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白タクとは?違法な理由と罰則を解説

自分の車で人を送迎し料金をもらう「白タク」は、道路運送法違反となる違法行為です。

軽い気持ちで始めたとしても、3年以下の拘禁刑や罰金が科され、事故時には保険が適用されないという極めて深刻なリスクがあります。

この記事では、白タクの定義とリスクを明確に解説し、法的に安全な「日本版ライドシェア」や「正規ドライバー」として車を活かした安定的な働き方を見つけるための道筋をご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 白タクは違法行為で重い罰則がある
  • 日本版ライドシェアと白タクは全く別物
  • 合法的に車を活かして働く方法がある

1.白タクとは?「自分の車で送迎」が犯罪になる理由

1.白タクとは?「自分の車で送迎」が犯罪になる理由

どのようなことをすると、「白タク」と見なされるのでしょうか?白タクの定義と、なぜ白タクが違法とされているのかについて解説します。

白タクの明確な定義と名前の由来

「白タク」とは、営業許可を持たずに自家用車やレンタカーを使用し、料金を受け取って人を運ぶ、違法なタクシー行為を指します。

名前の由来は、正式なタクシーが使用する事業用の緑色ナンバープレートではなく、自家用車の白色ナンバープレートを使っていることにあります。

「白」は自家用車を、「タク」はタクシーを意味しています。

なぜ違法?根拠となる「道路運送法」とは

国の許可を受けずに自家用車やレンタカーを使用し、料金をもらって人を送迎する「白タク」行為は、道路運送法に違反するため、違法行為として厳しく規制されています。

この法律は、運送事業の安全と公正な競争を確保することを目的としています。

そのため、無許可で営業した場合は、3年以下の拘禁刑や300万円以下の罰金など、非常に重い罰則が科される可能性があります。

参考:e-Gov法令検索|道路運送法

2.「知らなかった」では済まされない!白タク行為の重い罰則とリスク

2.「知らなかった」では済まされない!白タク行為の重い罰則とリスク

軽い気持ちで「副業だから」と安易に白タク行為に手を出すと、思わぬ大きな代償を負うことになるかもしれません。ここでは、そのリスクについて詳しく解説します。

拘禁刑3年以下または罰金300万円以下の刑事罰

無許可で運送事業を行うと、道路運送法違反となり、「3年以下の拘禁刑」または「300万円以下の罰金」、あるいはその両方が科される可能性があります。

最近では、いわゆる白タク行為が以前よりも巧妙化し、取り締まりが難しくなっています。ただし、万が一発覚した場合は、非常に厳しい処分が科されるため、十分な注意が必要です。    

