「60歳を過ぎてもドライバーとして働けるのだろうか?」と不安に感じる方は少なくありません。
結論からいうと、ドライバーは60代からでも十分に転職できる職種です。ドライバー職の求人倍率は全職業平均の2倍以上あり、定年後の再就職先として選ぶ方も一定数います。
この記事では、60代ドライバーの求人の実態と収入の目安、年金をもらいながら働くときの注意点、職種ごとの特徴と必要な免許、採用されやすい応募のコツまでをまとめて解説します。
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- 60代ドライバーの求人状況・年収の目安と、年金との関係
- 60歳から挑戦しやすいドライバー職種と、手持ちの免許で運転できる車
- シニア歓迎の求人の見分け方と、おすすめの求人サイト・エージェント
1.60歳からのドライバー転職の現実とは

ドライバーの有効求人倍率は全職業平均の2倍以上
運送業界は慢性的な人手不足が続いています。
厚生労働省の最新統計(令和8年7月)では、自動車運転従事者の有効求人倍率は2.53倍でした。全職業計の1.05倍と比べて、約2.4倍の水準です。
求人が求職者を大きく上回っているため、年齢よりも「安全に運転できるか」「長く働いてくれるか」を重視する会社が多いのが特徴です。
| 区分 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 自動車運転従事者 | 2.53倍 |
| 職業計(全職業) | 1.05倍 |
※令和8年7月、常用(パート含む)・原数値。参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表
就業者の年齢構成|45歳以上が中心

道路貨物運送業の就業者は、45〜54歳の割合が高くなっています。
65歳以上も約10%おり、定年後の再就職先として運送業を選ぶシニア層が一定数いることがわかります。
シニア向け求人は「嘱託・パート」も多い
60代の求人は、正社員だけでなく嘱託・契約社員・パートの比率が高いのが実情です。
シニア専門求人サイト「シニアジョブ」の運営会社による調査では、同サイト掲載求人のうち正社員は全国で33.5%、パート・アルバイトは57.7%でした(運営会社の自社サイト掲載求人の集計)。
「週3〜4日」「1日6時間」など働き方を選びやすい一方、フルタイムの正社員にこだわると選択肢が狭まる点は理解しておきましょう。
一方で、年齢による課題もある
シニアドライバーには、次のような課題もあります。
- 加齢に伴う視力・聴力の低下
- 反射神経の衰え
- 長時間運転による疲労の蓄積
また、デジタルタコグラフや配送管理アプリなど新しいシステムに慣れるまで時間がかかる場合もあります。
研修やサポート体制が整った会社を選ぶことが大切です。
2.60代ドライバーの年収と年金の関係
60代の年収目安
60代の給与は、多くの業種で「定年後の再雇用」によって大きく下がります。
一方、ドライバー職は年齢による下がり幅が比較的小さいのが特徴です。
| 年齢階級 | 大型トラック | 中・小型トラック | タクシー | 全産業 |
|---|---|---|---|---|
| 55〜59歳 | 約518万円 | 約448万円 | 約481万円 | 約641万円 |
| 60〜64歳 | 約471万円 | 約391万円 | 約440万円 | 約506万円 |
| 65〜69歳 | 約406万円 | 約349万円 | 約379万円 | 約402万円 |
| 70歳〜 | 約361万円 | 約327万円 | 約348万円 | 約353万円 |
※年間推計額(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)。大型トラック=営業用大型貨物自動車運転者、中・小型トラック=営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)、年齢階級別(産業計・男女計)/全国ハイヤー・タクシー連合会「『令和7年賃金構造基本統計調査』によるタクシー運転者の現況」
全産業では、55〜59歳から60〜64歳にかけて年収が約135万円下がります。これに対し、大型トラックは約47万円、中・小型トラックは約57万円、タクシーは約41万円の減少にとどまります。
65歳以降は、大型トラックの年収が全産業の平均と同じ水準です。定年後も収入を維持しやすい点は、ドライバー職の大きな強みといえます。
年金をもらいながら働く場合|在職老齢年金
厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、「在職老齢年金」によって年金が減ることがあります。
2026年4月から、年金が減額される基準額は月65万円(賃金と老齢厚生年金の月額の合計)に引き上げられました。月給と年金の合計がこの額を超えなければ、老齢厚生年金は全額受け取れます。なお、老齢基礎年金は減額の対象外です。
基準額は毎年度改定されるため、最新の金額は日本年金機構のサイトで確認しましょう。
参考:厚生労働省|在職老齢年金制度の見直しについて
60〜64歳の給与が下がったら|高年齢雇用継続給付
60歳以降の賃金が60歳時点の75%未満に下がった場合、雇用保険から「高年齢雇用継続給付」を受けられることがあります。対象は60歳以上65歳未満で、雇用保険の被保険者期間が通算5年以上ある方です。
60歳に達した日が令和7年4月1日以降の方は、支給額の上限が各月の賃金の10%です(それ以前の方は15%)。
参考:厚生労働省|令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します
3.60歳から始められるドライバー職種の選択肢

