行管理者試験の受験資格が得られます。基礎講習は、運行管理に関する基礎知識を学ぶための講習で、講習時間は16時間です。
なお、受講する講習の種類(貨物・旅客)は、受験する試験の種類と同じである必要があります。

【編集部からのワンポイント】
受験資格に学歴の条件はありません。中卒から大卒まで、学歴に関係なく誰でも挑戦できます。
試験の概要
運行管理者の資格試験は、貨物と旅客の2種類があり、年2回(8月頃・3月頃)にそれぞれ1か月程度の期間で実施される国家試験です。
試験はパソコンで解答するCBT方式で、運送事業法などの法令に関する知識と、運行管理者の業務に関する実務上の知識が計30問出題されます。画面の問題を読んで選択肢をマウスでクリックするだけなので、基本的なPC操作ができれば問題ありません。
合格するには、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であることに加え、出題分野ごとに決められた最低正解数を満たす必要があります。
| 出題分野 | 出題数 | 最低正解数 |
|---|---|---|
| 貨物自動車運送事業法 (旅客は道路運送法) | 8問 | 1問以上 |
| 道路運送車両法 | 4問 | 1問以上 |
| 道路交通法 | 5問 | 1問以上 |
| 労働基準法 | 6問 | 1問以上 |
| 実務上の知識及び能力 | 7問 | 2問以上 |
試験に合格した場合は、結果発表日から3か月以内に、運輸支局等で運行管理者資格者証の交付申請を行う必要があります。期限内に申請しないと合格が無効になるため注意してください。
出典:公益財団法人 運行管理者試験センター「新規受験概要「④出題分野及び合格基準」」、公益財団法人 運行管理者試験センター「結果発表・合格後の手続き」
試験なしで資格を取得する方法(実務経験5年+講習5回)
以下の条件を満たせば、試験を受けずに運行管理者資格者証を取得することもできます。
- 運行管理に関する5年以上の実務経験
- その間に講習を5回以上受講
ただし、これはすでに運行管理の実務に長く携わっている人向けの方法です。これから運行管理者を目指すドライバーの場合は、基礎講習を受けて試験に合格するルートが現実的な選択肢になります。また、国土交通省の資料では、貸切バスの運行管理者はこの方法の対象外とされています。
試験勉強のコツ
難易度の目安となる合格率は、近年はおおむね30%台で推移しています(※)。合格率は低いものの、過去問と似た問題が繰り返し出題される傾向があり、過去問を繰り返し解いておけば、勉強が苦手な方でも一発合格を目指しやすい試験といえます。
運行管理者試験対策に特化した専門書や公式サイトで見られる過去問などを活用し、出題傾向を押さえておくことが合格への近道です。独学だけでは心細いという人は、通信講座を利用する方法もあります。
ただし、トラックなどのドライバーの労働時間を定めた改善基準告示は2024年4月から改正後の内容が適用されているため、古い過去問を使う場合は最新の内容で覚え直しましょう。
※公益財団法人 運行管理者試験センター「結果発表」および各年度の公表データ・報道発表等をもとに編集部で集計
資格取得にかかる費用
運行管理者試験を受験するには、受験手数料とシステム利用料がかかります。基礎講習を受講して受験資格を得る場合は、別途講習の受講料も必要です。新規受験の場合の目安は次のとおりです(テキスト代などは別)。
- 「実務経験あり」で受験する場合
6,660円(受験手数料6,000円+システム利用料660円) - 「実務経験なし」で基礎講習を受講する場合
約1万5,000円〜(上記+基礎講習の受講料 約9,000円)
出典:一般社団法人 大阪府トラック協会「令和7年度第2回 運行管理者試験のご案内」、一般社団法人 大阪府トラック協会「運行管理者基礎講習 受講料助成のご案内」(基礎講習の受講料は実施機関によって異なる場合があります)
なお、受験料や講習費の補助といった「資格取得支援制度」がある会社も多くあります。
当社が保有する運行管理者求人(2026年9月時点、非公開求人を含む)のうち、資格取得支援制度を明記している求人は4割でした。当社の転職支援担当者によると、比較的規模の大きい会社ほど、こういった制度が整っている傾向にあるといいます。
■資格取得支援のある会社で働きたい方へ
「資格取得支援制度のある企業を紹介してほしい」という方は、ドライバー専門の転職エージェントにご相談ください。
▼カラフルエージェント ドライバーへのお問い合わせはこちら
▼関連記事
以下の記事では、資格取得方法や受験の詳細、資格取得後のキャリアパスについて解説しています。ドライバー経験を活かした効率的な勉強方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
8.運行管理者資格の仕事内容に関するよくある質問

ここでは、本文で触れきれなかった運行管理者の資格や仕事に関する疑問にお答えします。
-
運行管理者はドライバーと兼任(兼務)できますか?
-
法令上、運行管理者がドライバーを兼ねることを直接禁じた規定は見当たりません。ただし、運行管理者は営業所で点呼などを行うのが基本で、点呼の少なくとも3分の1は運行管理者が行う必要があります。
日常的に運転業務を兼ねると本来の業務に支障が出るおそれがあるため、兼務の可否や体制は会社や管轄の運輸支局に確認しましょう。
-
トラックの運行管理者を目指す場合、貨物と旅客のどちらの試験を受ければよいですか?
-
トラックなどの貨物自動車運送事業で運行管理者を目指す場合は「貨物」の試験が対象です。
バスやタクシーの場合は「旅客」の試験になります。
-
運行管理者に選任された後も、講習を受ける必要はありますか?
-
はい。選任された運行管理者は、2年ごとに講習を受講する必要があります。
通常は5時間の一般講習を受講します。死者や重傷者が出る事故を起こした営業所の運行管理者は、特別講習の受講も必要です。最新の情報は国土交通省の「運行管理者について」で確認してください。
-
運行管理者の試験に落ちても、再挑戦できますか?
-
試験は年2回あるため、不合格でも次の回で再挑戦できます。
合格率が30%台の試験なので、一度で合格できないことも珍しくありません。過去問を繰り返し解いて、再挑戦を目指しましょう。
9.まとめ|運行管理者の給料・仕事内容・資格取得について
運行管理者は、運送業界の安全と効率的な運行を支える職種です。車両管理やスケジュール管理、安全管理など、幅広い業務を担当します。運送事業者には営業所ごとに運行管理者を選任することが義務付けられており、業界を支える重要な役割を担っています。
年収は約300万〜620万円と幅があり、経験を積むことでキャリアアップを目指せる可能性もあります。
運行管理者になるには国家資格の取得が必要ですが、学歴は問われません。これまでの学歴よりも、ドライバーとして培ってきた現場経験が、強みとして評価されやすい職種です。後輩ドライバーから頼られる営業所の司令塔として、長く働ける道を考えてみてはいかがでしょうか。