参考:e-Gov法令検索|道路運送法 第96条

事故を起こしたら?保険が適用されない悲惨な末路

白タクは、一見すると自由に働いてお金を稼げる手軽な手段のように思われがちです。しかし、万が一事故が発生した場合、そのすべての責任は運転者本人に課せられます

しかも、保険の契約内容によっては、被害に対する補償が十分に行われなかったり、補償適用外とされたりする恐れがあります。

正規のタクシーにおいて事故が発生した場合、タクシー会社が責任を負うのとは大きく異なります。

このように、手軽さの裏には、人生を大きく左右しかねない深刻なリスクが潜んでいます。

料金トラブルや犯罪に巻き込まれる危険性

白タクの場合、料金トラブルなどが発生した場合、対応するための窓口やマニュアルが用意されていないことがあります。

その結果、乗客とのトラブルが長引き、事態が深刻になることが懸念されます。

また、法律による保護がないため、犯罪に巻き込まれた場合など自分が不利な状況に追い込まれる恐れもあります。

せっかくの運転経験を活かしたいのであれば、しっかりと許可を得て、制度が整った環境で安心して働くことがおすすめです。

3.なぜ今、違法な白タクが増えているのか?その社会的な背景

3.なぜ今、違法な白タクが増えているのか?その社会的な背景

白タクの違法性やリスクがある程度知られているにもかかわらず、なぜ白タクは増えているのでしょうか。その背景や要因について解説します。

インバウンド観光客の増加とタクシー不足

近年、インバウンド観光客の急増により、都市部や観光地では深刻なタクシー不足が発生しています。

また、言葉の壁や料金に対する不安などから、正規のタクシーを利用しづらいと感じる外国人旅行者も増えています。

そのため、同じ出身国のドライバーによる低料金の白タク需要が高まり、とくに観光地を中心に無許可営業が拡大しているのが現状です。

マッチングサービスの普及が摘発を困難にしている

スマートフォンアプリによるマッチングサービスの普及により、白タク行為は一層巧妙化しています。

現在では、配車から決済までのやり取りをすべてインターネット上で完結させられるため、現金の授受を示す証拠が残りにくくなりました

その結果、警察による摘発はこれまで以上に困難になっています。こうした事情が、白タク利用者の増加につながっている一因でもあります。

正規ドライバーになるための「参入障壁」という問題

タクシー事業に新たに参入するためには、長年の運転経験が求められることや、複数台の車を用意すること、営業所を設けることなど、さまざまな高いハードルがあります。

初期費用だけでなく、維持費の負担も大きいため、個人が開業するのは現実的には非常に難しいのが実情です。

そのため、許可を得ずに無認可で白タク営業を行う人が後を絶ちません。

4.【最重要】「日本版ライドシェア」と「白タク」の決定的な違い

4.【最重要】「日本版ライドシェア」と「白タク」の決定的な違い

「白タク」と「日本版ライドシェア」は、どちらも一般の自家用車を利用して人を送迎するサービスですが、その仕組みや法的な位置づけには大きな違いがあります。

ここでは、両者の違いについて、運営方法や安全性の観点からわかりやすく解説します。

運営主体と管理責任:個人か、タクシー会社か

「日本版ライドシェア」は、タクシー会社が運送の責任を負う公認の制度です。そのため、運行管理や安全対策もすべて事業者が一括して行います。

一方「白タク」は、無許可の個人が営業するものであり、法律による管理や安全対策が行われていません。そのため、原則として禁止されています。

参考:国土交通省|日本版ライドシェア(自家用車活用事業)について

ドライバーの資格と車両の安全性:求められる条件の違い

ライドシェアドライバーの資格については、第一種運転免許所持していれば業務が可能です。従来のタクシー業務で必要とされる第二種運転免許は不要で、免許取得後1年以上で応募できることが一般的です。

ライドシェアでは、自家用車を使用するため、定員やドアの数、ドライブレコーダーの設置など、一定の車両条件を満たしている必要があります。

また、運営する事業者が指定した整備士による定期点検を実施するなど、車両の安全管理が求められます。研修や講習の内容については事業者によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

短時間での業務など自由度の高い働き方ができることから、副業やダブルワークとしても適しています。

一目でわかる比較表:白タク vs ライドシェア vs 正規タクシー

白タク、ライドシェア、正規タクシーの違いについて、以下の表にまとめています。

交通手段の比較:白タク、ライドシェア、正規タクシー
白タク
ナンバープレート
白色 (一般車両)
営業許可
なし(違法な自家用有償運送)
運転手の資格
第一種運転免許のみ
料金設定
自由(交渉や取り決め次第)
安全性
基準なし。車両点検・整備義務なし。不安定。
保険
一般の任意保険のみ(事業用としては不適切)
ライドシェア
ナンバープレート
白色 (自家用車)
営業許可
一部地域で制度化(運行管理はタクシー会社)
運転手の資格
第一種運転免許のみ
料金設定
アプリで事前提示、相乗り割引等で安価傾向
安全性
運行管理・整備管理は事業者管理下で一定の基準あり
保険
任意保険、またはサービスによっては事業用保険に加入
正規タクシー
ナンバープレート
緑色(営業用車両)
営業許可
国の許可(運輸支局長)あり
運転手の資格
旅客運送に必要な第二種運転免許が必要
料金設定
メーター制。国土交通大臣の認可を受け法的に管理。
安全性
法定基準を満たす。定期的な点検・整備が義務。
保険
事業用自動車保険への加入が義務付けられている