60歳からの転職では、体力的な負担と必要な免許を踏まえて職種を選ぶことが大切です。
【タクシードライバー】接客スキルを活かせる選択肢
タクシードライバーは60歳からの転職で人気の高い職種です。
日勤・夜勤・隔日勤務から選べる
体力や生活スタイルに合わせて働き方を選べます。
普通自動車第二種運転免許が必要ですが、多くの会社が取得費用を負担する支援制度を用意しています。
人生経験や接客スキルを活かせる点も魅力です。お客様との会話や観光案内など、コミュニケーション能力が評価されます。
定年や再雇用の上限年齢は会社によって大きく異なり、定年後も嘱託として70代まで乗務できる会社もあります。応募前に「定年は何歳か」「再雇用は何歳まで可能か」を必ず確認しましょう。
▼あわせてよみたい
タクシードライバーの収入について詳しく知りたい方は、給与体系や地域別の年収相場を解説した記事をご参照ください。歩合制の仕組みや効率的な稼ぎ方のコツも紹介しています。
【トラックドライバー】日帰りの地場配送がメイン
60歳からのトラック運転手転職の場合、地場配送(近距離・日帰り)が現実的です。
地場配送で決まったルートを運転
道を覚えやすく、長時間運転による疲労も少なめです。
まず確認したいのが、手持ちの免許で運転できる車の範囲です。2007年(平成19年)6月1日以前に普通免許を取得した方は、「8t限定中型免許」を持っている扱いになります。
そのため、車両総重量8t未満・最大積載量5t未満の車であれば、追加の免許なしで運転できます。
これに当てはまる方は、一般的な2tトラックに加え、条件を満たす4tクラスのトラックに乗れる可能性があります。
ただし、4t車でも車両総重量が8t以上のものは運転できません。応募時に車両のサイズを確認しましょう。
最近はパレットやフォークリフトを使った荷役が増え、手積み・手降ろしの負担が少ない求人も見つかります。
▼あわせてよみたい
60歳からトラック運転手を目指す方向けに、年収の目安や採用されやすい人の特徴をさらに詳しく解説しています。
60歳からトラック運転手は可能?必要な条件や転職サイトを紹介
【その他のドライバー職】配送・送迎など
宅配ドライバー
宅配ドライバーは普通免許で働けるため、始めやすい職種です。ただし、個人宅への配送が中心で荷物の上げ下ろしや階段の昇り降りが多く、体力的な負担は大きめです。
送迎ドライバー
送迎には、介護施設・ホテル・幼稚園などの種類があります。運転技術だけでなく、利用者への気配りや、職場によっては介助の知識も求められます。
次の条件をすべて満たし、運賃を受け取らずに送迎する場合は、第一種免許で運転できます。
- 白ナンバーの自社車両で送迎している
- 運転手がその施設や園などに所属している
- 乗車定員が10人以下(普通免許で運転できる範囲)
短時間・パートの求人が多く、「午前と夕方だけ働きたい」という方にも向いています。
▼あわせてよみたい
送迎ドライバーはきつい?以下の記事では、向いている人の特徴や求められるスキルから、意外と知られていないやりがいまで解説しています。ぜひ参考にしてください。
ルート配送ドライバー
決まった店舗や事業所に商品を届ける仕事です。配送先が固定されているため覚えやすく、業務が安定しています。食品や日用品など比較的軽い荷物が多いのも特徴です。
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ルート配送はきつい?以下の記事ではルート配送の詳しい仕事内容や年収、向いている人の特徴、キャリアパスを解説しています。ぜひ参考にしてください。
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4.必要な免許と取得支援・高齢ドライバーの免許制度
まずは免許証の「条件」欄を確認
運転できる車の範囲は、免許を取得した時期によって変わります。
免許証の「条件等」欄に「中型車は中型車(8t)に限る」とあれば、8t限定中型免許です。
| 免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 | 目安の車両 |
|---|---|---|---|---|
| 普通(2017年3月12日以降取得) | 3.5t未満 | 2t未満 | 10人以下 | 軽・小型トラック |
| 8t限定中型(2007年6月1日以前に普通免許取得) | 8t未満 | 5t未満 | 10人以下 | 2t〜一部の4t |
| 準中型 | 7.5t未満 | 4.5t未満 | 10人以下 | 2t〜3t |
| 中型 | 11t未満 | 6.5t未満 | 29人以下 | 4t |
| 大型 | 11t以上 | 6.5t以上 | 30人以上 | 10t |
参考:警視庁/各県警察「運転免許の種類と運転できる自動車」
2007年6月2日〜2017年3月11日に普通免許を取得した方は、「5t限定準中型免許」(車両総重量5t未満・最大積載量3t未満)の扱いになります。
タクシーを目指すなら普通二種免許
タクシードライバーには普通自動車第二種運転免許が必要です。取得条件は下記のとおりです。

多くのタクシー会社には入社後に二種免許を取得できる支援制度があり、費用を会社が負担するケースも一般的です。
自分で免許を取るなら教育訓練給付金を活用
自費で免許を取る場合は、雇用保険の「教育訓練給付金」を使える場合があります。
大型・中型・二種免許などの講座は、教習所によって次のどちらかに指定されています。
- 一般教育訓練
費用の20%(上限10万円) - 特定一般教育訓練
費用の40%(上限20万円)。資格を取得し、雇用保険の被保険者として就職した場合は最大50%(上限25万円)
受給には雇用保険の加入期間などの条件があります。
対象講座かどうかは、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」かハローワークで確認しましょう。
参考:厚生労働省|教育訓練給付制度
70歳以降も働くなら知っておきたい免許更新制度
長く働き続けるうえで、高齢ドライバー向けの免許更新制度も押さえておきましょう。
- 70歳以上:免許更新の前に「高齢者講習」の受講が必要
- 75歳以上:「認知機能検査」の受検も必要。過去3年以内に信号無視などの一定の違反歴がある方は「運転技能検査」に合格しないと更新できない
参考:警察庁・各都道府県警察|高齢運転者の免許更新制度
5.60歳からドライバー転職を成功させるポイント

働き方と収入の目標を先に決める
最初に、次の3点を整理しておきましょう。
- 体力・健康状態:長時間運転や荷物の積み降ろしができるか、視力・聴力に不安はないか
- 働き方:フルタイムか短時間か、日勤のみか、週何日働きたいか
- 収入目標:年金と合わせて月いくら必要か(在職老齢年金の基準額も意識する)
60歳からの転職では収入が下がることも多いため、年金を含めた家計全体で考えるのが現実的です。
▼あわせてよみたい
ドライバー職が未経験の方は、転職成功のための具体的な方法と会社選びのポイントを詳しく解説した記事もご覧ください。面接対策や資格取得のコツも紹介しています。
シニア歓迎の求人を見分ける
「シニア歓迎」「60代活躍中」「年齢不問」などの記載がある求人を中心に探しましょう。
あわせて、次の点を確認します。
- 定年・再雇用の上限年齢
- 給与体系(固定給か歩合給か)と手当の内訳
- 手積み・手降ろしの有無、1日の配送件数
- 研修・同乗指導の期間
- 社会保険の加入条件
可能であれば職場見学を申し込み、実際に働いているドライバーの年齢層や職場の雰囲気を確かめるのがおすすめです。
応募書類と面接で「安全」と「長く働ける」を伝える
職務経歴書には、運転経験年数、無事故・無違反の期間、保有免許を明記しましょう。前職で培った責任感・顧客対応力・時間管理能力も強みになります。
面接では、次のような質問がよく聞かれます。
「なぜ60歳からドライバーを選んだのか」
「体力面に不安はないか」
「新しいことを覚えるのに抵抗はないか」
健康診断の結果や日頃の体力づくりなど、具体的な根拠を添えて答えると説得力が増します。逆質問で研修制度や先輩ドライバーのサポート体制を聞くと、学ぶ意欲も伝わります。
入社後は、年下の上司や同僚からも素直に学ぶ姿勢が大切です。また、収入や勤務時間の変化については、転職前に家族と話し合っておきましょう。
6.健康管理が長く働くための土台