白タクは法的な面や安全面でリスクが高いと言えます。運転を仕事にするのであれば、制度や安全性、補償の有無を十分に確認し、自分に合った職業を選ぶことが、成功への第一歩となります。

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5.白タクと混同しやすい!他の運送サービスとの違いも解説

5.白タクと混同しやすい!他の運送サービスとの違いも解説

「白タク」と類似する仕組みのサービスはいくつか存在します。ここでは、白タクと混同されがちな他の運送サービスとの違いについて解説します。

お客様の車を運転する「運転代行」との違い

運転代行は、依頼者の車を代わりに運転し、飲酒時や体調不良時に利用されるサービスです。

このサービスは、ドライバー2名(随伴車1台)で現場に向かい、1名が依頼者の車を運転します。依頼者は必ず自分の車に同乗する必要があり、随伴車に依頼者を乗せてはいけません。

運転代行業を行うには、「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」に基づき、公安委員会の認定が必要です。また、依頼者の車を運転するドライバーは第二種運転免許が必要です。

タクシーとは違い運送事業の許可は得ていないため、随伴車にお客様を乗せるなどの行為は白タク行為と見なされ、罰せられる可能性があるため注意が必要です。

参考:e-Gov 法令検索|自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律

例外的に認められる「自家用有償旅客運送」とは

公共交通の整備が十分でない地域で、住民が移動する手段を確保するために設けられたのが「自家用有償旅客運送」という制度です。

この制度では、市町村やNPOが必要な登録を済ませた上で白ナンバーの車を用いて有料で人を運ぶことが認められています

交通機関がほとんどない地域や福祉を目的とした利用など、地域の実情に応じて柔軟に活用できる制度となっています。

参考:国土交通省|自家用有償旅客運送ハンドブック

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運転代行と白タクの違いについて触れましたが、タクシー運転手として働くために必要な二種免許の取得条件や費用について詳しく解説しています。

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白タク行為などの違法なリスクを避け、安心してタクシードライバーとして働くためには、必要な資格を正しく取得し、適切な職場を選ぶことが大切です。ここでは、安全かつ安定した働き方を実現するためのポイントを紹介します。

正規ドライバーへの第一歩「第二種運転免許」とは

タクシーやバスなど、料金をもらって乗客を運ぶプロドライバーに必要なのが「第二種運転免許」です。第一種運転免許を取得してから3年以上の経験が求められます。

混同されやすいものとして、ホテルの送迎車や学校の送迎バスの運転など料金が発生しない場合、第二種運転免許は不要です。

また、緑ナンバーの営業車であっても貨物運送車など、乗客を輸送するための車ではない場合も、第二種運転免許は不要です。

Information

二種免許(第二種運転免許)とは、バスやタクシーなどのように、運賃をもらってお客様を輸送する際に必要になる免許です。

充実した研修とサポート体制!正規のタクシー会社で働くメリット

正規タクシー会社は、第二種運転免許取得をサポートする制度や充実した研修体制が整っており、未経験の方でも安心して始められる点が大きな魅力です。

また、入社後には給与保証があり、安定した環境で自身のスキルを磨けます。

さらに、歩合制によって努力がそのまま収入に反映されるため、やりがいを実感しやすい仕事です。

職場の人間関係のストレスが少なく、自分の判断で自由に働ける点も魅力のひとつです。年齢やこれまでの経験を問わず、長く働ける職場として注目されています。

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7.白タク行為は厳禁!法制度を理解し安全なキャリアを選ぼう

自家用車で料金を受け取る「白タク」行為は、道路運送法違反であり、拘禁刑や罰金、そして事故時の補償が受けられないといった深刻なリスクを伴います。違法行為を避けるため、まずは白タクの明確な定義とリスクを理解することが重要です。

自家用車を活用するなら、運行管理や安全対策がタクシー会社によって行われる公認の制度「日本版ライドシェア」を選択しましょう。

また、安定した収入と万全のサポートを求めるなら、第二種運転免許を取得し、充実した研修制度を持つ正規のタクシー会社で働くことが最も安全かつ着実なキャリアパスです。

車を活かした仕事を選ぶ際は、法的な安全と補償が確保されているかを必ず確認してください。

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