ドライバー職では健康管理が何より大切です。定期健診を欠かさず受け、視力・聴力の変化にも早めに気づけるようにしましょう。
ウォーキングやストレッチ、腰痛予防の筋力トレーニングなど、無理のない運動を習慣にすると体力を維持しやすくなります。夜勤がある場合は、昼間の睡眠環境を整えることも重要です。
▼あわせてよみたい
定年後のセカンドキャリアとしてドライバー職を選ぶメリットについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。シニアが活躍できる理由と採用ポイントを紹介しています。
7.60歳ドライバー転職におすすめの求人サイト・転職エージェント

60歳からのドライバー転職を成功させるためには、シニア層に理解のある求人サイトや転職エージェントの活用が重要です。
ここでは特におすすめのサービスを詳しく紹介します。
カラフルエージェントドライバー
カラフルエージェントドライバーの特徴
- 軽車両から大型トラック、送迎、タクシーなどさまざまなドライバーに特化
- 高月収、正社員、残業・夜勤なし、土日休みなど、様々なライフスタイルに合わせた求人
カラフルエージェントドライバーは、WEBから無料登録できるドライバーに特化した人材紹介サービスです。
高月収・正社員・土日休み・残業なしなど多様な条件に対応し、普通・中型免許のみでも応募可能です。
限定求人や非公開求人も保有し、専門キャリアアドバイザーが親身にサポートする点が特徴的です。
シニアジョブ
シニアジョブの特徴
- 50歳以上に特化した求人サイト(2022年8月開設)
- 50歳以上の応募を了承した企業だけが求人を掲載
シニアジョブは、50歳以上のシニアに特化した求人サイトです。求人企業の平均年齢や、50代・60代・70代以上の勤務人数など、シニアの活躍状況を確認できます。
ドライバー職では配送のほか、送迎や回送などの求人も探せます。運行管理など、運転経験を活かせる管理系の仕事も選択肢になります。
シニア求人ナビ
シニア求人ナビの特徴
- 50代~60代を中心とするシニア世代の求人サイト
- 配達、送迎、タクシーなど多様なドライバー職
シニア求人ナビは50代・60代中心の求人情報を扱う求人サイトで、年齢を気にせず応募できる求人が豊富に掲載されています。
ドライバー職についても、配達、送迎、タクシーなど多様な職種の求人があり、短時間での勤務から正社員まで検索可能です。
8.60歳からのドライバー転職でよくある質問
-
65歳・70歳からでもドライバーになれますか?
-
なれる可能性はあります。ただし、年齢が上がるほど求人は短時間・パート・送迎などに寄っていきます。「70歳以上歓迎」の求人は60代向けより少ないため、エージェントなどで年齢条件に合う求人を効率よく探すのがおすすめです。
-
ドライバー未経験の60歳でも採用されますか?
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採用されるケースは多くあります。無事故・無違反の実績や、前職の社会人経験が評価につながります。研修や同乗指導の期間が長い会社を選ぶと安心です。
-
年金をもらいながら働くと、年金は減りますか?
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厚生年金に加入して働く場合、賃金と老齢厚生年金の月額の合計が基準額(2026年度は月65万円)を超えると、老齢厚生年金の一部が支給停止になります。基準額以下であれば減額はありません。
-
普通免許しか持っていませんが、トラックに乗れますか?
-
2007年6月1日以前に取得した普通免許であれば、車両総重量8t未満のトラックを運転できます。まずは免許証の「条件等」欄を確認しましょう。
9.60歳からのドライバー転職を成功させるために
60歳からのドライバー転職は、人手不足を背景に十分に実現できます。
成功のポイントは、次の4つです。
- 手持ちの免許で運転できる車を確認する
- 年金を含めた収入目標と働き方を決める
- 定年・再雇用の上限年齢を確認して、長く働ける会社を選ぶ
- 無事故の実績と健康管理への取り組みを具体的に伝える
一人で求人を探すのが不安な方は、ドライバー専門のエージェントに相談して、年齢条件に合う求人を紹介してもらうのも一つの方法です。
60歳からのドライバー転職を専門サポート
カラフルエージェントドライバーでは、60歳以上の方のドライバー転職もサポートしています。非公開求人や、年齢を重ねた方でも応募しやすい求人をご紹介します。
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